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(7/24)第17夜 #拡散希望

 不幸の手紙のような呪術的な怪談を諸君は知っているだろうか。代表的なもので言えば「カシマさん」等があげられる。

 知った者、聞いた者に怪奇現象がふりかかるという怪談だ。つまりは聞いた者が呪われるということで私の友人Oはこういったものを呪術怪談と呼んでいるそうだ。

 そんな呪術怪談の中にも本当にやばいものがあったりもするそうで実際に死者が出た例もあるそうだ。Oはそんな死者が出た事例の話を語ってくれた。


 事の発端はOの下に一人の依頼者がやってきたことだったそうだ。それは別の高校の生徒で以前Oが助けた生徒からの紹介だということだった。その他校の生徒は椅子を勧めて座ってもらったが中々話を切り出さなかったそうだ。経験上何かわけありだと悟ったOはこちらから質問していくことでその相談内容を引き出していったそうだ。

 それでもすべての内容を聞き出せたわけではなかったが話さない理由というのはわかった。相談者(ここでは仮にCとしよう)が持ち込んできたのはその呪術怪談だったそうだ。知ればそれだけで襲われる類の話を詳しく話すわけにはいかなかったということだ。

 ひとまずその怪談の効力がどれぐらいのものなのか知るためいくつかの質問をCにした。いつ聞いたか、誰から聞いたか、周囲にその怪談によって被害に遭ったものはいないか。そうした質問の中でその呪術怪談が中々効果の大きい物だとわかった。実際にその話をCにした先輩が事故に遭って死んでしまったそうだ。それで怖くなって以前友人から聞いていたOの下に相談に来たそうだ。

 呪術怪談の多くにはそれを回避する方法があることも多いのだがCはどうしてもその怪談の内容を語ってはくれなかったそうなので別の方法を考えたそうだ。

 すぐに思いついた方法は3つあったそうだ。一つは身代わりを立てることだ。とは言っても別の人間に押し付けるという話ではなく人型を利用した陰陽術の一種である程度の知識と技術がなければならないし根本の問題が残るので使わなかったそうだ。2つ目は結界を張って身を守るということだ。お守りと食塩と水さえあればできる簡単な方法で効果はあるのが残念ながら問題を先送りにする手段でしかない。

 というわけで実際に利用したのは3つ目の方法だった。世には呪術怪談が多く流布されているが実際に来たからと言って死んでしまうという事案は聞かないはずだ。そうでなければ若者の大半が命を落としてもおかしくないだろう。

 それを防ぐ要因となっているのが2つあるのではとOは言う。一つは元の怪談が語られる間に変化したこと、もう一つが知るものが増えたことだ。

 この類の怪談は語られる内容に影響を受けることが多く、元々はなかったであろう助かる方法が効果を及ぼすこともある。そして話が広まるということは対象が増えることであり、怪談に載せられた力が分散されることとなり、効果が弱まるそうだ。

 今回Oが使ったのもその方法で、Cが聞いた話を少しいじった話をネットを使って拡散させた。その結果Cの命は助かったが完全に呪術怪談をどうにかするには至らなかったようでCは事故に巻き込まれ大怪我をおったそうだ。ただ後遺症はなく済んだそうで退院後Oの下にお礼に来たそうだ。


 その拡散されたという話はどんなものなのかって? それは残念ながら秘密だ。もしかしたら諸君が知っている話かもしれないね。それではまた会おう。

次回の投稿は7/25ではなく7/26 00:00となりますが代わりに7/25 00:00 に現在行われているイベントのため短編として「かくれんぼ」が投稿されます。

 こちらはイベント終了後にこの話の後に割り込みで7/25分として投稿される予定です。それまで待てない方はよろしければ短編の方をご覧ください。

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