2.社畜、王都へ
二話です!
俺は冒険者になるために魔導王国プロスギアの王都マギアスまで来ていた。
来る途中も思ったが、やっぱ異世界なんだな。
屋敷からここまで出てくるのは初めてだった。
どこまでも続く草原、道行く馬車の数々、
自然に溢れている。
ここに来るまで乗合馬車に乗らせてもらったがあまり乗り心地は良くなかった。
ただ、ピークの満員電車よりはいくぶんマシだったかもしれない。
この感じだと地球で言う中世ぐらいの文明と言ったところかな。
♢
「でっか……」
眼の前にあるこの門は王都の入口のようだ。
25メートルプールを縦にしたようなこの大きさ、
王都の大切さとこの国の力が現れているのを感じる。
「おうぼうず
王都になんのようだ?」
ぼうず?俺の後ろにはむさ苦しいおっさんしかいないのだが、、
「お前のことだよ!
何後ろ振り向いてるんだか。」
あ、そうか。俺、7歳になったんだな。
気がついたら忘れちゃうな。
「で、何しに王都に来たんだ?
剣を持ってるところを見ると、冒険者になりに来た口か?」
「あ、そんなとこです」
ギアラインの生まれってことは隠したほうがいいだろうな。
「おう、なら敬語はやめたほうがいいぜ
他の冒険者に舐められちまう」
なるほど。
「ありがとう。これで大丈夫か?」
確かに冒険者に敬語ってイメージは合わないな。
「バッチリだ。
通行料もちょうどだな。
頑張れよ!」
あの門番の人には感謝だな。
これで王都の中に入ったわけだが。
「す、すげぇ…」
とにかく活気がすごい、
道沿いに武器屋、雑貨屋、酒場に宿まで、
ものすごい賑わいだ。
人にエルフに、あっちは獣人か?
これぞファンタジーといった感じでワクワクしてきた。
今日はもう日が傾いてきたし、
そこいらで宿を取って冒険者ギルドの場所をきいて明日行ってみよう。
所持金の残りは、、
最初に渡してもらったのが金貨10枚、
乗合馬車が金貨1枚
王都に入るので銀貨1枚で、
残りが金貨8枚と銀貨9枚か。
貨幣は確か、
金貨=10,000円
銀貨=1,000円
銅貨=100円
ぐらいだったな
10万円、、この世界での命綱であり大金。
いつかまた屋敷のみんなに会う機会があったらお礼を言いたいな。
俺は近くの宿で一番賑わっているところに入った。
「あ、いらっしゃーい
あら、子供?1人?」
出迎えてくれたのは温かい雰囲気の、
いかにもお母さんと言った感じの女の人だった。
「1人で冒険者になりに来ましたあ、来たんだ!」
「ふふっ
冒険者は危ないから気をつけるのよ?
1人でなら1泊朝夕食事付きで銀貨4枚よ」
──朝夕食つきで4000円は安いな。
「とりあえず5泊でお願い」
俺は金貨2枚を支払った。
「はいよー
これが部屋の鍵ね。
2階の1番奥の部屋で、
部屋にはトイレはないからそこの酒場のものを使ってね。
夕飯すぐ出るけど食べる?」
「はい!!」
あ、お腹が空いていたからかつい無邪気に、
恥ずかしい。
「かわいいものね
あなた名前は?」
かわいいって、子供になってるのを知っていても変な気分だ。
流石にギアラインは名乗れ無い。
「ユーマ・サカキバラです」
「いい名前ね
私はアマンダ。苗字は無いわ」
なるほど、この世界は苗字がないのが普通なのか。
今度からは名前だけにしておこう。
「じゃあユーマ、
そこに座ってて
あなたー!夕食1つ追加!」
厨房で作ってるのは旦那さんらしい。
それにしても異世界らしいご飯はこれが初めてだ、
期待せずにはいられない。
屋敷での食事も昔の接待で食べたことがあるような、
フレンチまがいのものばかりだったからね…
「はいよ!
おまたせ」
おぉ、これは。
出てきたのは鶏肉?のプレートだった。
パンにサラダ、鉄板の上でいい音を立てている肉。
「おいしそぅ…」
「ふふっ
めしあがれ」
あ、心の声が漏れてしまった。
「いただきます。」
まずはやっぱり鶏肉から。
んんっ!
口に入れた瞬間、肉汁が溢れ出して、
鼻の奥にスパイスのいい香りが広がる。
この味は病みつきになっちまうな。
「お、美味しいですっ!」
「そりゃよかった
たっぷり食べてくれ」
なんだか暖かくなる味だ。
ここがこの世界での新しい家なのかもな。
そんな温かい気持ちに包まれながら夕食を食べ終わった。
俺の部屋は…ここか
木造りのドア、
開けた先は四畳半ほどの部屋だった。
埃や汚れなどまったくない。
ベッドは、屋敷や会社の寝袋よりは硬いが、
なんだか居心地が良かった。
そんなことを思いながら横になると、
意識がのまれていく。
今日までいろいろなことがあったけれど、
ここのみんなはあったかかったな。
明日は冒険者ギルドに…
♢
「んっ
ここは、…そうだ。
俺はギアラインから追い出されて…」
でも、ここの人たちのほうが優しいし、
こんなところで折れてないで頑張るか。
「おはようございまーす」
「あ、おはよう
朝食食べる?」
「あ、食べたいです!」
はっまずい
つい幼児退行してしまった。。
この姿になってからだと、
たまに体に引っ張られてしまう。
「はいよ
朝食のサンドイッチ。」
出てきたのはサンドイッチ。
サ◯ウェイのようなパンに、
肉汁が滴る鶏肉が挟まっている。
レタスのような葉物がいいアクセント。
「美味しいです!
昨日もだったけど、これは何の肉なんですか?」
「そりゃよかった。
その肉はロックバードの肉よ。
Bランクの魔物で、このマギアスの近くの森に多いのよ。
昨日はたくさん仕入れることができたからね。」
なるほど、ロックバードというのか。
「ところで、今日はギルドに行くのかい?」
「あ、はい!
行ってきます!」
「頑張ってくるのよー」
「ありがとう!」
サンドイッチをきれいに食べ終わった。
部屋に戻って意気揚々と準備を終わらせ、
剣とお金の半分を持ってギルドへ向かった。
もう半分は宿に預けてある。
「この通りを出ると…おぉ」
真ん中に大きな噴水がある。
いろいろな人がその周りでなにか食べたり話したりしている。
いろいろな屋台があるし帰りにここに寄りたいな。
右の方には肉の串焼きのような物。
前の方は奥にお城が見える大きな通り、
左には剣や本、綺麗な石が売っている。
王都の中心のような広場だ。
この広場の左の道を曲がると…
昨日アマンダさんに教えてもらった道を行くと大きな建物が出てきた。
「すごい…」
眼の前にはレンガ造りのちょっとした小学校サイズの建物がある。
真ん中の上の方に盾をバックにして剣と杖が交差したようなマークがある。
冒険者ギルドのマークだろうか。
ついに来たんだ。
ラノベでも冒険者ギルドが一番憧れあるからなぁ。
あ、ていうか
『ナビさん?MP1でも登録できるの?』
【大丈夫です。実際に剣士の方もいらっしゃいます。
(まぁ、あのスキルが有れば…ね。)】
なら良かった。
行くか。
この世界でのスタートラインに、
俺の冒険者としての入社試験に。
三話以降は毎週金曜日に投稿できたらいいなぁと思います!
すみません、受験生ということもあって中々時間が取れないので、
二週間に一話という形にさせてもらいます。
なにかユーマ用のいいクエストありますか?




