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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第三章 華音と水奈
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4 早まる引越しと厄介な水奈

 次の日。俺は昨日のことを振り返っていた。どうしてもあの胸の感触を忘れることができなかった。今でも引き出しそうなくらい恥ずかしいことをしたと思っている。水奈の方が恥ずかしかっただろう。 


 ――九月四日火曜日。


 華音がやってくる日はまだ遠い。華音が来たらどんなことが起きるかは俺には予測はできない。それも計画通りにいかない世界だからだ。そして、今日は普通に学校へと行ったのである。



 夜になり、夕食の時間が近づいていた。何かと顔を合わせるのが恥ずかしいというか気まずい。昨日会ったことが脳裏に振り返る。そのたびに、引き出しそうになってしまうのだ。それでも俺は普通の顔で対処する。

 いきなり、母が話し始める。


「そういえば、華音ちゃん今月に来るらしいわよ」

「え―――。何でいきなり?」

「それがね、今までは来月とか言っていたけど、すぐに来たほうがいいと思ったから早めてもらったのよ」

「そういう理由ね」


 何かとうれしそうな顔をする水奈。でも、俺的にはいろいろと大変なことが待っているように感じてしょうがない。自分の姉が来るうれしさとはどんなものなのかは俺には一章わからないだろう。

 


 自分の自由な時間へとなったところで、とりあえず、デスクトップパソコンの電源を入れた。

 机の上にはディスプレイが三台あり、一つは内蔵式だ。すべての機能がこの一つに入っていると言うことだ。いつも授業でパソコンを操作しているだけあり、タッチタイピングは完璧にこなせるようになったし、書類もできるようになった。俺は結構成長できた。

 そして、今回作るものは、三日後にやるプレゼンテーションの原稿だ。プレゼンを聞く側の資料も同時に作らないといけなく、ひどく時間がかかりそうだ。 



 一時間くらいかけて、パワーポインターでプレゼンの内容を完成させた。そんな資料を作っているときに厄介な奴が廊下にいた。


「入っていい?」

「やめてくれ。入るなら、隣の部屋があいてますよォ――」

「そんなこと言わなくてもいいじゃない」

「そういわれても、構うことできなから、テヘ」

「キモイ。そういうのいらない。それに、バカなんだから問題ないでしょ」

「お前にいわれたくないわ――」


俺は少しキレ気味で主張した。すると、水奈は少ししょんぼりした声で答えてくる。


「じゃあ、明日にする」

「三日後にしろや」

「い――や――だ。バカ兄貴には言われたくない」

「そうですか。俺はバカですよ。バカに言われたくなかったら勉強しろや」


 水奈はシカトをして部屋に戻っていった。


 ――なんかむかつくな。最後の態度。


 すると、水奈の笑い声が聞こえた。


「うるさいから、静かにせい。バカやろう」


 部屋に響くくらいの声で叱ってしまった。少しやってしまったという罪悪感だけが残るだけであった。

 

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