YAZAWA初の敗北ゥゥゥ!!? 新女王様との謁見ンンンンンアッ!!!!!!
「ハッハッハッハァ――――!!!!」
あれから、玉座の間を目指して足を進めるYAZAWAは、ただ移動するだけではなく、目に付いた人間を片っ端から奴隷ハーレムに加えていった。結果、その様相は大名行列ならぬYAZAWA行列とも呼べる物へと様変わりしているのである。
『ああ~ん!! YAZAWA様ぁあん!!!』
あの耳障りな『ああん』『いやん』も、ここまで揃えばもはや芸術である。
「ふふん!! ここが玉座の間のようだなあ!!!」
そしてついに、YAZAWA行列は玉座の間に到着したのである。
◇
一体なんだ、アレは?
新女王は、驚きのあまり言葉を失っていた。それもその筈。自身の逆ハーレム軍団を除いた全ての人間で勇者を探索している筈なのに、突如として玉座の間に老人と全裸orほぼ全裸の女達がなだれ込んできたのだから驚きもしよう。
さて、改めて老人に視線を戻した新女王は、おや? と眉を顰める。そして気付く、気付いてしまう。
あれは、あのジジイは、“おっぱいパブ”常連スケベジジイ矢沢エッジであると。
「何で、えーちゃんが此処に!!!」
「何!」
「あ」
「まさか……ミキちゃん?」
「違う! 私はミキじゃ」
「その喋り方は! やっぱりミキちゃんじゃないか! 無事だったのか!」
「……」
「大分ロリィになってしまってるけど、安心していいよミキちゃん。俺は今のミキちゃんでも」
「なぁに言ってやがるジジイ―――!!!!!!」
「え」
ミキの荒々しい口振りに、思わず固まってしまったYAZAWA。
「立場をわきまえやがれクソジジイ! 金の為に嫌々触らせていたのが、まぁだ分かんねえのか!!!」
「ミキちゃん?」
「今の私は女王様なんだよぉ!!! 卑しい売女じゃねえんだよぉ!!!」
「………」
「ジジイ――――!!!!! さては、お前が召喚された勇者だなぁ!!!!」
「……ああ、そうだ」
「いくら勇者であろうと、私の黒歴史(おっパブ店員)を知っている貴様は生かしておけんからなあ!」
「ミキちゃん、落ち着くんだ」
「その名で私を呼ぶんじゃね―――!!!! 親衛隊! あのジジイを殺せぇ!!!」
『御意』
ミキの号令により、ミキ直属の逆ハーレム軍団がYAZAWAに襲いかかった……しかし……
「性転換」
『ああっ』
「何だこれは!?」
ミキ戦慄! 当然、その視線は自身の保有する最大戦力にしてスケベ(性欲処理)要員を、一瞬にして女に変化させたYAZAWAに向けられた。
「乱暴は良くないんじゃあないかな、ミキちゃん」
「ジジイィ……貴様ぁ! 何をしたぁ!」
「ミキちゃんにこんな事はしたくなかったんだけど……仕方ないよね!!」
「だから、なあにを言って」
「奴隷ハーレム」
「ああん?」
パリーン!
「は?」
『たとえ女になろうとも……』
『我ら女王様の敵を討つ者なり』
『覚悟!』
「何故だ! 何故奴隷ハーレムが効かない!!」
「残念だったなあジジイ――!!!!」
「ミキちゃん?」
「ユニークスキル【奴隷ハーレム】は、早い者勝ちなんだよぉ!!!」
「まさか!!!」
「そうだぁぁ!!!! そいつらは、私の奴隷ハーレムだ! たとえ女だろうとなあ! 死ねえ―――!!!!!!!」
「くっ、糞――――――!!!!」
ミキの雄叫びにより、三人の半裸女が剣を大きく振りかぶってYAZAWAに襲いかかった。YAZAWAは今度こそ終わったと思った。最後の能力はこの場では何の役にも立たない。加えて謎の全能感からも目が覚めた為か急速に老けていっているようだった。
キィィン!!!
が、YAZAWAには今までに囲った奴隷ハーレムがいる。それはつまり、そいつらが簡単には死なせてくれないという事であり、
「お前は……ババア……」
「YAZAWA様ぁあん! 死ぬのはナシよぉおん!」
間一髪、マルスにより命を救われたのだった。
◇
「ジジイ如きに何をしている!」
『女王様、ヤツはマルスかと』
「何……だ…と…?」
ミキ驚愕! あの渋かったマルスが、今や見る影もなく醜いババアであるのだから、それも仕方がないのかもしれない。
◇
あれ程……あれ程までにないがしろにし続けてきたマルスに命を救われた事が、YAZAWAの心境に変化を齎した。
「マルス、もういいんだ……」
「YAZAWA様?」
「ミキちゃん!」
「何だジジイ!」
「俺は出て行く事にしたよ! 勿論ミキちゃんのハーレムは元に戻すし、ミキちゃんの過去は誰にも話さないと誓うよ!」
「信じられるかぁああ!!!!」
「信じなくていいから兵を引いてくれ! 少しだけ話がしたいだけなんだ!」
「黙れえええ!!!!!」
「じゃあ、逆ハーレムがなくなってもいいのかい?」
「………ちっ! 話の時間は?」
「十分もあれば出て行くよ」
「いいだろう。お前ら戻れ」
『御意』
YAZAWAの提案により、ようやく争いが収まる事となったのだが、ミキにはYAZAWAの考えが分からなかった。
だが、そんな事はもうどうでもいい事だ。YAZAWAが約定を違わねば何も問題はないのだから。こうして、互いにハーレムを後ろに従えた二人は改めて対峙する事となる。
「さあ! まずは、私のハーレムを元に戻して頂戴!」
「分かった。性転換返し」
「……ふん、分不相応なくらいに便利な能力じゃない! まあ、もうそんな事はどうでもいいわ。話しって何よ?」
「ミキちゃん……」
「何?」
「姿形が変わってロリィになっても、やっぱりミキちゃんには巨乳が似合うとぼかぁ思うんだよね」
「はあ?」
「だからね、僕ももう年だし、今回限りでミキちゃんとは二度と会う事が出来ないと思うのは普通だよねえ?」
「えっ? えっ、ええ……???」
「だから、餞別代わりに僕がミキちゃんを巨乳にしてあげるよ」
「はあ~?」
ドヤ顔のYAZAWAに対し困惑を隠せないミキ。果たして二人の運命や如何に!!!
次回号泣必至の最終話ァァァ!!!!!! ミキちゃんを巨乳にするって一体どういう事なんだああ! 意味が分からんぞぉ! 何をするつもりだYAZAWAaaaaaa!!!!!!