可憐の愚痴。
「ねぇねぇ、6−1転校生8人も来るらしいよ」
「らしいね。でも何で8人同じクラス?」
「いやー、なんかわけありらしいよ?」
「気の毒にね、司様と同じだなんて。」
「関わらないようにしとこ。」
9月。盟悠小学校の校門の前には、例の8名の姿があった。
「一応俺ら平均年齢12だけどよ、小学生ってなんかしっくりこねぇな。」
とまぁ最初からブツブツ言っているのは、五十嵐である。
「文句言うな。・・・行くぞ。」
「「「「「「「うぃーっす。」」」」」」」
「それじゃ、転校生を紹介します。皆さん、入って。」
ガラガラッとドアを開けて入ってくるのは、お馴染みの面々。
「自己紹介をしてくださいね。」
「若宮潤だ。よろしく。」
「五十嵐カズマです。よろしく。」
「佐藤巧。よろしく。」
「本田京介!よろしくぅ!」
「中島悠樹です。よろしくね。」
「原田真理です。よろしくお願いします。」
「桐生紫乃。・・・よろしく。」
「坂本可憐です。可憐って呼んでください!よろしくぅ〜!!」
それぞれ違う話し方をするメンバー。可憐はポーズまでとった。が。反応は・・・
しーん。
「じゃあ、皆さんは空いている席に座って下さいね。」
なにこいつら、空気悪っ・・・。 と可憐がグチったのは皆(可憐をのぞいた7人)無視した。
若宮は、教室を見回す。特に目立つ者はおらず、この状況から遠藤司を見つけるのは無理そうだ。
「じゃあ、一時間目は自習ですから。静かに取り組んで下さいね。」
そう行って、先生はそそくさと出て行った。
(自習っていわれても、教科書もなにもないんですけど・・・。)
真理はブツブツ言いながら、席に着いた。すると、隣の男子が、
「はじめまして!」
と、話しかけてきたのだった。