2 乙女心に苦戦をする!
俺は華音と下校している途中である。だけど、華音は元気がない。つらかったのだろう。そこで、俺は提案してみた。
「もし、抱えていることがあるなら、家に行ったらいくらでも聞くよ。なんか、今日は教室にいるときとても元気なかったから心配だったんだよ」
「そうなの。じゃあ、相談に乗ってもらうことにする」
「それじゃあ、夕食後にな」
「わかったわよ」
俺は普通に家に帰った。俺は制服から私服に着替えて、リビングに行き、すぐさま夕食を食べた。
食べた後、俺は華音の話を聞くべく、華音の部屋に入ることにした。
華音の部屋はとても整っていてきれいだ。なんと美しいんだと思ってしまうほどだ。
それに、女の子の部屋に入るのは、2回目だが、水奈とは違う。
なんか女の子らしい部屋と言えばいいのか。
ほとんどがピンク色の物がある。
そのほかに、青のカーテンなどがある。それに、部屋にはテレビ、ベット、机、棚がある。すべて配置がバランスよくなっている。
――すごすぎる。
華音はとてもきれいに整頓する派だということが分かったところで本題だ。
今日の俺の目的は、華音の話を聞くこと。
家族となった今では一番大切なことだと思う。だれも、相談する人がいなければ、人間の心は崩壊することもあるからだ。
人間は一人では生きられないように、相談相手がいなければ先には進めないから。
俺は、華音の部屋で真ん中に小さい机があったので、そこのドア側に座った。華音は俺と真逆に座った。すると、華音は話し始めた
「和孝君に聞いてもらうというのは慣れないかな」
今の話し方で、華音の笑顔。なんだか好きになりそうだ。
――これはやばいすぎだろ。おれの心臓がドキドキ言っているよ。
「それで、何だい? 話って……」
「それは……」
「もしかして、今日の女子の仕打ち? そんなの気にしなくてもいいんだよ」
すると、華音は少し改まった。
「違うの。私のことどう思っているのかなとか思っちゃって……」
華音は恥ずかしそうに言った。
――おいおい、これは単刀直入だな。やばいよいきなり女子にこんなことを言われるとか。
華音は俺の表情を見ている。
――そんなにみられると、照れちゃうな~。
だけど、何かしら言わなくてはいけない。
「う~ん。そうだな。嫌いじゃないかな。別に悪い性格でもないし、家族なんだし……」
「それで、もっと聞いていい? 好き嫌いで言ったらどっち?」
――さすがにまずいだろ。こんな上眼遣い。惚れて舞うやろ――!
俺の心臓は呼吸が見られたみたいに、ドックドック。
それに、すぐに答えないとかわいそうだから答えることにした。
「まあ、好きかな。好き嫌いで言うなら」
「なんかうれしいよ。和孝」
――なんだこの感覚。今までに体験したことがない。ファーストネームで呼び捨てってなんだかいいな。
ますます、男の本心が出始めてきた。
すると、もう1つ質問してきた。
「もし、家族じゃなかったら、私をれ……れんあ―――」
いきなり、水奈がドアをあけるもんだから、焦ったみたいに、口を閉じた。
――おいおい、本当にいい雰囲気が台無しじゃないか。
俺は心の中で思うが、口には出さなかった。
「どうした、いきなり。そんなすごい勢いでドアをあけて……」
「なんか、面白そうな感じの声が聞こえたから」
「はぁ~。お前の頭の中はどうなってる。誰も騒いじゃいねぇ――ぞ」
「でも、確かにきこえたんだよ」
「ただの空耳じゃねぇ」
俺は顔を見ると、なぜか焦っている。
「聞こえたもん。確実に、この耳で聞きましたよ」
「そうかよ。その耳、施術した方がいいじゃねぇ――の。そのおかしい耳をな」
「うっさいわね。このバカの塊がね、調子こいじゃねぇ――よ。くそみたいなあほ野郎が……」
なんだか、頭にきた。ふざけてやがる。おれのことをこんな風に言うなんて、どうかしているのは水奈の方だといいたい気分。
すると、華音が口を滑らした。
「やっぱり、兄と妹はよくにているね。喧嘩をしないでね」
「「兄と妹で喧嘩なんかしてねぇ――よ」」
俺と水奈は息がぴったりだったみたいだ。同じ言葉を発していた。
俺はびっくりしているが、水奈は赤い顔をしているので、驚きだ。
――俺とかぶってまじかとか思ってんじゃないか。これはまずいな。
俺はどうにかしようとしたが、華音が『いいよ』的なサインをしたので、やめた。
それよりも、本題に入ろうと思い、
「本題に入ろう。なんか悩みがあるんだよね」
「そうだよ。私はクラスにいづらい」
華音は少し困ったように言った。
「何で? もしかして冷やかし?」
「違う。なんとなくっていうか。和孝だけには言いたくない」
なんだか、妙な気持ちになった。
――同じ家族なのに、俺に言えないことだと―――。おれってどんだけ信頼されていないんだろう。
なんか、すごくショックだった。
でも、華音の顔は真っ赤染まってる。
俺は恥ずかしいことでも言ったのだろう。不思議でしょうがない。
すると、水奈がいきなり語り始めた。
「お姉ちゃんって、お兄ちゃんのことを呼び捨てで呼んでるんだ。どこまで浸しくなったのかな、ここまで。それに、ファーストネームで呼ぶって……」
俺はなんか恐怖を感じた。これはなんの恐怖だがは、後々わかることだろう。
俺は、華音の話を聞くことができず、それに水奈にはなんか変なことになってしまったし、どうすればいいか全然わからない。
だって、乙女心いうものは、男にはないからだ。それに、体験もしたこともないことであり、よけいに戸惑ってしまう。
それが、俺の弱点ともいえるところ。勉強以外全然だめだということ。
それでよく鈍感だといわれたものだ。
それでも、勉強するためには恋愛は禁止している自分なのだから、守らないといけないと思い、考えるのをやめた。
その後と言うもの、水奈は無視の連続だ。おれにだけは……。
――なんて、俺だけこんなにも修羅場的で、きつい生活をしなくちゃいけないんだ――――!
俺は、心の中で叫ぶのだった。




