近衛騎士団団長の言い分
私はラック王国近衛騎士団団長マルスである。今日は年に一度の勇者召喚の日であるのだが……正直に言わせて貰うと、勇者召喚などもう禁止してしまえばよいと思っている。
異世界から何度勇者召喚を行っても召喚されるのは愚図ばかりであり、我が国の一般兵にすら追いつけないのが大半だからだ。これでは魔王討伐など夢のまた夢であり、いい加減に女王様も、いや新女王様も理解されている筈なのだが……やれやれ、上手くいかないものだ。
おかしい……魔法陣に勇者が召喚されない……これは緊急自体なのではないか? と召喚士達に問い掛けると、召喚自体は完了しているらしい。ただ召喚場所がズレたとか何とか……全く! だからこのようなくだらない事など止めてしまえばよいのだ!!!
まあそれはともかく、我々はどこかに召喚された勇者殿を手分けして捜し出す事となったのだ。
地下倉庫の扉を開くと、そこには勇者がいた。いや訂正しよう。私にとっての勇者が“居た”。
今までひた隠しにしてきた、老け専であるという私の一般的には特殊性癖と言われる欲望が押さえ切れない程の勇者様!!!
あぁ勇者様……アナタを一目見た時から私、不覚にも勃起してしまいましたぁ。
ああ勇者様勇者様!!! 私とスケベスケベスケベエエ!!!! ユウシャサマトス・ケ・ベ……
自身の肉欲に思考を支配されたマルスは、気がつくと、
「なあ、スケベしようや……」
と口にしていた。
「あ?」
だが勇者様の声により、少しばかり正気を取り戻したマルスはやってしまった! と一瞬だけ後悔するも、周りに誰も居ない事を確認するやいなや、勇者様に襲いかかるのだった……それは当然、スケベ目的で……
「勇者様ああ!!!!」
「ああああああああああああああああ!!!!!!!」
YAZAWA絶体絶命のピンチ!!!!!(性的な意味で)