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BecP8  作者: 水島 澪
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孤独

「・・・お前、自分が何したか分かってんのか、だと?」



 紫乃は、ゆらりと言った。




「それはこっちのセリフだ。」



 握られた拳から、血が滲んでいる。



「お前は分かるはずだ。ただの人間、普通の生き方をしていたなら。自分の勝手で他人を巻き込み、傷つけ、ねじ伏せる・・・最低なヤツとは違ってな。」



「お前に何が分かるんだよ!!俺はずっと孤独だった!!だから、入れ替わって[最高]を手に入れたんだ!!・・・そして・・・」







「でも孤独、でしょ?」



 可憐は三浦の肩にそっと手を置き、正面から覗き込んだ。



「俺達も、そうだぜ?」



 と、五十嵐。



 続けて、悠樹。


「そうだった、かな?」



「いわゆる天才児ってだけだった。」



 切なさそうに、巧が言った。



「でも今は、違う。こうして仲間と出会えて、最高って言うんだ。」



 にっこり笑って、京介が言った。


 若宮は、真理と共に三浦の前に歩み出て、手を差し伸べる。




「その、〔最高〕に出会えて初めて、罪を償えるんだよ。」


「ゆっくりでいい、まずは孤独と言う名の地獄から、抜け出すんだ。」




 三浦はうつむいていたが、やがて顔を上げ、若宮の手を掴む。





「いいのかよ。俺は殺人者だぞ。それに、今まで散々酷いことをしてきたわけだし・・・鮎川だって!!」


「いいんだよ。自分のしたことを受け入れられるのだったら。」


「まぁ・・・」


 若宮に、京介が付け足した。


「受け入れられないで、ただ暴走するんだったら、そんだけの器だったってことだ。・・・そんだけの器だったヤツもいるみたいだけどな。」

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