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秘密の先の異世界で  作者: 橘可憐


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聖女騒動5


「私では判断はできません。とにかくオリヴィア様にお会いいただいてお話しください」


何にしてもその予言者だか占い師だかにどうしても会わなければならないらしい。

しかしいきなり国王に会えと言われるよりは堅苦しくなくていいかと葵は考えていた。


それよりも今から連れて行かれる首都がどういう所なのかにとても興味を引かれていた。

何しろ馬車の窓から見える景色はまさにアニメで見た赤毛のアンの世界というか、まるで海外にでも来たかのような自然豊かな雄大な景色は日本では到底お目にかかれないだろう。


ジェードの居たトルンバはなんとなくいきなり異世界感満載だったし、懐かしい日本家屋も多かったので異国情緒を楽しむような雰囲気はなかったから余計にそう感じるのかもしれないが・・・。


そして道中別段取り立てて何も事件が起きず、予定より大分日数をかけ目的の首都に着いた。

街へ着くたびに一日休みを貰っていたのだから仕方ないと言えば仕方ない。


それでもルーベンや騎士達も大分葵や雪永に対し態度が柔らかくなっていたので、少しは打ち解けられたと思ってもいいのだろうか?

それともこちらの要望さえ飲めば大人しくしていると理解して警戒心が無くなったのだろうか?

何にしても馬車での移動中ずっとギスギスされるよりは少しは楽しめた貴重な体験となった。


「それではこれよりご滞在場所へ案内いたします」


とても広い整備された街道から街中へと入るとすぐにルーベンがそう告げてきた。


「結構です。そのオリヴィア様にお目にかかる日程を教えていただければ私達の方から伺います」


「何とここまで来てもですか」


「当然です」


折角少しは打ち解けてギスギスしなくなったと思っていたばかりなのに、またもや雪永とルーベンが睨み合った。

もっとも葵としてもこの街を自由に散策したいし、下手な貴族の家に監視されながら滞在するのはごめんなので雪永の意見に大きく頷く。


「では連絡の取れる場所をご指定ください。決まり次第連絡いたします」


ルーベンは諦めたのか大きく溜息を吐いてからそう提案した。

でも来たばかりのこの街で連絡の取れる場所って、ルーベンにしては知恵を絞ったというところだろうか。

そんな場所など無いと雪永に言わせ譲歩させる気なのだと葵にも分かった。


「では冒険者ギルドに言伝をお願いします。明後日の朝には確認に行きますのでそれまでには連絡をください。今後どうするのか」


「ムムム、冒険者ギルドですとな。致し方ありません、そうさせていただきましょう」


ルーベンはかなり悔しそうに雪永の提案を受け入れたが、冒険者ギルドで言伝なんて扱ってくれるのかの方が葵は心配だった。

何しろ葵は冒険者ギルドであまりいい思いをしたことが無い。寧ろ嫌な思いしかしてないと思う。


それに首都の街中でも葵の乗る馬車はとても目を引くのかやはり注目されている。

こんな状況の中こんな所で馬車を降ろされたらたまったものではないと、葵はそればかりを気にしていた。


「私達はどこで馬車から降ろされるんですか?」


葵はたまらずにルーベンに尋ねていた。


「どこかご希望の場所はありますかな?」


「それでは折角ですから冒険者ギルドの前にお願いできますか」


雪永は何故か余裕の笑みを浮かべ答えているが、葵の不安は募るばかりだった。


「大丈夫なの?」


葵はなるべく黙っていようと決めていたのに、どうしても聞かずにはいられなかった。


「お任せくださいお嬢様」


安心していろと言わんばかりに葵の手をギュッと握りしめてくれた雪永の大きな手に、葵は一人ではないのだと実感させられる。

そして頼れる相手が居ると思うと不思議と不安も消えて行く。

その後葵と雪永は望み通り冒険者ギルドの前で馬車を降ろされると、思った通りかなり注目されていた。


さすがに大きな街の冒険者ギルドだけありかなり大きな建物で、開け放たれた大きな扉から中へ入ると天井も高くロフトのような作りの二階部分もあって、まるで学校の体育館を思わせる作りだった。


もっとも入って五メートル程の場所にはずらっとカウンターが並び、カウンターの後ろは衝立で見えなくなっているので実際のところ裏がどうなっているかは分からないのだが。


「ではお嬢様参りましょうか」


大勢の冒険者に注目される中、葵は執事然とした態度の雪永にエスコートされ数あるカウンターの中の一つに立った。


「えっと、雪永お願い」


葵は雪永がいったい何を考えているのかが理解できず、そのまま雪永に対応を任せる事にしたのだった。



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