真実
自分と、重なった。
同年の子とは打って変わって並外れた理解力、ずば抜けた運動力。
好きで力を手にしたわけじゃない。
でも、みんな分かってくれない。
学校でも、どこでも、一人。
分かってくれるのは、両親だけだと思ってた。
この才能を、活かすことはできないだろうか。
届いたのは、警察からの手紙、応募書。
そのときのあたしには、迷いはなかった。
そして、数々の試験をなんなく突破し、入った場所は、BecP8。
七人と出合って、本当の自分、「坂本 可憐」が見えた気がした。
あたしには、かけがえのない存在。
だから、目の前のこの少女の気持ちが痛いほど分かった。
聞き出したのもあたし。
ただ、見方だよって、言ってあげたかった。
「ありがとう。坂本さん。」
「可憐でいいの。こっちも助かったし。」
「ゴキブリでな。」
「やーめーてーーーー!」
「気にするな。あの二人はいつもああだから。」
取っ組み合いを始める巧と可憐に唖然としていた小百合に対し、五十嵐が声をかけた。
「小百合さんは、他の人とは違うね。」
真理が言った。
「え・・・?」
「だって、心から真っ直ぐに話してくれるから。」
驚いた小百合に悠樹が答えた。
「私達の事、この子には話しても良さそうですね、班長。」
「そうだな。鮎川。」
紫乃と若宮は、話すことにした。自分達、BecP8のことを。
「・・・と、いうわけだ。」
あれから面々は、図々しくも小百合の家に上がりこんだ。彼女の親は家を空けることが多く、この日もいなかったからだ。
八人は自分達のこと、遠藤司を調べていることなどを、大方全て話した。
小百合は、突然のことに頭がついていけているだろうかと思われたが、とりあえず八人はただの子供ではないということと、遠藤司目的だということは理解したようだ。
「すごいんですね。みなさん。私と比べられない・・・。」
「そんなことないわよ。あなたと同じ、ただの人間。」
「そうですね・・・。私なんかと仲良くしてくれて、本当にありがとう。」
「気にするな。」
「はっきり言います。役に立つか分かんないけど・・・。
三浦和正は、遠藤司です。」
『?!』