急展開
「・・・おー、やっぱ人って変わるもんだな。」
『・・・///・・・』
「見違えるね!」
「はっ、はずかしいよ・・・。」
小百合は今、毛先がくるんとカールしたロングヘアに、緑色のワンピース姿。
さらに白色のガウンを羽織り、ウエスタンブーツを履いている。
その見違える姿に、男子軍は、
『・・・(かわいい・・・)///』
という、硬直状態にある。
「ね、かわいいでしょ?」
可憐がひょっこり出てくる。
一瞬可憐のことを、初めてすごいと思った一同であった。
コーディネートをしたのは、可憐なのだから。
それに並んで、田辺も出てきた。
「かっこいいじゃないですか、司令官ー」
「お前棒読みだろ。」
小百合ほどではないが、田辺も〈流行のファッション〉で、いつもより輝いていた。
が、無関心な紫乃は、どうでもいいといった様子で(途中で買った本を読みながら)棒読みを放った。
そこへ、巧の突っ込みが入る。
「あのっ、ありがとうございます。こんな可愛い服買っていただいて・・・」
「いいんだよ、大人が払わないとかっこ悪いからね。」
小百合の服を買ってあげ、強がりを言ってみたが。
財布の中身が寂しい田辺であった。
「・・・くそっ・・・」
翌日。若宮は、必死に走っていた。
学校に着いたのは良いものの、小百合の姿が見えないのだ。
しかも、三浦と岡崎もいない。
朝の会になって担任に尋ねたところ、家にも連絡がつかず、無断欠席らしかった。
小百合、三浦、岡崎となると、小百合が危ないのは見えている。
担任に確認を取ると、八人は学校から飛び出し、それぞれ別れて血眼になって探している。
「どこだ・・・どこなんだ!!!」
きっと、昨日一緒にいるところを見られたのだろう。
やはり本部へ連れ帰るべきだったか。
こうなる事は予想出来たはずなのに・・・自分のせいだ。
それぞれ八人は思った。