はじまり
世の中は理不尽だ。
突如として無責任な仕事を押し付けられたり、自分の失敗を他人に押し付けたりする。
どうして私が他者の失敗や不始末の責任を負わなくてはいけない。
どうして・・・。
「いた・・・。どんだけ探したと思ってるんだ・・・」
その瞬間教室がざわめき、自身の体が震えあがるのがわかる。
「どうして引き受けてくれないんだ。これだけ頼んでいるのにどうしてダメなんだ・・・。俺のすべてを捧げるって言っているのに・・・」
私に向かって壁ドンを仕掛けてくる生徒会長。
傍から見れば、これは完全に恋の告白に見えるだろうが、それは全くない。
こいつはいわゆるストーカーとういやつだ。いつどこでも私を探し迫ってくる。どうしてこんな奴が生きているのかとつくづくと思う。
「だから、何度も言っているじゃないですか。私は勉強で忙しいって・・・」
私は生徒会長を突っぱね、教室をあとにしようとする。
「でも君は校外活動として、様々なイベント運営などをやっていると聞くし、教員からの支持も得ている。その時間を少しでも分けてくれるだけでいいんだ。だから頼む。お願いだ。生徒会に入ってくれ」
そういって、生徒会長は教室内で土下座をする。
どうしてこいつは私の生活情報を知っているのだが、ほんと気持ち悪い。
しかし、さすがにこの状況は色々とまずい。仮に私が承諾しなかったら、生徒会長を公衆の面前で振ったことみたいになるし、承諾しても地獄の始まりになる。
まぁそれなら、前者の方がまだ被害は少なくて済むか。
「ごめんなさい。この後、先生に呼ばれているので気が済んだら帰ってくれます? こんな公衆の面前で、ほかの人の共感を得て押し切ろうとするのは、私には効きませんから」
このように笑顔で言い放ち、とどめを刺して教室をあとにする。
よし。さすがにこの状況下で断れば生徒会長も納得いくでしょ。
でも、今まで何回断っても駄目だったから、万が一ってこともあるし、担任の先生にも相談しておこう。先生にまで言って後ろを固めておけば、どうにか逃れられるでしょ。
それにしても、どうしてこんなに付きまとわれるようになったんだが・・・。
私、あの人にそんなに好かれるようなことしてないし、何なら生徒会総選挙とかでしか見たことなかった。
ことの始まりはあの新学期か・・・。