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(7/7)第0夜 百物語

こちらは主に注意書きとうんちくになります。

 まずはご挨拶から始めさせてもらおう。私は今回語り部をさせていただく服部だ。半年にも満たない短い期間であるがどうぞよろしく頼もう。


 ではまず記念すべき一談目はこの百日奇談そのものについてお話させてもらおう。これは怪談奇談ではなく前書きのようなものと捉えてもらうとよいだろう。


 この百日奇談は謂わば百物語に類するものとなる。正確には百物語で語られる物語と言ったところだろうか。本来百物語というのは一夜で語られるべき物であるし100個目の物語を語ってはいけないものだ。


 100日にかけて1話語るこの企画においてそれは矛盾と呼べるものだ。気づいている諸君も多いと思うがこの話のナンバリングを0とすることで辻褄合わせとさせて頂く。実際の百物語の際に利用する際はこの話以降の物から使って頂ければ幸いだ。


 さて、話を百物語の方へと戻らせて頂こう。前述した通り百物語は名前に反して99個までしか話すことが許されない。それは百物語が儀式の様式を呈しているからだ。


 諸君の中に正式な百物語の手順を知っている者はどれだけいるだろう。世間一般で知られている蠟燭を利用した方法は言ってしまえば簡易儀式の様なものである。手順を省いているが故に儀式としての効果は薄いが一方で安全弁が少ない。それ故に百物語を行う場所や人数によってはこちらのほうが受ける影響は大きいかもしれない。


 少し話がそれたので話を戻すとしよう。百物語の正式な手順についてはここでは語らないが使われるものだけは紹介しておこう。


行灯✕100

青い紙✕100

文机(行灯100個置ける広さ)✕1

青い着物✕人数分

鏡✕1

光の入らない連続した部屋✕3


 以上が必要とされるものだ。こうして並べてみるとなんとも仰々しい。これだけ見ただけでも儀式めいて見えないだろうか。


 行灯と青い紙はセットで2つで一つであり行灯の灯りを青くする役割を持つ。この青い行灯は雰囲気を出す為とも言われるが実際のところはある種の見立てだ。何を見立てたのか。そのこたえは霊魂だ。


 霊魂の色は通常は青色であるとされる。行灯を消すという行為は霊魂を呼び込んだという掲示だ。着物を青くするのも死者の振りをして身を守る為である。部屋を3つ使うのも霊魂を遠ざけ身を守る為になる。


 最後に何故100個目を語ってはいけないのかについて触れておこう。言ってしまえば儀式が完遂されてしまうからということになる。儀式とは主に2つの目的の為に行われる。神や精霊などを鎮める為。もう一つが何かを召喚する為だ。百物語はその後述の方に当てはまる。


 正確には召喚という程のものでもなく怪談を介して来てもらうといった感じだろうか。百物語の性質上引き寄せられるのは近くの霊だけであり、霊が少ない場所では怪異現象が起きないというのもよくある話ではある。逆に言えば心霊スポットや墓地の近くで行えば怪奇現象が発生しやすい。


 百物語において最後の行灯を消すとどうなるかというと怪奇現象が起こると言われている。行灯を消すことで行灯に集まっていた霊が散開するからだ。それが人と接触すると霊障が降りかかることになるわけだ。


 この百物語の危険なところは呼ぶ霊を選べないことにある。呼び寄せたのがただの浮遊霊ならまだいいが人間、生者に対して攻撃的な悪霊だった場合洒落ではすまない。近くに墓地など霊場などなければよいということもなく、そこらを彷徨う悪霊も存在する。それ故に安易に百個目の行灯を消すことはおすすめしない。


 さて、百物語についてはここまでとしよう。ここからは百日奇談についての注意事項を語らせてもらおう。


 一つ、ここで語られることはあくまでもフィクションであること

 そう、ここで語られることは作り話だ。こんな話聞いたことがある気がする、そんなニュースどこかで見たかも、そんなふうに感じる話があったとしても現実とは何の関係もなければ語ったこと全てが正しいわけでもない。


 二つ、全て自己責任でお楽しみいただきたい


 ここで語られる話を聞く、読む、語る等ご利用の際のあるゆる影響についてはこちらでは責任は取りかねる。万人に楽しんでもらうために暴力的表現や残虐な表現は控えるが不快、不安にさせるような話はあるかもしれない。そのことを踏まえた上で利用してもらいたい。


 三つ、気分が悪くなったり、体調が悪くなったりしたらお祓いを


 別に寺や神社に行って来いというわけではない。個人でできるお祓い、塩をまいたり、お守りや御札を用意するだけでも弱い霊には効果がある。お祓いを受けなくても神社にお詣りするだけでも効果はあるので困った時は試してみるといい。


 以上が注意事項となる。それではどうかお楽しみ願いたい。

次回は7/8 00:00に投稿されたます。

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