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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第七章 華音と和孝
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28 まだまだ元気

 あせって荷物を取りに行く一行は、なんか変な空気になっていた。相変わらず真司が懲りないせいでこっちは面倒くさい。


「いい加減おとなしくしなさいよ」

「別におとなしいじゃないか」


 先ほど担任が指導したせいか、口論していた時よりも落ち着ている。やっと普通に戻ったところで最初の目的地に向かうみたいだ。


「それじゃあ、今回うちのクラスを担当するガイドの人を紹介する」


 俺ら一行は到着ロビーの一角に集まることとなった。そこで担任から垣外の照会があった。


「海上観光から参りました。みなさんが楽しい修学旅行になるようにサポートをいたしますので、よろしくお願いします」


 ガイドの人は女性なのは当たり前なのだが、それは二十代くらいと若い方だった。セミロングくらいの茶髪で愛想がよさそうな笑顔で、ここにいる男子をメロメロにするパワーでもあるかように感じてしまう。それにほっそりした体の上に服の上からでもわかるほどの大きさの胸。スカートのほうはニーハイなんてはいているものだから、これはこれでやばいことになりそう。こんな人が逆にガイドでいいのかと思ってしまうほどのモデル体型だ。


「それじゃあ、俺らのクラスは一号車だからな。忘れるなよ。あと美人だからといって、手を出すなよ」

「「わかっていますって」」


 この返事の大半はわかっていても、ガイドに近づこうと考える変態野郎だろ。まあ、男子高校生は今の時期は欲求のなかで異性に対するものが大きい。仕方ないといえば仕方ないのだ。


「とりあえず、バスに向かいましょうか。それで重たい荷物はバスの下にしまいますので、運転手の方に渡してください」

「おっといっていなかったな。バスの席だが、俺の独断と偏見で決めておいたから確認するように、以上」


 担任は言い捨てて、学級会長にバスの座席表を渡して、バスのほうへと向かっていった。


「どうやら、本当に適当みたいだね」

 ここで会長がため息をついた。それも思いのほか、適当に決めてあるからだ。

「マジかよ。俺とかここの席かよ」


 真司ががっくりした理由はある程度分かってしまうが……。


「私はどこかなって、別に悪くないところね」


 華音が納得した理由というのが、俺の近くということ。それで驚きはやっぱり麻衣だけが普通に組み込まれているということ。この担任は何を考えているのか全く予想が付かないからこそ、怖い。



 何とか全員が席を確認して、バスの運転手に荷物を預けて終わった。そして、会長の支持の元、クラス全員が所定のバスに座った後のことだった。俺と華音、麻衣と真司という感じで横に並んで座った。


「さて、みなさんも着席しましたし、バスも出発できそうですね」


 ガイドが話しているときに前に座っている担任がガイドからマイクを奪い取る。


「ちょっと貸してくださいね。話しますから」


 今までにないほどやさしい声でガイドの手にマイクをとる。それを口をあけながら見ているガイド。


「大丈夫ですよ!」


 ガイドの目の中にハートがあるように見えてしまったのは俺だけなのか。それとも周りの男子にもわかったのか。こんなタイプが好きなのかと。女子は不機嫌だ。ガイドと自分を比べてしまっているのだろう。


「落ち着いたところで今後の予定を発表する。今から新千歳空港から小樽に行く。そのあとはホテルという感じになる」


 担任はそういい捨てるとガイドにマイクを返却する。本当に人の仕事をとるのに縁了がないというか。


「先ほど言ってくださいましたようにこのバスは走らせてまいります。今は新千歳空港をでまして、高速道路へと向かっていることです。それでは、北海道に関する話をさせていただきます。

 この北海道には霧の摩周湖というのがありまして、そこで霧が晴れていると普通の人よりも結婚が遅れるという伝説がございます。また、アイヌの昔話で摩周湖にある小島は孫を見失ってしまったときに摩周湖周辺で疲労などで動けなくなり、そのまま小島となってしまったというものもありますカムイッシュ島と呼ばれております」


 ガイドが長々と話している間は、みんな静かだと感心した。だが、それは男子たちはガイドの魅力に魅了されてしまっただけであった。本当にかわいいとかタイプとかに反応してしまうのがこの男子高校生というものだと実感してしまった。


「本当に男子は子供だよね。女性は中身が大事なのに、見た目に見とれちゃってさ。これだから、彼女ができないとかあるんじゃないの。チャンスなんかどこにでも転がっているというのにさぁ」


 久しぶりに華音が正論を言ってきたので、俺は目を丸くしながら。


「そんなこと言う人だったっけな。俺の目が節穴なのかな」


 棒読みで言ってみると、不機嫌な顔でこちらを見ていた。そして、ベロを出しながら威嚇をしてきた。


「かわいくねぇ。わざとらしいからいやだわ」


 俺が捨て台詞を言うと、それに反論したそうな顔でこちらを見てきた。


「そんなこと言わないでよ」

「でも、かわいいと意識してやったんじゃないの。どうなの?」

「そうですよ。思っていましたよ。それのどこが悪いというの!」


 華音は逆に開き直ってきやがった。どうかかわいいと思ってもらいたいのかと思ってしまう。


「全体的にだよ。それに家では結構開放的だからこっちが困るし。勉強したい人には刺激が強すぎるんだ」

「あ――、それ以上言わないで」


 華音は焦り始めた。それもそのはず。この話は全て実話なのだから。今までは普通にしていたのだが、場所になれた影響で今までよりも開放的になってしまった。平気で下着で歩き回ることも多くなったり、ノックしないで俺の部屋に入ってきては本棚をあさりながら文句を言ってくる。これ以上に失礼なことはないと思う。


「お――、それは真実なのね。私は嬉しいよ。華音もやっと大人の階段を上り始めたのね」


 誰かが感心していると思ったら、それは麻衣であった。もしかするとあるモードに入ってしまうのではないかと焦るが。


「お母さんみたいなことを言わないでよ」

「そんなこと言われてもね。私的にはもっといいことをしてもらいたいと思っているんだけど……」

「おいおい、そこの三人プラス一人」


 担任は話に入っていない真司を数える。それを聞いた真司は苦い顔をした。どうやら、この修学旅行では宿敵と認定されているみたいだ。


「ちょっと待ってくださいよ。なんで何も言っていない俺がプラス一人で入っているんですか。おかしいと思わないんですか?」

「それはな、お前が今までやったことを振り返ればわかる。今までもそこの三人に迷惑かけたんだ。だから、全体で注意されるのは仕方ないと思え。周りは今までかまってくれただろ」


 真司は真顔で。


「それはないです。はい。そんなことがあったら、地球がひっくり返ってますよ、本当に!」

「お前は友達思いではないのか。そこまで腐ってしまったのか。これはやばいかもしれないな」


 どこまでも真司をけなして楽しみたい担任がここにはいるみたいで。俺にはそれ以上なことはできないので、このまま見ているしかなさそう。

 今のところ、修学旅行の初日といい、にぎやかなこの二年一組なのである。

 更新が遅れてしまいましたが、やっとの更新です。すいませんね、いつも遅くって。四月の最近は少しバタバタしているので、少し書いてはみたいな感じで全然たまらない感じでした。やっとある程度の内容になったところで投稿です。

 更新については改善しますので、しばらくお待ちを

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