「俺/私、あいつら嫌い。」
「三浦和正ってんだ。よろしく、原田さん!」
「え、えと・・・とりあえず、よろしく?」
この暗ーい雰囲気のなか、一人陽気に話しかけてきた、この三浦という男子。
真理は、この人に聞けば分かるかもと考えた。
「よろしくね。三浦君。」
「和正でいーよ。」
「じゃ、和正君。・・・遠藤 司って?」
「和正だって。何、司様が目的なの?」
「い、いやそうじゃないよ。有名みたいだから気になって。」
「ふーん。あぁ、転校生にはね、正体バラすなって司様に言われてるんだ。教師もだよ。」
「でも、一応知っときたいんだけどなぁ・・・」
「やめといたほうがいーよ。確かにこの中にいるけど、前、警察まで来たんだ。しかも、あんたら昨日まで部外者だった。そう簡単にバラさねーよ。」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「今から休み時間だ。俺、委員長やってるんだよね。もう一人も連れてくるから、仲間集めてちょっと待ってろよ。」
そう言うと、バタバタ出て行ってしまった。
仲間集めて待ってろと言われても、みんな自然に集まってくるわけで。
「ああもうムカつく。周りに話しかけたけどみーんな無視。ホント腐ってんじゃないの、この学級!」
いきなり可憐がグチった・・・。
「そんなことないよ。私の隣、すごくいい人だったよ。でも、遠藤司は自力で探すしかないみたい。仲間集めて待ってろって・・・」
「おーい、原田さーん!女子の学級委員長連れてきたー!!」
「岡崎世良です。何かあったら声かけてね。」
「なーんだ、結構話しやすい人いたね。」
と、悠樹。
8人は只今、給食を食べ終えた後の休み時間なので、屋上にて会議中。
「でも、あの二人も遠藤司のこと教える気はないみたいだぞ。」
五十嵐が言った。
「うーん、そうだな・・・。おい、そこの三人、どうした?」
そこの三人とは、先ほどから全く喋らない、巧、京介、紫乃の三人である。
「どうしたの、三人とも。さっきから全然・・・」
「俺/私、あいつら嫌い。」
そう見事にハモったかと思うと、スタスタと教室へ帰ってしまった・・・。