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BecP8  作者: 水島 澪
12/17

何でそうなる?/影

「やはりな。」


 最初に口を開いたのは紫乃だった。


「岡崎世良も、女子のリーダー的存在でしょうね。」


 真理も感づく。


「三浦と岡崎はグルだな。三浦・・・もとい、遠藤司はなぜ三浦和正と名乗っているか、わかるか?」


 京介の問いに、小百合は首を横に振った。


「分からない。でも、岡崎さんは私の事をすごく嫌っています。」

「見えたな。つまり岡崎は鮎川のことを嫌い、三浦は岡崎に手を貸し、全校がお前のことをいじめるように手を回した。教師にも。」


 巧がたんたんとまとめていく。


「よし、鮎川、俺達と仲良くなったことは誰にも話すな。どこから主犯の耳に入るか分からないしな。・・・ちょっとの間だけだ。俺達が、やつらを少年院に送るまで。要するに、



                 潰すまでの間。」
















「よーし、明日から反撃だ!!小百合、まだ2時だから!遊びに行こうよ!!」

「え・・・?いいけど、どこへ・・・?」

「ショッピングセンターよ!!ついでにゲーセンよって行こ!」

「あぁもう、ツっこむ気も失せた。」

「おい坂本、お前いい加減に・・・」

「班長もどうです?」

「断る。」




 いきなり買い物と言い出した可憐と、珍しくツっこまない巧と、巻き込まれた若宮を横目に、五十嵐と悠樹と京介はコソコソとなにやら話していた。



「おい、やっぱ気になるよな。」

「うん。僕も下から見上げたときから。」

「すげー気になるよな。あの・・・」

『前髪の下。』


 それをちゃっかり聞いていた真理は、小百合に声を掛けた。


「小百合ちゃん、ちょっと前髪上げてみて?」

「え、いや、私自分に自信ないから・・・///」

『俺達すげー気になるんだけど。』

「ほら、上げてみて?」

「・・・ちょっとですよ?」


 小百合は目をつむり、前髪を右手で掴むと後頭部へ持っていき、ゆっくりと目を開けた。


「・・・わぉ。」


 薄い反応を返したのは、紫乃だけだった。


 全員、硬直。


 本来結構メンバーの女子三人は美人だと思われるのだが、小百合も彼女達と並ぶほど。いや、三人よりかわいいかも。


 大きい瞳、筋の通った鼻、ピンクの唇、愛らしい表情、普段の暗い面影はどこへやら。


 人って変わるもんだな・・・と紫乃は一人思った。


「小百合ちゃん、すごく可愛いね!!」

「なんでそんな隠してるのよ!!ついでに美容院もいきましょ!ほら、あんた達もいつまで固まってんの!」


 と、いうわけで(?)全員可憐の買い物に引っ張り出されたのである。
















 着いたのは、大規模のショッピングモール。

 現地には小学生(仮)九名と大人一名。

 小学生だけでは行ってはいけない決まりなのだ。つまり、保護者同伴。


 で、例の大人とは、もちろん・・・


「はぁ〜なんで俺、司令官なのに保護者役やってんだろ。」


 京介にまたまた言いくるめられて連れてこられた、田辺である。


 今回は可憐も加勢して、


「司令官、今ならもれなく私の【絶対モテる、可憐のスペシャルコーディネート】が受けられますよ?」


と、誘惑に負けて、連行されたのだ。


 この二人が手を組んだら、恐ろしいことに巻き込まれるなと、紫乃は平然と思った。


「レッツゴー!」


 かくして、皆引きずりこまれたのだった。


 













 それを遠巻きに睨む、何人かの影があったのだが。

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