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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第三章 華音と水奈
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5 忙しい生活の和孝

 何もないような日にはいいことがあるだろう。今週もようやくいつも通りに終わり、休日を楽しんでいる。昨日は缶詰め状態でパソコンでの資料を完成させるために頑張っていたが、途中でダウンしてしまった。

 そして、今日は、日曜日。とても寝たい気分でもあるが、起きることをしないと資料が完成しないで、すべてが面倒な方向へと進んでしまう。

 俺は早速、昨日のプレゼンの資料作成の編集だ。


「あと二日で終わるかな」


 俺はため息をつきながら、パソコンを見ていた。なんとなく終わる気もせずにただ投げ眺めているだけ。どうしようもない状態だ。


「ねぇー。今日はさ、どっか出かけようよ」


 うるさい妹の登場。何かとちょっかいを出したいようだ。


「嫌だね。今日は忙しいんだ。お前は友達といけ」

「へ――、忙しいんだ。じゃあ、部屋に入る」


 意地は悪いというか、いきなりドアを開ける。そして、俺の隣に来ては、邪魔をする大戦に入っている。


「邪魔する気かぁ――。ふざけんなよ」

「ふざけていませんけど、なんなのよ。妹じゃないとなると冷たいんだから。マジ最悪」

「お前は、どっかのツンデレの女子中学生か――」

「そうですけど、何か」

「お前な、俺は高校の課題でやっているんだ。邪魔だけはやめてほしいんだけど」

「そんなの知らない」

「知れ、アホ」


 暴言を吐いてしまう俺。なんて、バカなんだ。


「アホじゃないもん。バカ」

「誰がバカだ。このひねくれもの」

「はぁ――。ふざけんじゃないわよ。誰がバカだと!! てめぇーよりはマシだけど何か」


 女子とは思えない言葉が出てきたようだが、俺は少し悲しくなってしまった。


「わかった。わかった。俺が悪かった。本当にそういうところは可愛くないよな。最初とは大違い」

「別にいいじゃないの。そんなこと」


 少し照れていた。これこそがツンデレだ。


 ――もうすこし、素直になればいいのに。可愛い顔が台無しだと思うけどなぁ~。


 俺は心の中でいっているつもりだったが、水奈にはっきり聞かれていたみたいで、顔が赤面し始めた。


「な……な……何言っちゃっているのよ。照れるじゃない」

「もしかして、俺ってはっきりいっていた?」

「完全に言っていた」

「聞こえてしまったか。まあ、しゃーないな」


 俺はなんとなく苦笑いで済ますしかなかった。



 水奈は元気を取り戻し、友達と遊ぶために家をあとにした。さっきのことをどこかの倉庫に置いてきたように、なんも気にはしていなかった。

 少しずつでも進めているつもりでも、なかなか資料の方がまとまらない。どうすればいいのか?その中でもコツコツとパソコンに向き合いながら、進めていくのであった。

 


 夕食の時間になり、今日も昨日と同じすわり位置で、リビング入って、左側がキッチンで、右側が壁になっている。

 そこにキッチン側にドア側からお母さんで水奈とすわり、壁側にドアから俺で座る。

 お母さんが口を開く。


「ねぇ、和孝。華音ちゃんのことだけど、来週にはくることになったからね。よろしく頼むよ」

「お母さん。よろしくって何を?」

「決まっているじゃない。引っ越しの手伝いよ」

「もしかして、俺が『手伝ってこい』とかいうんでしょ」

「そのもしかしてよ。女の子の引っ越しを手伝うのは当たり前でしょ。重たくって持てないものもあるのよ」

「それもそうだけど……」

「何が不満なの?」


 俺を手伝わせたくってしょうがないようだ。どうぜひ学んだから見たいな感じで……。俺は何も言えなくなり、従うしか選択肢はなくなってしまった。そして俺にはとてつもなく体力が必要だった一日なのであった。

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