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YAZAWAついに発見されるぅぅぅるああああッ!!!!!!






「そういう事か……」

「YAZAWA様ぁあん!!! ご褒美ぃご褒美ぃぃん!!!! マルスにご褒美ちょおだはぁ~いんっ!!!!!」

「うるせえー!!!」

「いやっ、ああ~ん!!!」

「気持ち悪すぎてイライラするぜ!」




 「ああん」「いやん」など、状況説明には全く不要な単語が多分に入り混じったマルスの説明を解読したYAZAWAは、マルスに蹴りを入れながら今後の身の振り方について思考していた。

 自分は勇者として召喚された異世界人……この世界では異界の勇者と呼ばれる存在であり、本来であれば魔法陣に召喚されて新女王との謁見の後に歓待されるという毎年の恒例行事であったが、今回に限って召喚がズレたと……まあこういう理由らしいが、全く迷惑な話だ。


 思わず溜め息をつきながら、マルスに蹴りを入れ続けるYAZAWA。

 YAZAWAに蹴りを入れられる度に嬌声を上げるマルス。

 当然、こんな事を続けていればいい加減誰かに気付かれてもおかしくない訳で……




「おい! あの部屋から女の嬌声が聞こえるぞ」

「何だと!」

「城中で勇者殿の捜索をしているこの非常時にけしからん!」

「ひっつかまえて新女王陛下の前に引きずり出してくれる!!」

「全員集まれい!! 不謹慎な輩をとっつかまえるぞお!!!」

『オオオオオ!!!』




 廊下の兵士に、居場所がバレてしまった。




 ドタドタドタドタッ!!!




 鳴り響き段々と近づいてくる大量の足音に、戦慄を感じたYAZAWAは、マルスを憎しみを込めた眼で睨みつけた。




「ババー!!! お前の気持ち悪い声のせいで、居場所がバレちまったじゃねえか!!!」

「ああん! いいん!」

「あっ!!? 今は何もしてねーだろうがっ!!!!」

「その汚物を見下ろすような目!!! いいわ! YAZAWA様ぁあん!」

「………」




 睨みつけただけで感じだすマルスに、言葉を失ってしまうYAZAWA。

 絶望の表情でマルスを見下ろすYAZAWAと、熱のこもった目でYAZAWAを見上げるマルス。

 二人がそのままの状態で暫く固まっていると……ついに兵士達が到着してしまった。




「き、きっさまらあああ!!!! この非常時になあにを乳くりあって………だ、誰だ貴様らああああ!!!!」




 兵士達は知ろう筈もない。そこにいたのは初めて見るヨボヨボジジイと、初めて見る脂ぎったオバサンだったのだから。






 どうなるんだYAZAWA!!!!!!






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