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ボムモール戦

 

「グモォオオオ……!」


 再び雄叫びが上がる。

 すると隆起した大地から巨大なモンスターが出現した。


 顔を地面から出し鋭い爪で大地を荒らし向かってくる。

 その見た目は鼻先に爆弾のような丸い突起物が特徴的……。

 間違いない、ボムモールだ。



 大地を荒らし鼻先の爆弾を切り離し辺り構わず爆破する第一級の害獣モンスターだ。

 しかし、通常のボムモールと比べ遥かに大きい。

 狂暴性も遥かに高く見える。

 とても俺一人で相手できそうなモンスターではない。


「やるしかない……!」


 ナイフを取り出し単身でボムモールの目を狙う。

 が、奴の爪にあっさりと突き飛ばされ岩に激突してしまう。

 ボムモールは俺には目もくれずルミンの元へ一直線に向かう。



「グモォアアアアアア……!!」


「今日の晩ごはんはオマエに決まりなのだ!!」



 ボムモールがルミンの元へ飛びつこうとした瞬間、ルミンは空高くジャンプした。

 ボムモールが見失っているとルミンは空中で爪を立てて構える。



「うぉりゃあああ……!!」


「ヒグァアアアアアア……!!」



 一撃で仕留められた。

 ルミンの身体能力のそれは通常の人間を遥かに超越していた。

 普通の獣人でもここまではやれないんじゃないか……。



「カムイお兄ちゃん大丈夫?」


 ルミンが岩に寄りかかる俺を心配してくる。



「どお!ルミンとっても強いから絶対カムイお兄ちゃんの役に立てるよ!!今日はモグラの丸焼きでご馳走なのだ!」


「た、確かに凄いが……イテテ……」



 さっき岩に突き飛ばされた衝撃で傷ができたみたいだ。



「わっ、カムイお兄ちゃんケガしてるのだ!ルミンがお薬になる葉っぱ採ってきてあげる!」


「あ、ちょっと待って……」



 ルミンは風のようなスピードで走って行った。

 ケガは神秘のソーマで治るから大丈夫だと言いそびれてしまった。


 ソーマを一滴飲み傷を完治させる。

 ルミンが行った先へ向かう。

 一人にしておけない。


  ◇


 再び地鳴りがしてくる。

 が、今度は複数の方向からする。



「「グモォオオオオオオ……!」」


 複数のボムモールの雄叫びだ……!

 この先にはルミンが……。



 急いで向かった先には息を切らしながら戦うルミンと大量のボムモールが戦っていた。


 向かってくる敵をなぎ倒していくルミン。

 だが敵も数が多い。


 しかし戦ってるルミンには先程までの戦いとは少し違和感があった

 まるで何かを守っているような……、


 後方にいるボムモールが鼻先の爆弾をルミンに向けて投げつける

 ルミンはそれを見て飛び上がり空へ打ち返す。


 大爆発が起こる。

 その衝撃で他のボムモールにも爆風がかかるがルミンの方へも爆風がかかる。



「……ルミン!!」


「カムイお兄ちゃん……!」



 ルミンがこちらへ気づく。



「ここは危険だから早くお家で待って……」


「グモァアアア!!」   


 ズバッ……!


 僅かな隙ができたルミンにボムモールの一匹が爪の攻撃を食らわせる。

 ルミンが衝撃でこちらまで飛ばされる。




「ルミン!! あぁ、俺のせいで……」


「カ、カムイお兄ちゃん……ゴメン……」


「何で謝るんだよ……!」


「お薬の葉っぱ……守れなかった……」



 ルミンが指差す方向を見るとボムモール達が僅かに生えている薬草を群れで貪っていた。

 ただ戦うだけならルミン一人でもいけたかもしれない。

 が、俺に届ける薬草の為に防戦一方の戦いをしなければならずあそこまで消耗してたのだろう。



「バカ……俺なんかの為に……!」


「えへへ……ケガ治してあげたかったから……」


「そっちのほうが大怪我じゃないか……!」


「あはは……全然力入らないや……カムイお兄ちゃんだけでも逃げて……」


「そんなことできるわけないだろ!」



 俺は急いでソーマ入りの小瓶を開け飲ませる。



「頼む……助かってくれ……!」



 伝説のアイテム……だがここまで傷付いたルミンに効くのだろうか。

 そんな疑問もよぎったが今はそんなことを考えてる場合ではない。

 俺は小瓶の中身を全て口へ流し込ませる。



「どうか……効いてくれ!!」



 俺はそう祈っているとルミンの身体に変化が起こる。

 全身から魔力という魔力が放ちそれらがオーラのように纏う。

 ルミンは目をかっと見開く。



「うぉおおお……!! なんだがすっごく力が湧いてくるよ……!!」


「ル、ルミン!?」



 俺がルミンの変化に驚いて瞬きした一瞬、ルミンの姿は目の前から消えていた。


 辺りを見るといつの間にか瀕死のボムモールが数十体並んでいる。

 そしてボムモール達の中心に薬草を握りしめ笑顔で手を振るルミンの姿があった。



「やった! 葉っぱ取れた!! これで治るのだ!!」


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