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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第七章 華音と和孝
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27 やっと北海道入り――。今頃!!

 飛行機の中ではいろいろなことがあった。離陸するときには長い長い滑走路を動きながら、いつ上がるかとビクビクしながら待っていたものだ。それに、飛行機の座席はいつものメンバーで固められ、うるさかったのは確かなこと。

 そして、そんな思いをしながら新千歳空港までやってきたのだった。そこそこ大きな建物の中を進み、荷物を受け取る場所まで向かっている途中だ。両側ガラス張りで飛行機の着陸離陸がよく見える。


「いや、飛行機の中はお楽しみでしたな」


 半笑いで楽しそうな真司。


「何がお楽しみよ。離陸するときはとてもじゃないけど普通じゃいられなかったし」

「それを言ったら、おしまいだろ。初めての体験の感想は?」

「気持ち悪くって仕方なかったわ」


 華音はいつもよりも顔色を悪くしながら言った。続いて麻衣も少しよくないみたいだ。


「私もあのモードからだったけど、つらかったよ。テンションが一気に吹っ飛ぶ感じで。今でも思い出すとはきそう」

「おいおい、やめてくれよ。それだけは。てか、お前はクラスが違うのによく俺らといるな」

「それは和孝の担任が手回ししてくれたからだよ」


 普通にそんなこと言っちゃうわけ。そういうのは内緒なのよみたいに言うのが普通じゃないんですかね。そこは考えてほしかった。うん、ほしかった。大切なので二回言いましたよ。


「あの人ね。そういうのうまそうだからな。それに他のクラスだろうが気にしなそうな性格だし」

「和孝。なんか言ったか。俺の何か問題でもある?」

「いや、そんなことはないですけど……」


 まさか近くに担任がいるなんて気が付かなかった。それに俺らはずっと歩いている。


「さすがに歩くの疲れたわ」


 華音がつらそうに言うのを見て、真司は笑いだした。


「お前はどこかのババアかよ。よく見れば、お前の腰がよく曲がっているじゃないか。杖でも貸してやろうかといいたいけど、俺はジジイじゃないから持ってなかった」

「バカにしすぎると怒りだして、面倒なことになるぞ。特に疲れているときは」


 俺が真司に忠告はしても、たぶんこいつのことだし、気にはしないんだろうけど。そんなのは顔に書いてあるか。


「へーきだよ。そんなの気にするほうがやばいだろ。ネタを普通に勝ちで取り入れるとか論外だわ」

「へぇ――。論外ですってね。この修学旅行で調子でも乗っているのかしらね。いっそのこと、あんたの下半身のウインナーでもえぐってやろうかしら。マジのほうで」


 華音は真司を睨みつけながら、こぶしを作っていた。そのこぶしをどこにあてるきですか。あまり良くないことは考えないほうがいいじゃないですかね。俺が言えることじゃないけど。


「なんか、ガチなんですけど。俺は別にからかっただけなのに、この人ガチなんですけど。俺のあるものは保証がきかないのに」

「何か言ったかしらね。早く、立ち止まって。ウインナーが殴ったり、けったりできないじゃない」

「勘弁してくれよ。マジでやる気なのか」


 華音はうなずきながら、真司のほうへと向かっていく。


「あんなことになると、私と和孝には止められないわね。一回火が付くとおさえられないのは、幼馴染なら知っているだろうに」

「まあ、そうだけど。あいつは調子に乗ると止まらないから、仕方ないんじゃないの」


 正直、この状況を仕方ないで片づけたくはないが、そうするしか手がないのは確かなこと。それに下手なことをすると俺のほうにも被害が来そうなので少し距離を置いている。


「それじゃあ、早くやりましょうか。真司の危険なものを蹴っ飛ばせば一発で止まるでしょうから」

「それはマジで勘弁。俺が立ち直れなくなるから、立てなくなるし、今後の障害にも影響してくるし」

「そんなの私には関係ないことだわ。今すぐにその汚らしいものを取り除いてあげてもいいのよ」

「これはまずいね。見ているほうが興奮してくるのはなぜだろうね。和孝」

「それは麻衣がおかしいからだろ。この状況で興奮するとか変人しかいないからな。少し落ち着け」


 麻衣も華音と同じでこの状態になったら止められそうもない。だからこそ、俺と真司は苦労するわけだが。


「おいおい、こんなところでそんなふざけた高校生みたいなことをしているな。ほかの人の邪魔だろ。それに早くしないと今後の予定にも響くことになるぞ」


 ここでやっと担任が助け舟を出してくれたみたいだ。さっきまでは見てないふりでもしていたくせに、早めに気が付いたなら助けてくれればいいのにと思うばかりだ。


「さてと、とりあえず真司をどうにかしてないとな」


 担任はまたもや怪しい顔をしていた。この人はどんだけ懲らしめれば気がするのか全く分からない。


「とりあえず、荷物を取りに行かないとやばいことにならないでしょうかね」

 やっ――――と北海道入りしましたよ。丸々飛行機シーンをカッ―トしました。はい、やっと修学旅行らしくなってきましたね。それに二日目ということで先はまだ長いです。そうなんです。この編がいつ終わるか予想が付きません。やるだけやるのみです。

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