私がそう信じたいだけ
人格を育てるのは愛だ
健全で幸せに愛され育むことが
当たり前だとは思わない
しかしどんな形であれ
どれほど歪んでいようとも
みんな何かしらの愛を感じている
自分は愛されているのだと
そう思える瞬間が一度もない
そんな人間はこの国に一人もいないと
私がそう信じたいだけ
救いにもなるかもしれないものが
鎖になることもある
それが愛されていることの自覚なら
歪んだ愛でも愛を感じて生きてきたのなら
愛がゆえに道を選び失われる命もある
愛されずに育つ命など無いはずだから
誰からも否定されるような絆であろうと
誰から見ても悲惨な終わりであろうと
当人同士にしか知り得ない愛がある
命を奪う鎖は断ち切らなければならない
しかし最期の救いでもあったのかもしれない
今となっては遅い
愛を知らずに終わる生など辛すぎるから
私がそう信じたいだけ