22 俺達にはコントがある
翌朝のこと。ぐっすりと眠っている真司はそこにいた。時計を見ると、八時を指していた。寝る時間は遅かったのに、意外と早く起きれてしまった。まあ、これはこれでいいか。
眠い目をこすりながら、ベットから降りて、洗面所に向かう。
「とりあえず、顔でも洗っておかないと」
俺は持参した洗顔を顔全面につけて、お湯で落としていく。
「あ~、さっぱりした。こうでもしないと顔が起きないからな」
しばらくして、真司もベットから降りた。
「おはよう、和孝。昨夜はよく眠れた?」
「いい感じにな。お風呂でくつろいだおかげでな」
そうだ。俺はなぜか知らないが昨日はよく寝れた。もしかしたら、あの二人がいないというだけで一気にリラックスしたのか。それよりも何で、あの二人を気にする必要があるのか。
自分で考えていることがわけわからなくなってしまった。年かな。まだ、十七なのによ。
「どうした。苦い顔しちゃって。眠たい目でもその顔がいつも以上に複雑な感じなのはわかるぞ」
俺は洗面所に戻って、自分の顔を確認した。すると、今までにないほどリラックスしているように感じた。これのどこが、苦い顔なのか。
「なんで苦い顔なんだよ。俺にはすがすがしい朝が来て今でも○ッド○ルで翼を授けてほしいほどなんですけど」
「お前って、ここまでギャクセンあった? いや、今まではまじめすぎたんだな。だって今まではこう返したものな。
俺ってモテキかな?と聞くと『いやいや、お前みたいなやつにだれが付いていくか』みたいな返しだったし」
今の真司の顔は眉毛が吊り上がって、渋い顔をしていた。
「俺はそんな顔をしたことはないと思うけど」
「いやいや、お前はいつも吊り上がってたぞ。何かでストレスでも抱えているとは思っていたけど、まさかね」
どうやら、真司には俺の考えることはお見通しらしい。さすがに幼馴染になるとある程度考えていることが悟れるようになるみたいだ。あまりにも恐ろしくって、真司と華音の近くには寄れないわ。どうにかして、距離を置くことにしたほうがいいかもしれない。
「とりあえず、お前は顔でも洗っておけよ。もうそろそろ、食事の時間だろ」
「それはわかっているけどさ。まだ寝たいよ。俺にも安眠という未来を……」
真司はまたベットの中にインしたので、俺は手を合わせた。後はご飯と線香でもあったら最高なのに……。
「それは死ぬって意味かよ。まさかのここでご臨終ね。あ~、悲しい悲しい。ちょっとだけ涙がで――な――い」
泣いたふりをすると、真司はベットから飛び出た。
「おいおい、勝手に殺すでない。そこのおぬし、本当の悪か」
「こんなくだらないコントしている場合じゃないだろ」
「そうだった」
真司はやっと洗面所に行き、洗顔で顔面を洗い始めた。いつもこんな感じなのかと疑ってしまう。
それにしても、珍しく俺らの部屋に訪ねてこない例のお二人さん。これはこれで珍しいが、逆にうるさくならないからいいかと思ってしまう。
「おいおい、もうそろそろ食事の時間というか、少し過ぎてるじゃねぇ――かよ」
「それマジ。また、俺はあの鬼畜教師にけれられるなりするんだな。つらいわ。俺の人生辛すぎる。誰か助けてくれよ」
「たぶん、こんなチャラ男にだれも手は差し伸べてくれないだろうよ」
「最近お前って、さらっとすごいことを言うようになったものだ。前は、そんなこと一言も言えなかったのにな」
やっぱり、昔とは変わったということか。時間の経過というのは恐ろしい。今までできなかったことができるようになるとか、性格がいくらかわかってしまうとか。そんな話をしている余裕はないわけだが。
その後、無駄話をしながら準備をしてから、食堂に向かった。そして、担任から真司だけ怒られ方が違くって、格差を感じてしまった。ごめんよ、真司。
どうも、少し気合入ってしまって、書いてしまいました。まさかの二日連続です。だれもが予想できなかったと思いますが、気持ちがついに入ってしまいました。ギャク少し仕入れましたんで、頼んでもらえたらと。そして、部数のタイトル困った困った。この部はすべてがネタだと思って楽しんでください。