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笑う男と歌う女

作者: 椿山 昇

むか〜し、むかし、この世界は、ハルロドと呼ばれる

悪魔によって暗黒の世界に変えられてしまいました。

しかし、ハルロドには、配偶者も後継者も、息子もいません

しかも誰も、この世界を暗黒の世界から解放しようとする

勇敢な勇者も来ませんでした。

いつか誰か来る、そう信じ、ハルロドは待ちました。

けど、悲しい事に誰かが来る前に、ハルロドは、

寿命が来て、お迎えが来てしまいました。

こうして世界は、暗黒のまま、長い長い年月が経ちました・・




俺は、殺し屋だ

金さえ貰えば、例え善人だろうが、殺す

嘘だ・・・本当に善人だったら

金をもらっておきながら、雇い主を殺す・・予定だ

ただ、今までの依頼は、全て悪人だらけだった

だから、今のところ依頼主を殺したことはない

失敗は、今まで一度もない。

だから俺の名前は、かなり評判がいい

さっきも、ある一つの村を一人で壊滅させたと言う

『笑う鬼』と恐れられていた。男を殺してきた所だ。

そして、今は依頼を終了し、

ちょっと説明しにくい店に顔を出す所だ




あれ・・・嘘だろ?

店の中に、さっき殺したはずの男がいる

しかも、俺に向かって手招きしてる

「よう、お譲ちゃん

 ちょっと、来い」

「なっ・・・俺は、男だ

 お譲ちゃんじゃない」

「わかったから・・こっち来い」

男の椅子の下には、自分の丈ほどある剣が置いてある

鬼と呼ばれているのは、そのせいだ

大の男が、あんな刀を自分の体の一部かのように扱うらしい

「大丈夫だ。殺したり、なんかしない

 聞きたい事が、あるだけだ」

「だ、だれが、お前の言葉なんか信じるか」

「そうか・・それは困ったな

 ん?・・・うぉっ大丈夫か?ほら、水」

男に重なっていて気付かなかったが

男の横には、食べ物をのどに詰まらせ

水を、勢いよく飲む小さな女の子が座っていた

「貴様、鬼と恐れられる殺人狂が、人売りまでしているのか」

俺は、腰に差してある剣に手を置き構えた

「人売りだぁ?お譲ちゃん何か、勘違いしてないか?

 俺は、この子の・・ん〜保護者役だ」

「嘘をつくな、保護者ならこんな大人が、来そうな店に

 そんな小さな子供なんか、連れてくるわけないだろ」

「よく言うぜ、まだ成人の儀式も、済ませてないような

 子供が、こんな店に顔を出すって言うから

 俺はわざわざ、ここに来たんだぜ」

「うるさい、成人の儀式なんか、

 あんな恥ずかしい衣装なんか誰が着るか」

「ほぉ、珍しいな女で成人の儀式を嫌がる奴は、初めて見た」

「黙れ、俺は女ではない男だ

 これ以上、侮辱すると許さないぞ」

俺は、剣を抜いた

店にいた客は、剣を抜いた俺を見て、驚き

店から次々と、飛び出していった

うわっ、やべっこれじゃ俺が悪者じゃんか・・

「き、君・・店の中で喧嘩をするんじゃない

 他のお客様に迷惑じゃないか」

この店の店長が、カウンターに隠れながら

俺に呼びかける

「店長、違う。俺は、あそこにいる

 鬼を・・っていねーし !!」

指をさした方には、男も子供もいなかった

店長から、迷惑そうな目線を感じた

「あ、アハハハ・・・ごめんなさい

 お邪魔しましたー」

足早に店から抜け出した


店を出たとたん、首元にナイフを突き付けられた

「だから、言ったろ。話がしたいだけだって

 お譲ちゃん」

目線を見上げると、背中に剣とさっきの子供を背負い

不気味に笑う大男が立っていた

「だ、だから・・俺はお譲ちゃんじゃなくて・・まぁいいや」



「お名前は?」

「ルシア=モルク」

「ご職業は?」

「殺し屋」

「じゃぁ、年齢と性別は?」

「18歳、お・・女だ」

「ほら見ろ、成人の儀式もしてないじゃないか」

「たった、四年後だろ」

「四年もっ!!の間違いだろ」

こいつ、どうかしてるんじゃないか?

俺から、武器を取り上げる事もなく

身動きをとらせないように、縛り上げる事もなく

人目につかない所で、尋問するのではなく

むしろ逆、何しに噴水公園?

めっちゃ、人いるじゃん・・ってかカップル多すぎ

「で?誰に雇われたの?」

「それは、言えない

 口が裂けても、言わないぞ」

「ハルロドが、こんな奴を送り込むわけないしな

 どうせ、またマイヤーだろ?」

「な、なんでそれを・・・あっ」

言っちゃったし〜

やられた、まさかハルロドなんておとぎ話の奴が

出てくるから、油断した

「やっぱりな〜、まだ根に持ってるのか?

 自分が選ばれなかったことを・・まったく

 ネチネチネチネチと・・」

「何を言ってる。あの人は、お前が村を、壊滅させたことを悲しみ

 俺にお前の殺しを依頼しに来たんだ」

「ルシア=モルク、名前は知ってるよ

 善人でも悪人でも、金さえ貰えばだれでも殺す

 残虐非道な、殺し屋だ」

さっきまで笑っていた男から

笑みが消えた

「ちょっと待て、確かにそう言われているが

 善人を殺した覚えはないぞ」

「はぁっ?何言ってるの?

 お前、ずいぶん前、どこかの村長殺したろ」

「あぁ、あの金の亡者か?」

男は一瞬、えっ?と言う顔をした

「違うよ、あの人は、宗教でいくつもの対立した集落をまとめ上げ

 いわば、あの地域の英雄だったんだ。

 金の亡者とは、宗教を信仰するには、金がかかる。

 確かに、村から取っていたかもしれないが、

 毎年、その金は、ほぼ村民に返っていたに等しい

 村長が死んでから、対立していた集落が互いに

 そっちが、村長を殺したんだろっていがみ合い、

 また、無法地帯と化してしまったんだぞ」

「そんな・・そんな事、依頼主は言ってなかったぞ」

「お前なぁ・・

 依頼主が『あの人、本当はいい人なの、

 でも、邪魔だから殺して』なんて言うと思うか?

 捻じ曲げてるに、決まってるだろ」

「知らなかった・・」

「マジかよ、俺はそんな奴に襲われたのか」

そうだ、思い出した。

俺は、この男を確かに仕留めたはずだ

「なんで、生きてるんだ?

 俺が、確かに殺したはずだ」

「あぁ、寝ている所を、卑怯な殺し屋に襲われたな

 首元をスパッと」

「だから、なんで生きてるの?」

「俺は、不死身なの」


そんな、満面の笑みを浮かべて、そんな事言われても困る

ってかいい年こいた、おっさんが笑ってんじゃねーよ

「はぁっ?何言ってるの?」

「俺は、ある使命が終わるまで死なないの」

「使命?」

「そうだよ。国家機密だぜ

 王妃様、直々のご命令だ。別に秘密じゃないけど」

「・・・・?」

このおっさん、頭おかしい?

「この子をハルロドの山に連れて行く」

「え・・?ごめん、何だって?」

「だから、この子をハルロドの山に・・」

俺は、思わず噴き出した

「馬鹿じゃねーの、あるわけないじゃん

 ハルロドの山?殺人狂は、狂っている上に

 頭まで狂っているのか?」

一応、立場的に囚われている身なのに、笑ってしまった。


ハルロド、それはこの世界の支配者であり

この世を、我が物ままに操る事が出来る、悪魔だ

よく子供の頃は、

親に『言う事聞かない子は、ハルロドに連れ去られるよ』

と、脅され泣き止んだものだ。

ハルロドは、すでに死んでいて、今はそのシステムのみが

機能し、この世界を、今だに支配している、と言われている

・・・けど、所詮は、誰でも知っているおとぎ話

子供を驚かすのに使う、くだらないお話だ



「俺は、殺人狂ではない

 そんなに笑うな、傷つくぞ」

「わかった、わかった

 そしたら、あれか、その子は天使の種か?」

「おぉ、よくわかったな

 実際はすでに、苗ぐらいになってるけどな」

ここ、笑う所だよ。俺もぅ大爆笑・・

腹抱えて笑ってます。


天使の種とは、ハルロドを倒す唯一の方法

悪魔は、この世界に悪さをするが、

天使は、それを見ても何も悪魔を止めようともしない

ただ見ているだけ、けど地上に希望を降ろす。

天使の種も、希望の一つだ

悪魔ハルロドが、世界を支配した時、

天使は、天使の種を地上に降ろした。

その種は、綺麗な音色を出し、歌いだす。

歌った事が実際、現実におき

種が歌えば、土が金に変わるとも言われている

それも、ハルロド同様、ただの作り話

この前の村には、天使の種と言う饅頭まんじゅう

お土産屋で売ってあったぐらいだ。

っとまぁ、ハルロドを倒す方法は、

天使の種をハルロドが、築き上げた要塞

ハルロドの山に登り、天使の種に歌わせる

『我望む、光は天に闇は地に戻らん事を』

それで、ハルロドの暗黒の支配は終わり、天使の種は天に戻る

そして天使の種を、ハルロドの山に連れていった者は

願い事を、一つ叶えてくれるらしい



まぁ、実際はハルロドなんて山は存在しないし

今が暗黒の世界なのかも微妙だ

この世界で、生まれ育っているが不自由を感じた事もない

「おぃおぃ、信じてないだろ

 これ、この子の、胸のバッチを見てみろ

 王家の印が入っているだろ」

そう言われ、俺はその子のマントを止めている

バッチを見てみると、確かに銀のバッチで王家の印

二つの山の間から太陽が昇る絵が、描かれていた

「うわっ、本当だ。偽もんでもないみたいだしな

 どこで拾ったんだ?」

「だから、本当なんだって」

「だったら、なんであんたは銀のバッチをしていない」

「この前、どこかに落とした

 だからお前の依頼主のマイヤーは、天使の種を

 ハルロドの山に運ぶ候補者の一人だったんだ。

 最終選考まで残ってたのかな?

 だけど、突如現れた俺を、天使の種が指名した

 んで、急きょ俺がこの子を連れて行くことになった」


胸を張って、そんな事言われても・・

「そんな事が、信じられると思うか?」

「別に信じなくていいよ、俺を殺さないんならな」

「断る、俺は仕事はきっちりと終わらせるのが

 ポリシーなんだ」

俺は、少し離れ剣を抜いた

「それでは、問題です

 ここ等にいたはずのカップル達はどこに行ったでしょう?」

突然何を?・・っと思っていたが

周りには、カップルどころか、俺たち以外誰もいなくなっていた

「はい、第二問

 ハルロドは、いないと言われているが

 どうして、みんながそんなおとぎ話を知っているんでしょうか」

男は、巨大な剣を拾い、肩に担いだ

「第三問

 これから起こる事は、一体どう説明すればいいでしょう

 おぃ、そこ危ないからこっちに寄れ」

その瞬間、足もとから突然手が出てきた

「うわっ、なんだこれ?」

俺は思わず、男にしがみついた

地面からは、土の形をした人が何人も現れ

空には、翼の生えた豚のような牛のような顔をした

人が浮いていた

「正解は

 すべてハルロドに、操られているから

 ちなみに、こいつらはハルロドの手下たち

 どう?これでも信じない?」

「わかったから、信じるから

 うん、信じる」

「そいつは、よかった

 とりあえず、この子守りたいから、しがみつくのやめてくれない」

「うん、わかった、わかったから」

そう言って、より一層強くしがみついた


「おぃおぃ、殺し屋がそんなにビビってどうする

 もしかして、子供の頃ハルロドを脅し文句に泣きやんでた口か?」

「だ、誰が、そんな事でビビるか」

「とにかく、こいつらどうにかするから

 この子になるべく、歌わせないようにしてくれ」

そう言うと、男は土の化け物に突っ込んでいった



男は、大剣を一振りで、何人もの化け物を吹き飛ばしていた

俺は女の子を、俺の背中側におき、周りに警戒した

男は、大剣を軸に、敵の攻撃をかわしたり

本当に自分の体の一部かのように、大剣を振り回していた

「何をしている、上だ」

男が、俺に向かってそう叫んだ

上を見ると、空を浮いていた化け物が俺に向かって

急降下してきた

「うわっ・・」

俺は思わず、剣を抜き襲いかかってくる敵に向かって

剣を投げた。

投げてどうする !!自分に突っ込みを入れながら

焦った。

だが、剣はうまい具合に、敵に刺さり倒れた

俺は敵から剣を抜いた

後ろを振り返ると、女の子は人差し指を噛み

ガタガタと震えていた

「おぃ、大丈夫か?」

俺の声が届かないのか、返事をしない

「おぃ、鬼

 この子の様子がおかしい」

「誰が、鬼だ

 お前は、その子を安心させろ

 そりゃ、怖いからな、歌ったら楽になる

 歌を、歌う前ぶれだ。絶対に歌わせるな」

男は、敵をなぎ倒しながらも、敵から攻撃を喰らい

傷を負っていた。

「鬼っ、なんて無茶な戦い方してるんだ

 死ぬぞ

 それにこの子に歌わせれば、こんな敵一発で倒せるだろ」

「駄目だ、絶対に歌わせるな」

その時、小さな音だがとてもきれいな音色が聞こえた

すると、戦っていた化け物と男は戦いを一瞬ピタリとやめた

それほど、美しい音色だった。

だが、本当に一瞬で、また戦いを始めた

「え?うそ・・今歌った?マジ?

 おぃ、モルク、今歌ったか?」

「え・・・た、多分

 きれいな音色が・・」

「なんて言ってた?歌詞は?」

「えっ・・えっと」

俺は、必死にさっきの場面を、思い出した

「その子の、今の瞳の色は?」

その子の目の色を見ると、黒だった

っていうか、こんなに暗いのに目の色なんか見えるか !!

「多分、黒色 !!」

「最悪だ !!黒魔法だ

 歌詞は?歌詞」

「まって、今,思い出してるんだから

 話しかけるな !!

 えぇっと、夜の・・『夜の雨が、降りそそぐ

 光と音は、さえぎられ村一面に降り注ぐ』だったっけな?」

「モルク、その子を連れて屋根がある場所に避難しろ

 雨が降るぞ」

「なんで、雨ごときで非難しないといけないんだ

 それに家なんかここら辺にねーよ」

その通りだ、ここは公園だ。

周りに人もいなけりゃ、家もない

「雨なんかじゃないじゃない

 上を見ろ、夜の雨が降るぞ」

上を見上げると、空一面が黒い何かで、覆われていた

何かと見ていると、空一面を覆っていたのは、大量の矢だった

矢が上から落ちてきていた

「うわっ・・」

気づいた頃には、もう間に合わない

俺は、この子を抱きかかえ、その場にうずくまり

目を強く閉じた。

その瞬間、矢は音を立てながら次々と、地面に突き刺さる

周りでは、化け物どもの悲鳴が少し聞こえてくる

だが、矢の降る音のせいで何も聞こえない

しばらく、矢の雨が降り注ぎ、

段々と音がしなくなった。


だが、妙だ、俺にはなにも痛みもない

恐る恐る、目を開くと俺の上には、男が覆いかぶさるように倒れていた

俺は、男をどかすと男の背中や至る所に

矢が刺さっていた。

「おぃ、しっかりしろ

 鬼・・」

「くそったれが・・だから俺は鬼じゃな・・い」

そう言うと、男は目を閉じた


あたりを見回すと、ありとあらゆる所に矢が刺さっていた

太陽が昇り始めると、その被害の現状が見えてきた

村一面が、本当に矢で埋め尽くされていた

日が当たると、建物の白い壁が反射し美しい村の風景のはずが

白い壁にも、矢は埋め尽くされ白く美しかった村は

どす黒い村になっていた。

おそらく、村人にも被害は、出ているだろう

「これが・・天使の種?」

俺の胸に抱えているこの子が、本当に希望なのだろうか?

そんな疑問が、頭をよぎった。


・・・って、寝てるし !!

こんな状況で、よく寝れるな〜おぃ・・

「びっくり、したろ?

 これが、本当に天使の種か?って思ったろ」

横で、死んでいたはずの男が突然立ち上がった。

「別の村で、この前は、朝の雨を降らせたんだ

 火が付いた矢が、村一面に降り注いだ。

 火事で村は壊滅・・そんな中、俺は彼女を抱えて出てきた

 何とか、場を和ませようと、笑ってはみたが

 それが不気味に、見えたんだろう

 『笑う鬼』なんて名前が付けられた」

背中やありとあらゆる所に刺さった矢が、次々と取れ

傷口までも塞がっていった。

これは、夢?

「だから、言ったろ?俺は死ねないって

 実際は、死んでるんだけど、生き還る

 ほら、そんな、お話も聞いた事があるだろ?」

「りゅ・・龍の肝か?

 あんた・・龍を食ったのか?」

「実際には、肝ではないけどな・・

 むか〜しむかし、ある勇敢な勇者は、龍の山を登りました

 そして、龍を見つけると、自分では行かず

 奴隷どもに行かせました。奴隷たちは、龍によって

 どんどんと殺されていきました。

 そして最後の一人が大剣で龍のひげを切りました。

 『あぁ〜・・私の自慢の髭が〜』

 と嘆く龍、にその奴隷は謝罪しました。

 『あ・・あの、ごめんなさい。

 そんなに大事にしてる物だとは、知らなくて』

 深く詫びを入れる奴隷に龍は、言いました

 『いや、先に髭は切らないでくれ、と言わなかったわしが悪かった』

 そして、優しい龍は、大きな口から

 それまた小さな玉を出しました。龍の肝です

 奴隷は、肝を貰い、龍に礼を言い、ご主人様の所に持って行きました

 ところが、ご主人様は、龍が暴れた時に落ちてきた

 岩につぶされ死んでいました。

 そこに、さっきの龍が現れました。

 『早く食べないと、それ人間にとっては、猛毒になってしまうぞ』

 『えっ、でもこれを欲しがってた主人が、死んでしまいました

 だから、お返しします』

 龍は言いました。

 『えぇ〜一度出したものは、食べたくない

 お前が食え』

 『いや、でも・・別に永遠に生きたいなんて思わないし・・』

 拒否する奴隷に龍は言いました。

 『早く食べなさい、残したら許しませんよ』

 『は、はい、いただきます』

 龍に脅された、奴隷は肝を一口で飲みこみました。

 それを見ると龍は、どこかへ飛んで行きました

 主人を失い、そこら辺を、何百年もさまよっていると

 『彼がいい』小さな少女が、私を指さして言いました

 訳も分からず、私は王家直属の奴隷になりました

 そして、現在の状況にいたると・・

 どうだ、最終選考のに残った奴を蹴飛ばしてでも

 俺を採用した訳がわかったか?」


長いお話をどうもありがとうございます。

「あんた、奴隷だったのか・・」

「まぁね、実際は今もだけどな

 俺の任務は、彼女をハルロドの山に連れて行く」

「さっきから言おうとか思ってたんだけど

 彼女だとかその子、とか名前で呼んでやれよ」

「仕方ないだろ、無いんだから

 俺にも、その子にも。その子も奴隷だからな」

「嘘だろ?こんな子供までもか?」

寝ているこの子までも奴隷、と言う事が信じられなかった


「子供じゃないぞ、その子も俺、同様

 もしかしたら、俺より長生きしてるぞ

 天使の種は、俺が子供の頃から

 おとぎ話で聞いた事があるから」

「はぁっ?」

「俺も、その子も普段は眠らない

 彼女は、歌うとエネルギーを大量に食うらしい

 そのせいか、これ以上、成長もしないしな

 ちなみに俺も今、非常に眠い

 だが、寝る前にこの村から出て行かないとな」

なんで?と聞くまでもなかった。

村の人々が、俺達に銃を向けていた

そりゃ、そうだよな『笑う鬼』に『残虐非道な殺し屋』

そしてこの村の被害のでかさ。俺らじゃないって言っても

意味無いだろうな・・・

「俺と、この子は、大丈夫だと思うけど

 お前は無理だよな」

「・・・うん、無理」

逃げようにも、足場は矢で埋め尽くされ動けない

「掴まれ」

俺から女の子を取り

俺を片手で持ち上げたかと思うと

男は、急浮上した。地面が、どんどんと離れ

村が、小さく見える

「お前、飛べたのか?」

「飛んでるんじゃない、ただジャンプしただけだ」

「へ・・?」

スピードが、どんどんと弱くなり

次第に下に急降下していった

「いやぁぁぁぁぁぁぁーーー」

地面が、段々と近づいてくる

下には、平地が広がっていた

うわっ・・きれい

なんて思っていると、ドスンっと強い衝撃と音を

響かせながら無事?着地した


「し、死ぬかと思った・・・」

「周りの警戒よろしく・・」

「え?何か言った?」

男の方に目をやると

眠る子供を胸に抱え、でかいおっさんまでも眠り始めた

「・・ったく、なんで俺がこんな事まで」

なんて文句を言いながら、周りに警戒をしていた



こいつらが、起きたのは、次の日の朝だった

「おはよう」

「おはようじゃねーよ、なんで一日中寝てるんだよ

 そして、なんで俺はお前らなんかの子守りをしていたんだ」

「世話になったな、もぅ大丈夫だ」

「え・・・」

「俺達は、ハルロドの山を目指す

 ここでお別れだ。」

「ハルロドってどこにあるんだよ」

「さぁな、わからないから適当に歩く

 それじゃぁな」

男は大剣と女の子を背中に背負い歩きだした

「ちょ・・ちょっと待てよ

 俺は、殺し屋だ。仕事は、きっちりと終わらせるのが

 ポリシーなんだ。だから、俺はお前が死ぬまで付いて行ってやる」

「はぁ?何言ってるんだ?お譲ちゃん」

「だから、俺はお譲ちゃんじゃない」


こうして、死なない男、歌う女、

そして、死なない男をつけ狙う殺し屋の

目的はあるんだけど

その場所が、わからない長い旅が始まった。




「・・っておい

 どうして、村が見つからないで

 五日も森の中を、さまよってるんだよ」

「うるさいぞ、黙って歩け

 お譲ちゃん」

「はぁ〜、突っ込む気力もないぐらい

 腹減った

 もぅ、歩けない !!」

そう言って、俺はその場に寝転んだ

「じゃぁな、ここでお別れだ」

男は、振り向きもしないでスタスタと歩いていった。

「鬼っ!!悪魔 !!」

「だから、俺は鬼じゃない

 仕方ないな・・」

男は、背中から女の子を下ろし

「あれ歌ってくれ」と言った

「ちょっと、歌ったらまたあんな事に」

「いいから、見てなさい」

すると、女の子は

「・・・カレーライスが食べたい」

と、呟いた

「え?何今の・・・歌?」

「この子が、喋れば何でも歌になるの」

すると、目の前に三個、

ご飯の上に謎の茶色い液体がかかった物が現れた

「よし、食うか」

男は、それを拾い女の子に渡した

「ちょっと、待て〜

 それは、食いもんじゃねー」

「あっ・・ひでー、俺の大好物なのに」

「おぃおぃ、長生きしすぎて

 頭おかしくなってるんじゃねーか?」

「いいから、ほら食ってみろ

 背に腹は代えられぬ、腹が減っては戦は出来ぬだ。

 毒じゃないから食ってみろ」

俺は、渡された物を鼻に近づける

それからは、蒸気が立ち

白いご飯の匂いが

茶色い者のせいで、かき消されていた。

だが、男とあの子が、食っているのを見よう見まねで

恐る恐る口に中に入れた

「あ・・・おいしい」

「だろ?俺もこんな食い物があるだなんて

 彼女が歌うまで、知らなかったよ」

「っていうか、あれ歌か?

 ただの独り言だろ」

「やかましい、歌って言ったら、何でも歌になるんだよ」

「そもそも、歌を歌っておきながら

 彼女どうして寝ないんだよ。

 エネルギー使うんじゃなかったのか?」

「それは、彼女の願望の量に左右されるんだ

 量が多ければ、エネルギーをたくさん食うし

 今回のように、別にどうでもいいような事だったら

 食うエネルギーも少ないの

 そんな所に疑問を持つなっ !!

 この世はなぞに包まれてるんだよ」

「なんだよ、それ、意味わかんねーし」

言い争う二人の前で、カレーを食べていた

あの子は、喉を詰まらせ、小さな声で

「み、水・・」

と呟いた。

「おぉ、今のは、かなりの願望の量だな」

「ん?と言うと・・?」

突然、地面が揺れだしたかと思うと

山の斜面を、雪ではなく水が一気に流れ落ちてきた

「嘘ぉぉぉ・・」



そんな三人の長い旅は、まだ始まったばっかり



最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

なんか、本当テキトーに書いてしまいました。

気が向いたら、連載で書いてみようかなって思ってます。

意見や感想、お待ちしています。

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