表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/202

―――88―――

イナバ:ラビット

ルビー:ホーク

ログレス:パペット

「皆、今どうなってるの?」

 

「リンカちゃんがボスウルフの相手をしていて、その周りをボスウルフの相手の役割を持った人が囲んでいる状態かな。それ以外の人は周囲の警戒。皆リンカちゃんの邪魔になると思って、躊躇してるみたい」

 

「そっか。ありがとう。じゃあ、メル、行こうか」

 

「ユウ君はどうする?」

 

「僕はもう少し後でもいいかな? 姉さんは別として、リンカさんは今まで見ていたからいいけど、アーネさんに合わせられる自信が無い」

 

「分かったわ。それじゃあ、アーネちゃん、行こうか!」

 

「うん!」

 

 さて、アーネさんの動きもよく見ておかないといけないな。

 以前に1度見たことはあるけど、あれは相手がウルフやラビットだったからね。

 強い相手にどう動くのか分からないと邪魔をしてしまう。

 それは避けたいからね。

 

 

 

「すごい……」

 

「どうしてあの動きに合わせられるの?」

  

 確かに、見惚れるほどに見事な連携だ。

 姉さんが左右の動きを制限して、アーネさんが剣で急所を狙って誘導し、移動先の急所の位置にリンカさんの刀が置いてある感じだ。

 ただ、それをギリギリとはいえ避けられるあのボスウルフはさらに凄いのかもしれない。

 確かにこれは個人の力ではどうしようもない相手かもしれないな。

 なので、こちらは数を増やそう。

 

「イナバ、周囲の警戒をお願い。ルビーはそのまま上空で警戒をお願い。ログレス、君はボスウルフを見ていてほしい。そして、万が一にもリンカさん達が負けることがあったなら、その時は前衛をお願い」

 

 その言葉に3人が頷くのを確認し、僕は前に出る。

 位置は姉さんの隣でいいかな。

 

「そろそろ大丈夫。加わるね、姉さん」

 

「待ってたよ。ユウ君」

 

 大丈夫。

 動きは大体把握できた。

 そして、今回は攻撃を回避しなくてもいいのだ。

 ならば、できるはずだ。

 

 一度深呼吸をして、ボスウルフへ向けて魔法銃を構える。

 

 

 

 まず1発目。

 ボスウルフは初めての攻撃に警戒を示したのか、狙い通りに避けてくれた。

 そして、リンカさんの攻撃が急所である目を掠る。

 よし、これで良い。

 少しは動きに支障が出るはずだ。

 

 2発目。

 ボスウルフは今度は視界が狭まったせいなのか、弾を避けずに当たった。

 いや、これはわざと当たったのかな?

 そうなると少し不味いな。

 魔法銃の攻撃力が低いことがばれてしまったかもしれない。

 

 3発目。

 やはり、当たりにくる。

 これは、先程当たったのはわざとだと考えていいだろう。

 それならば、少し早いが次の手を打とうか?

 いや、あと数発はこれでいこう。

 そうでなければたぶん失敗するだろう。

 

 4発目、5発目。

 3発目と同じく、当たりに来られた。

 だが、問題無い。

 次辺り、いってみよう。

 

 6発目。

 リンカさんの刀が急所に当たる様に撃つ位置を変えてみた。

 1回だけでも当たればいいかと思っていたが、どうやら無事に弾へと当たりに来て、リンカさんの刀を急所に受けていった。

 ありがたい。

 これで次からは行動に悩みが生まれるはずだ。

 

 7発目。

 念の為、もう1発だけ6発目と同じように撃っておいた。

 すると、まさかの同じ行動。

 これは、どちらだろうか?

 いや、今までの行動からここではこないと予想されたのかな?

 

 8発目。

 次は普通に当たる位置へ撃つ

 ボスウルフは予想通り避けてくれ、先にある刀を急所に受けていた。

 いや~運が良い。

 

 9発目。

 次は少し上向きに、だが、ギリギリ掠る位置へと撃つ。

 だが、ギリギリ回避される、

 これで良い。

 

 10発目。

 次は少し右上に、そして、今回は当たる位置へと撃つ。

 ボスウルフは再度ギリギリで避けたが、避けた先の前方は水の玉、後方は刀と酷い事に。

 どうやら、僕の攻撃に意識を取りすぎているようだ。

 うんうん、良いね。

 

 さて、まだだろうか?

 MPは無限ではないのだけど。

 

 11発目。

 何も考えずに当たる位置へ撃った。

 ボスウルフは避ける素振りすら見せない。

 あれ、もう気にしてくれないのだろうか?

 寂しいな。

 

 12発目。

 さて、そろそろ狙おうか。

 今回はボスウルフの目に当たる様に撃つ。

 ボスウルフは今回も避ける素振りを見せず、目に攻撃を受ける。

 ちゃんと気にしてくれないと寂しいじゃないか。

 

 さて、あと少しかな?

 

 13発目。

 そういえば、口の中は弱点なのだろうか?

 まあ、今回は先程と同じ目を狙うけどね。

 だが、流石にこれの2連続は受けてくれないようで、水の玉、剣、刀を全て急所以外に受けることで弾を回避した。

 気にしてくれて嬉しいよ!

 

 14発目、15発目。

 では、2発連射しようか。

 片方は口へ当たる様に。

 片方は右側へ当たらない様に。

 すると、ボスウルフは14発目は3種の攻撃を受けつつ避け、口に当たる位置へ飛んでいった15発目をさらに無理やりよけようとして、体勢を崩した。

 残念、狼さん。

 耐性崩すよりは弱点にでも受けた方が良いと思うよ。

 

 そして、時はきた?

 

「加勢する!」

 

 体勢を崩したボスウルフへと、刀、水の玉、剣、弾、矢が連続で吸い込まれていく。

 これは、もういいだろうか?

 

 そして、ボスウルフが体勢を戻したときには、HPバーは7割を切っていた。

 

 16発目。

 今回は難しいな。

 槍の人と、弓の人も攻撃に参加のようだ。

 槍の人の攻撃方法は先ほど見たが、まだ完全じゃない。

 今回は安全を考えて、少し上に掠る様に撃っておこう。

 だが、ボスウルフはその弾を無視し、他の攻撃を急所に受けないように避けた。

 流石にそう上手くはいかないか。

 残念。

 

 さて、そろそろいいだろうか?

 さらに攻撃に槍が2名、剣と盾が3名、弓が3名、魔法銃が1名、魔法職が3名加わるようなので、僕は休憩へと移ろう。

 

 背を向けず、牽制に弾を撃ちながら徐々に後ろへと下がる。

 そして、どうやら姉さんとアーネさんも休憩に移るようで、姉さんは魔法を撃ちながら徐々に後ろに、アーネさんは剣と盾の人と交代して盾を構えつつ後ろへと下がった。

 

 リンカさんはまあ、そのまま続けるだろう。

 多分、あのボスウルフは一番強い人を攻撃するのだろうから。

 そうでなければ、面倒くさい攻撃をしてくる他の3人に狙いを移していてもおかしくは無いだろう。

 まあ、あくまで今はだけどね。

 ゴーレムのようにHPが5割を切ったら何かしてくるかもしれない。

 気を付けておこう。

 

 

 

 さて、後ろに下がったところで、休憩を取ろう。

 水を少し飲んで、MP回復ポーションも使用しておこう。

 それにしても、アップデート後から喉が渇くようになった気がする。

 もしかして、各種調整に含まれていたのだろうか?

 まあ、今はそれは置いておこう。

 皆が頑張ってくれている内に休憩をしておかないとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ