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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第七章 華音と和孝
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50 俺の理性は持つはずがない

 俺は華音と水奈に連れ去られ、お風呂場へと来てしまった。これは本当にヤバい状態。本能的にはうれしい反面、理性的には何か間違ったことが起きそうで仕方ない。


「お兄ちゃん、修学旅行の間はとてもさみしかった。いつも毎日会える環境だったから、全然考えてもみなかった」

「なんだよ、いきなりデレみたいな展開は……」

「全然デレてないし、これはあくまでも妹としていじる相手がいなくってさみしかったってこと。勘違いしないで」

「そんなこといわれてもな。どう見ても、自分から『お兄ちゃんがいい』って言っているようなものだろ」

「そんなことないもん。それよりも早くお風呂入らないと……」

「なんか二人で盛り上がっているんじゃないわよ。私もこの場にいるんですけど……。それに疲れているんだから、早くお風呂入りましょう」


 華音は気にせず、俺の前で服を脱ごうとしている。それに続いて、水奈も普通に脱ごうとしている。この二人には恥じらいがないのか。それよりも俺はこんなところに居たら問題じゃねぇ。


「じゃあ、華音と水奈が着替えている間は脱衣所の外で待っているよ。家族だとしても義妹だからな」

「別にいいのよ。私は裸を見られても気にしないわよ」


 何だろう。華音は自身の体に自信があるのだろうか、体を見てというようなアピールをしてくる。


「私だって、お兄ちゃんを迎える準備はできているんだから。妹としてよ」


 本当にこの二人は、男の心をもてあそびやがって。男とはたまには猛獣になることだってあるんだぞ。それを知っての行動なのか。


「やめろって。どんなにガリ勉と言われる俺だって、猛獣になることだってあるんだぞ。それに理性が持たないから、早く着替えてタオルを巻いてくれる?」

「何言っているの。タオルなんて巻いたら、洗い物が増えるじゃない。別に減るものじゃないし、いいじゃないの」

「それは女が言うことじゃなくって、男がいうことだろ。もう少し自身の体を大切にしろよ。それに俺には刺激が強すぎるんだ。あるものが……」


 俺は自分の下を眺める。さすがの俺もとあるものが反応してしまいそうだ。一生懸命押さえていても、生理現象には逆らえない。どうするか、絶対にこんなものがどうにかなってしまったら、変態と罵られることになるだろう。


「和孝。何もじもじしているの? なんか体調でも悪いの?」


 ――助かった。こいつがあっちの知識が無いバカで。今の所、水奈は気づいていないようだし。


 俺は華音の反応を見つつ、水奈の反応も見る。なんか笑顔でこちらを見ているぞ。下を指差しながら。完全に水奈には生理現象がバレているということか。


「何無視するのよ。返事くらいしなさいよ」


 華音が俺を睨んでいるのも関係ないかのように、水奈が割って入る。


「そうだ、お兄ちゃん。リビングに服おいてきちゃったんだ。持ってきて」

「おいおい、兄だとしても女性の衣服を持ってこさせてもいいのか?」

「は・や・く、持ってくるんだよ。今の状態をバラされてもいいの?」


 華音が困惑している中、水奈はとても笑顔だ。なんだ、この笑顔。とても怖いんですけど。俺のことを助けてくれるならいいけど、そのごまかし方が衣服をもってこいなんて。そももそ、今服を持っていなかったっけ。

 水奈の笑顔に恐怖を感じた俺は、脱衣所を出て、リビングへと向かう。


「どうにか助かった。これで良かったんだよな。それよりも、水奈が行っていた服ってどれだ?」


 とある部分を隠すように歩いていると、母がニヤニアしながら話しかけてくる。


「あれ、和孝。お楽しみじゃなかったの。それにしても、何か探しているけどどうしたの?」

「水奈から服をとってくるように頼まれたんだよ。それで、どこなんだろって探しているわけ」

「はっは〜ん。なるほどね。あの子も大胆なことをする子ね」

「え? どういう意味。誰が大胆なことだって」

「和孝は知らなくてもいいのよ。女性同士の秘密よ」


 なんだろう。この母。何においても察しが良いのが困る。子供を育ているのだから、行動は読めるのは当たり前か。それにしても、いつまでもニヤニヤとしやがって。


「今日、選択した下着でも持っていってあげなよ」


 母が渡してくれた下着はとても大胆なものであった。なんというべきか、男子高校生には刺激が強すぎるというか、布面積が少ないのもそうだけど、派手派手だということもある。こんなのを男に持ってこさせるなんてどんな神経をしているのか。


「あんたも、少しは気を使いなさいよ。水奈は多分、あなたのことを思っての行動なんだから」


 やはり、女同士ではわかり会えるということだろうか。それにしても遊ばれているようで気に食わない。

 そんなことを思っていると、母から水奈の下着を渡された。そんなことをしているうちに、元通りになった。今のうちに脱衣所へと向かう。脱衣所のドアを開けると、そこには華音の姿はなく、水奈がバスタオル姿で待っていた。


「お兄ちゃん、ちゃんと持ってきた?」

「持ってきたよ。見てご覧よ。お母さんがこの下着を持っていけって」

「お母さんがね。なるほど、やっぱり女性同士だとわかるのかもね。私が考えていたことが……。なのに、お姉ちゃんは気づかないんだから、困ったものだわ。でも、それのおかげでお兄ちゃんの名誉は守られたものね」


 水奈は苦笑いしながら、下着を自分の服と一緒のところに置く。


「まあ、ありがとよ。あのままだったら、本当にやばかったから」

「仕方ないのよね。男って、少しでも意識するとそうなるって聞いたことあるし」

「おいおい、それどこで聞いたんだよ。姉の華音が知らなくって、妹の水奈が知っているんだよ」

「今の子はませているのよ。お兄ちゃんの世代よりもね」

「はぁ、今後の水奈の未来が危ないことになりそうな気がする。だって、今の段階でそれなんでしょ。恐ろしいわ」

「それよりも、早く着替えてよ。お姉ちゃんは先に入っているんだから。あまり遅いとお風呂場開けてくるよ」

「それはまずい。早く着替えてタオルで隠さないとって、おい。なんでまだいるんだ」

「いいじゃない。見たって減るものじゃないし。私のも見たければいくらでも」

「お前ってそんなキャラだったっけ? 前よりも変態になったのか、本性を表したのかわからんが、おかしいぞおい」

「何言っているの。何事も積極的にならないと人生やっていけないでしょ」

「いや、その年で言われてもな。お前は何を知っているんだ」

「私はいろんなことを知っているわよ。それよりも早くしてね。私も先に入っているんだから」

「はいよ、すぐに着替える」


 水奈がお風呂場へと入っていくと同時に俺は、服を脱ぎ始めた。そして、タオルで大事な部分を隠し、お風呂場へと入るために、お風呂のドアを横にスライドする。

 入ってすぐには大きな湯船があり、目の前には洗い場がある。相変わらず、大きなお風呂である。いつもお風呂は一人で入っているので、広く感じる。しかし、今回は華音と水奈の二人が入っているので、あまり広く感じない。でも、この家のお風呂、女子二人くらいなら余裕なくらいひろいわけで。

 そんなことを考えていると、華音が話しかけてくる。


「和孝、遅かったじゃない。それにしても、どこをおさえているの?」

「いや、これは……。タオルが取れないようにおさえているんだ。別に気にすることじゃないだろ」


 そんな返答に頭にはてなマークを浮かべる華音、苦笑いしている水奈。本当に姉妹なのかと疑いたくなる。

 それにしても、華音と水奈もタオルを取っている。温泉などで湯船にタオルをつけてはいけないというルールに従っているのだろう。でも、湯船には入浴剤が入っているおかげで、ちゃんと隠れている。


「早く入りましょうか。お兄ちゃん。そんなところに突っ立っていても、よくないし」

「わかったよ。でも、二人の刺激が強すぎて困っているのは確かなことだ」

「私たちに興奮するなんてお兄ちゃんはやはり変態ですね」

「そうだったの。でも、和孝になら見られてもいいかなって」


 あれれ、華音さん。あなたの脳内メーカー壊れておりませんか。それともそれが本来の姿なのか。よくわからんな。


「そんなことよりも、早く洗いっこしましょう」


 何だろう、この言葉の破壊力は……。美女二人に体を洗われるってどういう感じなのだろうか。俺の脳内処理も追いついていないようだ。

 俺はとりあえず、シャワーを浴びる。華音と水奈は湯船からあがり、体を洗う準備をしている。


「おいおい、何やっているんだ。先に頭を洗った後だろ、体は」

「両方を一緒に洗ってしまえばいいじゃないの。別に和孝がどうなっても気にしないから」

「それってどういう意味だ? 俺がどうにかされるのか?」

「わかっているくせに言わせないでちょうだい。男性は女の人に洗われたりすると、どうにかなるものがあるんでしょ」


 華音は顔を赤くしながら、下を向く。下を向かれても豊満なボディーがお目にかかれる。って、そんなことかんがえても仕方ない。それに比べて水奈はといいたいが、こいつもこいつで年相応の体をしているのだから、困ったものだ。今の状態でもヤバい。


「まあ、そうだが。でも、俺は耐え抜いて見せる」

「それは無理じゃないかな、お兄ちゃん。私のテクニックに耐えられるの?」


 水奈の手先は何かをするのが慣れているかのように、器用に動く。こいつ、どんなテクニックを持っているというんだ。頭が真っ白になりそうだ。


「なにそれ、妙に笑顔何だけど……。何をしようとしているんだ」

「それは後でのお楽しみ。うふふ」


 俺は華音と水奈に今までのうっぷんを晴らすように、からだの隅から隅まで洗われることになった。

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