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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
9/202

―――9―――

 草原を森の方向へ進んでいるが、衛兵さんから聞いた通り、近くは全く狩場が空いていない。

 そこで、他のプレイヤーの戦闘を見てるのだが、どうやらこの周辺の魔物はウルフが多く、ラビットがたまにでるようだ。

 そして、あの様子ならレア種と同じ方法で十分倒せるだろう。

 移動中に他のメンバーの装備を見てみたのだが、メル姉さんが杖にローブ、アーネさんが剣に盾に金属鎧、フウさんが杖にローブ、リンカさんが刀に皮革鎧だった。

 戦闘を見ていないので装備だけでの判断になるが、バランスはいいと思う。

 事前に決めていたのかな?

 

「暇だね~」

 

「そうですね。まあ、開始日ですし近隣の狩場が埋まってしまうのは仕方がないと思いますが」

 

「そうだけどさ~」

 

「まあまあ、森の近くなら空いてると思うし、それまで我慢だよ」

 

「うん。そうする」

 

「それはそうと、ユウ君。先ほどから気になっていたのだが、その指輪は装備品かい?」

 

 おっと、こちらも装備を見られていたようだ。

 

「うん、そうだよ。キャラ作成時の物とチュートリアルで取得したもの」

 

「キャラ作成時?」

 

「ああ、あのエンチャントアクセサリーですね」

 

「うん」

 

「見せてもらってもいいかい?」

 

「いいよ。はい」

 

 このメンバー相手には別に隠す必要もないので、指輪を渡した。

 そういえば、あの指輪の解放条件まだ分かってなかったな。

 鑑定のスキルレベルが上がれば分かるようになるのかな?

 

「幸運の指輪と片方は銅の指輪か」

 

「え?未開放の指輪だったと思うけど?」

 

「いや、銅の指輪になっているね」

 

 いつの間にか解放条件を満たしていたのだろうか?

 だとすると、条件はなんだろう?

 戦闘回数か取得経験値あたりが一番怪しいかな。

 あとは装備時間だろうか?

 いや、さすがに4時間程度で解放は早すぎる。

 まあ、もう確認もできないし、解放もできたのだからいいか。

 

「どうやら条件を満たしたことで変化したようです」

 

「そうだったのか。だが、鑑定でもエンチャントの効果は分からないか」

 

 どうやら鑑定でもエンチャントの効果は見えないらしい。

 こちらも鑑定のレベルが上がれば判明するのだろうか?

 

「え?チュートルアルでもアイテムって落ちたの?」

 

「私は落ちたよ!お肉が!」

 

「私も落ちましたね。魔石とお肉が」

 

「私も落ちたぞ。魔石が」

 

「皆いいな~」

 

 あれ?

 

「チュートリアルで戦った魔物は皆が兎だったの?」

 

「え?チュートリアルの魔物は兎だけだろう?」

 

 最初の相手は確定で兎のなのだろうか?

 

「いや、兎、狼、鷹がいたよ」

 

「ランダムなのかな?」

 

「私たちが偶々一緒だったのかもしれませんね」

 

「それでユウ君はどの魔物だったの?」

 

「最初に兎で数体目で狼、その後鷹だったかな。鷹には一回負けちゃったよ」

 

「確かに兎は強かったですもんね。私も数回負けましたから」

 

「いや、私は1回で倒したが」

 

「私も」

 

「私も」

 

「僕も」

 

「え?兎と狼に負けて鷹に1回負けた後で勝ったんじゃないの?」

 

「え?兎と狼には負けてないよ」

 

 やはり皆は1度しか戦っていないようだ。

 あんなこと普通は聞かないのだろうか?

 もしかすると、あれ自体が気づくかどうかのちょっとしたイベントだったのだろうか?

 

「ん?チュートリアルの戦闘は1回勝ったらお終いじゃあなかったかい?」

 

「うん。その後に町に行くとき混んでるからここで少し待ってた方がいいって言われて、その時にもう1回戦えるか聞いたら戦えてさ。混雑解消まで連戦してた」

 

「そうだったのか…。私は町に行ってしまったからな。惜しいことをしたな」

 

「ちなみに何回戦ったんですか?」

 

「途中から数えてないけど、50回は戦ったと思う」

 

 うん、別に数えていても意味が無かったからね。

 

「50!?」

 

「ユウ君そんなに戦ってたの?どうりで時間がかかったはずだよ」

 

「遅くなってごめんね」

 

 本当に申し訳ない。

 

「いいよいいよ。どうせ早く来てもギルドで待たないといけなかったし」

 

「ありがとう」

 

 

 

 雑談をしつつ、しばらく移動しているとだんだんと人が少なくなってきた。

 そして、人が少なくなったことで狩場が空いていたのか、狼が1匹こちらに向かってきている。

 

「それじゃあユウ君あの狼の相手をお願いね」

 

「分かった」

 

 さあ、チュートリアル以外での初戦闘だ!

 魔物の行動は道中に見てきたのであまり心配はしていない。

 ゲイルウルフと違って突進があまり早くなかったのは驚いたが、あの突進の速さがゲイルウルフの特殊能力なのだろう。

 手に持っている銅の魔法銃を確認し、狼に近づいていく。

 おっと、まず初めに識別しておかないと。

 

 <魔物>ウルフ Lv1

 

 識別しているとウルフもこちらへとゆっくり近づいてくる。

 そして、途中で止まり……飛び掛かって来た。

 だが、予想通りの行動だったので慌てずに横に避けると同時に横腹に1発攻撃をする。

 弾は横腹に当たり、ウルフが空中で体勢を崩す。

 何とか着地したようだが、そこに後頭部に向けて追撃を行う。

 弾は真っ直ぐに後頭部に当たり、ウルフは倒れた。

 そこで、さらに追撃しようとしたが、視界に移ったHPバーを見てみると空になっていた為、追撃を中止した。

 あれ?弱い?

 いや、ゲイルウルフが強かったのだろうか?

 

「うん。それだけ戦えれば森も大丈夫そうだね」

 

「そうだな。これだけできたら大丈夫だろう」

 

 よかった、どうやら合格点は貰えたようだ。

 

「じゃあ次からは皆でいくよ。森に向けて出発!」

 

「はい」

 

 森にはどんな魔物が出てくるか楽しみだ!

 

 

 

 その後も何度か魔物と遭遇したが、余裕で倒すことができた。

 いや、余裕で倒されていた。

 魔物はウルフとラビットで、1~5体の範囲で出てきていたが、僕はほとんど何もしていない。

 1回だけ、ウルフが5体同時に出てきた時に、1体相手をしたくらいだ。

 大抵の場合はリンカさんが瞬殺してしまう。

 魔物に突っ込んで行き、攻撃を避けつつ、横から後頭部に手に持った刀で一閃。

 それで残った魔物はアーネさんがうまく引きつけたり、止めを刺したりしていた。

 姉さんとフウさんも僕と同じであまりやることが無かったが、フウさんはどうやら支援魔法と回復魔法がメインみたいで、出番は無かっただけだ。

 誰も攻撃は当たらないので回復はいらないし、支援もこの場所で使用してもあまり意味が無いので、MP節約の為に使用は控えている。

 ちなみに姉さんは暇そうにしてました。

 多分森の為にMPを節約しているのだろうけどね。

 そんな感じだったので、これでは平原の魔物では物足りないのだろうな。

 それでも、森に行くのは慎重になっていたということは、森の魔物は強いのだろうか?

 または他に理由があったりするのだろうか?

 まあ、到着してみれば分かることか。

 

 そしてさらに進んでいき、予定通りの約1時間で森の入り口へ到着した。

20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140815:大幅修正

見直しも兼ねて、大幅に修正を行いました。

表現だけでなく、内容まで変更した箇所に関しましては、今現在1~18話のものをまとめて作成しておりますので、少々お待ちください。

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