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―――84―――

 ログイン後、さっそく南の森へと向かう。

 今日はいっしょに挑戦することもあり、姉さん達と一緒に移動することになった。

 

「皆さん、お久しぶりです。今日はよろしくお願いします」

 

「ぶ~。私達はタメ口で良いって言ったよね?」

 

 これは仕方が無いのです。

 

「ああ、そうか。アオちゃんとミドリちゃんならタメ口でも大丈夫だよ?」

 

「そうなのですか?」

 

「問題無い」

 

「大丈夫ですよ」

 

「そうか、分かった。ありがとう」

 

 これはありがたい。

 全員が同じならば問題は無いのだけど、1人でも許してもらっていない人がいる場合は僕としてはあちらが基本だからね。

 

 そして、やはりアオさんはあちらが素だったか。

 ミドリさんはフウさんと同じタイプだろうか?

 まあ、それはその内分かるだろう。

 

「じゃあ、改めて。久しぶり。今日はよろしく」

 

「よろしくね! ユウ君!」

 

「よろしくね!」

 

「よろしく頼むよ」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしく」

 

「よろしくお願いしますね」

 

 姉さんはログイン前に言っただろうに。

 まあ、いいや。

 とりあえず、3人を召喚だ!

 イナバはラビットで、ルビーはホークで、ログレスはパペットといつもの布陣でいいかな。

 

 やはりと言うか、イナバは人気です。

 そして、なぜかホークで召喚したルビーも人気です。

 鷹はそんなに人気が無いと思っていたが、そうでも無かったようだ。

 まあ大丈夫。

 今回は僕にはログレスが……。

 

 ログ……レス……。

 ログレスはリンカさんに人気でした。

 少し寂しいです。

 

 

 

「さあ、出発よ!」

 

 少しの時間3人が堪能された後、出発となった。

 と言っても、ログレスは堪能と言うよりは興味を持たれていた感じか。

 まあそれはいいんだ。

 それよりも、フウさんの腕の中にイナバが、アオさんの腕の中にルビーが収まっている。

 これは問題ではないだろうか?

 これから魔物が出現する草原に行くのだけど……。

 

 

 

 問題ありませんでした。

 戦闘するのは僕、ログレス、リンカさんです。

 まあ、試練前の準備運動と思っておこう。

 それに、魔法職に攻撃させてMPを消費させるのは良くないだろうからね。

 

 

 

「ユウ君、従魔はなかなか強いようだね」

 

「うん。同レベル同種族ならばまず負けないと思う。それに、こちらの方が低レベルでもゴーレム対ゴーレムは勝っていたかな。まあ、EXスキルの差があったけど」

 

「そうか。試練では期待しているよ。君にも、従魔にも」

 

「うん、期待してて欲しい。従魔には」

 

「君にも期待したいのだけどね。まあ、こちらも期待してもらっていいよ」

 

「リンカさんは既に期待の星だよ。そういえば、ボス格のウルフはどうだった? 姉さんからも聞いたけど、本人からも聞いてみたいな」

 

「そうだね……。とりあえず、そこらの魔物とは格が違う感じだよ。何というか、レベル差では無く、それ以上の差がある。西の神殿のゴーレムと比較してさえそう思えるよ。急所を狙っても確実に回避してくるからね」

 

「あれと比較して? それは不味いかな……。勝てる気がしないよ」

 

 しかも、リンカさんが急所を狙って確実に回避されるとなると相当強いのだろうね。

 ……もしかしてこれは能力が高いだけでは無く、AIも良いのだろうか?

 まあ、ボスだからAIが良くても不思議はないけどね。

 

「まあ、そんなに気負うことは無いさ。君ならば1対1に持ち込めば回避はできるはずだ。ログレスはちょっと厳しいかもしれないが」

 

 リンカさんの見立てでは僕でも避けきれるのか。

 それは嬉しい情報だ。

 だが、1対1に持ち込める気はしないけどね。

 

 まあ、ログレスが避けられないのは仕方が無い。

 それは想定済みだ。

 

「ログレスは元々回避型じゃないからね。まあでも、ログレスには切り札もあるから大丈夫だと思う」

 

「切り札?」

 

「ゴーレムがあるからね。残念ながら制限時間付きだけど」

 

「ゴーレムか。確かにそれならば大丈夫だろう。だが、制限時間付きか。できれば攻撃の要になって欲しかったのだけどね。聞いているとは思うが、防御力も高いのだよ。プレイヤーではよほど攻撃系統にステータスを割り振っていないと見えるレベルでダメージを与えるのは難しいだろうね」

 

 これは、リンカさんは筋力にかなり割り振っているのかな?

 そうか、リンカさんの腕ならば器用さは要らないのだろう。

 そう考えると当然筋力に割り振る量は多くなるわけか。

 

 そうなると、魔法はどうなのだろうか?

 

「魔法は?」

 

「確認してはいないが、魔法防御力も高いと見ておくべきだろう」

 

 まあ、分からないならばそう考えておくべきか。

 

「まあ、そうか。そうなると、やはり誰かが引きつけておいて、その間に周りのウルフを全滅させてから全員で攻撃するのかな?」

 

「そうなるだろうね。引きつけ役は私がしてもいいのだが、まあこれから行く先で決めるのだろう。選ばれればするが、他に最適なプレイヤーがいれば任せるかな」

 

「そうだね。おっと、魔物かな?」

 

 ログレスが魔物に気づいたようだ。

 話はここでいったん終了かな。

 あとは目的地に到着してからでいいだろう。

 

「それでは、続きは到着してからにしようか」

 

「うん」

 

 

 

 あれからは特に危険もなく、30分前には目的に到着した。

 その場所には30分前だと言うのに、かなりの数のプレイヤーが既に集まっていた。

 その手に持つ武器は剣、槍、斧、弓と様々だ。

 少し気になることもあるが、たまたまな気もするのでそれは置いておく。

 それよりも、嬉しいことに従魔魔法使いが1人いるようだ。

 と思ったら、見知った顔でした。

 まあ、嬉しいことに変わりはないのだけどね。

 いや、名前が違うじゃないか。

 これはどちらだろうか?

 ……そう言えばフレンド登録で分かるのか。

 そう思い、さっそく確認してみると、レオンの名前が無く、見知らぬシンゲンの名前が追加されていた。

 これは、名前を変更したのか。

 名前の元ネタはあの武将だろうか?

 そうだとしたら良い趣味だ。

 

 さて、布陣は……ウルフとホークか。

 ウルフは危なくないだろうか?

 

「皆さん、少し用事が出来たのでここで一旦失礼しますね。また後で」

 

「いってらっしゃい~」

 

 

 

「お久しぶりです」

 

「お、久しぶり。あの時はありがとうな。おかげで早い段階でホークが作成できたよ」

 

「それは良かったです。ところで、ウルフは危なくないですか?」

 

「ん? なぜだ」

 

「これから挑む試練はウルフの大群相手ですよ。間違えて攻撃される可能性が高いです」

 

「確かにそうだ、ありがとうな。ラビットに変えておくよ。それにしても、そっちはメタルパペットかい?」

 

「はい。北の神殿を利用すればすぐに集まりますよ」

 

「相変わらず情報を隠さないな。まあ、情報ありがとうな。丁度西の用も終わったし、次はそちらに行ってみるかな」

 

 西の用。

 つまり、あれだろう。

 

「ゴーレムですか?」

 

「良く分かったね。いや、持っているのか。そりゃそうか、俺よりも先を行っていた君なら当然か」

 

「まあ、西の試練で見た時から必ずと思いましたからね」

 

「そうだろう、そうだろう。やはり君とは気が合うな」

 

「そうですね」

 

 そして、なぜかお互い手を握り合った。

 

「2時になりました。説明を開始したいと思います。皆さん、こちらへお集まりください。周辺の警戒はこちらのパーティのものが行いますのでご安心ください」

 

 おっと、もうそんな時間か。

 

「それでは行きましょうか」

 

「ああ、行こうか」

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