4 華音に手を焼く和孝
翌日のこと。昨日のことを実行しようとして、俺のおこしにきたみたい。廊下から足音が聞こえてきて、俺の部屋の前で止まる。
静かにドアを開けると、俺のベットに近づく。でも、俺は寝たふり。
そして、俺の体を揺さぶり、
「起きてよ。朝だよ」
まさか、朝からいろいろとしてくるとは思いもしなかった。
今までで大胆な行動。絶対に起こしに来ない奴が来るのだから、大参事。こいつが好きなことは、家の中にはまだ、回っていない。でも、いつ回るかわからない。
この作戦は、水奈も参戦してくる可能性が高い。どうしようもない状況。
でも、相手がやるきなら、こっちだって。俺は、少しムキになった。
学校へと行くとき、なんか自転車を降りていこうよ的なアピールをしてくる。相手は、本気だ。いつから好きだったかは、知っている。
それは、あった時に一目ぼれをしたという顔をしていた。
教室へとつくと、俺は真司の所に行く。
「おはよう。なんか、いつもの和孝と違う感じがする。どうした?」
「それはなぁ、華音に告られたんだよ」
真司は驚きを隠せないようだ。
「マジで、やっと告ったか」
やはり、こいつは知っていた。俺の分析だと、こいつは最初から知っていた。そして、
「でも、あいつも勇気があるなぁ~」
「何でだよ」
「今まで言えなかったからだよ」
なるほどと心の中で納得してしまう自分。情けない。でも、なんか気まずいような感じだ。なぜなら、水奈も俺のことが好きだということを知っているからだ。どうせ、嫉妬とかしてきそうな予感。
とりあえず、ホームルームが終わると、
「和孝。一緒にあんなことやこんなことを……」
周りから白い目で見られた。
『あいつら、なんかいやらしいことでもしそうなんだけど』
俺的には、やばい展開。ごまかすしかない。
「いやぁ――、別にいやらしいことではないから大丈夫だよ」
と俺がごまかすと、
「じゃあ、家でね」
と言うものだから、完全にごまかしは利かなくなる。嫌がらせにしかない。
「お前はなんてことを。まったく、ふざけるのもいい加減にしろ」
「何? い・い・か・げ・ん? 別にそんなことはないけどなぁ~」
「ふざけるな。かわいい子ぶってるんじゃない。おちょくってるのか?」
「全然、おちょくるなんてね。馬鹿にはしてるけどね」
『馬鹿にはしているけどね』の所だけは、すごく強調された。なんか、悔しい。
そして、気分的に突っ込みたい気分。また、相手から仕掛けてくる。
「トイレに行きたいからいっトイレ」
教室はシラケた。
「ダジャレなんか言ってるんじゃねぇ――。シラケたじゃねぇ――――かぁ」
「知らんがな」
「おっさんかぁ。お前は」
「うん」
「うんじゃねぇ――」
なんとなく、くだらなくなってきた。そして、周りは爆笑。
こんな感じで、休み時間はすっ飛んで行った。
――バイバイ。
と言いたくなる感じで……。
授業が大体終わって、昼休み。俺は教室で真司と食べていると、
「私も混ぜてよ」
珍しいことをしてきた。
「何でだよ。いつもと同じメンバーと食べればいいじゃないか」
なんか、相手の表情が変わった。そして、真司は爆笑。
「おい、真司。笑いすぎ」
「だって、お前らの会話が面白くって」
今だに笑っている。
「コンビ組んだ方がいいじゃない」
なんだとと思うかんじだが、
「いいね」
――乗るんかい。そこはスルーでお願いしますよ。
なんとなく、突っ込む俺。情けない。と言う感じで、話が進む。
俺はついていけない。どうしようもない。だって、盛り上がりすぎて、やらないとは言えなくなった。何かやらされそうな予感はする。




