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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
8/202

―――8―――

 受付の人と一緒に受付前まで戻ってきた。

 そういえば、アイテムの準備しないといけないな。

 ポーションとローブに……空白のカードもほしいな……。

 ポーションとローブは普通に買えそうだけど、空白のカードはどこで売っているのだろうか?

 

「すいません、空白のカードはどこで販売しているのでしょうか?」

 

「空白のカードでしたら、この建物入って左の売買カウンターで販売しております。その際ギルドカードをお見せください」

 

「わかりました。ありがとうございます。それでは失礼します」

 

 良かった、この建物で売っているらしい。

 ギルドカードを見せないといけないということは、従魔魔法ギルドの所属員限定なのだろうか?

 だとしたら、登録しておいて良かった。

 あのカードが無いと従魔魔法はほぼ使えないといってもいい。

 よし、早速準備しないと。

 売買カウンターを見てみると、少し列ができているようだ。

 やっぱり売買カウンターはいつでも人が多いのかな?

 お、最初はあそこに並ぶべきだな。

 そう思い、相談所という看板がかかった場所へ並んだ。

 

 ヘルプを見ながら待っていると、順番が来た。

 受付に座っているのは緑髪、緑目で爽やかな印象の青年だ。

 

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

「空白のカードと回復系のポーションとローブを購入したいのですが、値段と詳細等を知りたいです」

 

 相談というくらいなので、こういう質問をしてもで問題ないだろう。

 

「販売品の値段などでしたら、あちらの席に冊子が準備されております。予算をお教えいただければお勧めの組み合わせを提案もさせていただくことができます」

 

 そこまでしてくれるのか。

 少し急いでいるので、とてもありがたい。

 

「提案の方でお願いします。予算は2000サカフィです」

 

「それでしたら空白のカード1枚1000サカフィ。布のローブ500サカフィ。HP回復ポーション5個で500サカフィがよろしいかと思います。MP回復ポーションは予算上厳しいと感じましたため、含めませんでした。あとこれから町の外へ向かわれるのなら携帯食料は大丈夫でしょうか?」

 

 空白のカードは結構高いね。

 いくら初心者用とはいえ、防具の2倍は結構高いはずだ。

 だが、それ以上の価値は十分あるとは思う。

 いや、逆に最初で少し高い程度なら、後になるとすごく安いのではないだろうか?

 まあ、最初から高すぎても困るけどね。

 それと、携帯食料なんてものがあるのか。

 こちらは少し聞いておいた方がいいだろう。

 

「確かに町の外へ向かいますが、携帯食料ですか?」

 

「はい。町の外では食事をとる場所がありませんからね。空腹による能力の低下に備えて行くべきかと思います」

 

 このゲーム、空腹機能があるのか。

 ならば携帯食料は必須だね。

 少し多めに買っておこうかな。

 

「そうでしたか。ありがとうございます。携帯食料は1個いくらでしょうか?」

 

「1個当たり50サカフィとなります」

 

「そうですか……。ラッキーラビットの肉は1個いくらで売れますか?」

 

 現状で、他のアイテムを減らすのは厳しい。

 それに、空白のカードも1枚は買っておきたいのだ。

 もし、従魔魔法で2体目を召喚できたときに、魔物カードがありませんでは嫌だからね。

 なので、一番使い道が無さそうな肉を売却することにした。

 

「少々お待ちください…。現在多少品薄なため、1個当たり300サカフィで買取を行っています」

 

 おお!

 結構高いじゃないか!

 レアだからだろうか?

 

「ありがとうございます。ではラビットの肉を売却して携帯食料も買っておきます」

 

「はい。町の近くは比較的弱い魔物しか出ませんが、油断は禁物です。頑張ってください」

 

「はい、頑張ってきます」

 

 まずは買取受け付けに行き、ラッキーラビットの肉を5個売却した。

 価格は相談所で教えてもらった通りの1500サカフィをだった。

 そして、すぐに販売受付に行き、先ほど考えてもらった内容に加えて携帯食料を10個追加で注文し、2500サカフィを払い商品を受け取った。

 残りは1000サカフィだ。

 

 

 

 準備が終わったので、ギルドの外に出た。

 さっそく姉さんに連絡しないと。

 メニューからヘルプで確認した手順で姉さんにフレンドチャットを繋げる。

 ……おお、繋がったみたいだ。

 

 『姉さん、今大丈夫?』

 

 『大丈夫よ』

 

 『準備まで終わったからそっちに向かうね。今どこにいるの?』

 

 『南門を出て、南に少し進んだところかな』

 

 南門なら場所は大丈夫だ。

 問題はそこから先だけど、まあ南に進みながら探してみよう。

 

 『分かった。南門を出て南に進みながら探してみるね』

 

 『ちょうど休憩だから南門まで行くよ』

 

 これはありがたい。

 これで1人で魔物と戦う必要は無いかな。

 もし1人で戦って死んでしまったら、さらに時間がかかってしまい、申し訳ないからね。

 それにすれ違いで会えない可能性も防げる。

 

 『うん。ありがとう。急いで南門まで行くね』

 

 『待ってるね~』

 

 

 

 姉さんとのフレンドチャットを終了し、急いで南門に向かう。

 そういえば、ローブを買ったのだった。

 道中に装備を済ませておかないといけないな。

 そう思い、マジックポーチからローブを取り出す。

 とりあえず鑑定をしておこう。

 

 <防具:布>布のローブ

 ◇耐久値50 ◇回復回数3/3

 布で作成されたローブ。

 

 銅の魔法銃と同じ耐久値に回復回数だな……。

 もしかして、装備にランクみたいなのがあって決まっているのだろうか?

 まあ、それはいずれ分かるか。

 鑑定も終わり、ローブを装備する。

 といっても、羽織るだけなのだけどね。

 

 

 

 しばらく走ると南門についたので、門を出て、姉さんを探そうとしたところで、衛兵らしき人に声をかけられた。

 

「今から魔物狩りかい?」

 

「はい」

 

「そうか。今日は人が多いみたいだからな。近くの狩場は開いてないと思うぞ」

 

 まあ、そうだよね。

 何人ログインしているかわからないけど、皆今日始めたばかりだ。

 だとしたら近くの狩場が埋まってしまうのは当然だ。

 

「そうですか。情報ありがとうございます」

 

「いや、いいってことよ。頑張ってきな!」

 

「はい!」

 

 それにしても、現在の町近辺の状況を踏まえた会話までできるとは驚いた。

 もしかしたら会話専用の人が町の中にいたりするのだろうか?

 

 

 会話を終えて周囲を見渡す。

 姉さんはどこだろうか?

 

「お~い!こっちこっち!」

 

 声の聞こえた方を向くと姉さんがいた。

 いや、姉さん達がいた。

 周りに何人か人がいるようだ。

 あの人たちが姉さんの友達だろうか?

 

「お待たせ。こっちまで来てくれてありがとう」

 

「いえいえ~。ちゃんと準備してきた?」

 

「うん。準備も大丈夫だよ」

 

「それじゃあ、皆森の方まで行ってみる?」

 

 森か……まだ近くの魔物とすら戦闘したことが無いのだが、大丈夫だろうか?

 

「ちょっと待ってくれメル。先に紹介をしてくれないか?」

 

「そうだった!」

 

 そうだった!

 

「紹介が遅れて申し訳ありません。メルの弟のユウです」

 

「大丈夫だ。メルの友人のリンカだ。よろしく頼む」

 

「同じく友人のフウです。よろしくお願いします」

 

「同じく友人のアーネよ。よろしくね!」

 

 リンカさんは黒髪、黒目のキリッとした少女で、フウさんは緑髪、黄目のおっとりした少女で、アーネさんは橙髪、橙目の元気そうな少女だ。

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「紹介も終わったところで狩り場はどうする?」

 

「私はもう少し草原で狩りをするべきだと思います」

 

「私も概ね同意見だ。だが、入り口で戦ってみるくらいならいいとも考えている」

 

「私も森の入り口辺りがいいな!」

 

「ユウ君は?」

 

 はっきり言うと、森に行くにしても、一旦草原で試してみたい。

 ただ、今目の前には草原で狩りをした人たちがいるのだ。

 草原の魔物の強さを知っているだろうから、任せた方がいいだろう。

 

「僕はまだフィールドで狩りをしたことが無いのでお任せします」

 

「そうだね。とりあえず、森の入り口までゆっくり狩りをしていって、入り口手前で改めて決めない?ユウ君の実力もわからないし」

 

「私はそれでいい」

 

「私も!」

 

「私もいいですよ」

 

 流石姉さんだ!

 

「僕もそれでいいよ」

 

「決まりね!じゃあ、森の入り口へ向けて出発!」

 

 それにしても、姉さんのテンションが高い。

 さて、今の時間は16時少し前ということは、最高で残り4時間プレイできるのか。

 そういえば、森の入り口まではどれくらいかかるのだろうか?

 実はかなり遠くて、今日は町に帰らない予定とかではないよね?

 

「メル姉さん、森の入り口までどれくらいかかるの?」

 

「う~ん…。最短で30分くらいかな。狩りをしながらだと1時間くらい?」

 

「そうですね。それくらいは見ておいた方がいいと思います」

 

 うん、それなら大丈夫だろう。

 町に帰る計画のはずだ。

 まあ、仮に町に帰らないとしても異議を唱えはしないのだけどね。

 せっかく楽しそうな姉さんに水を差したくないからね。

 

「そうか。ありがとう。フウさんもありがとうございます」

 

「固いね!私たちもタメ口でいいよ!いや、タメ口じゃないとだめだよ!」

 

「え……。わかりました。じゃあアーネさん相手はタメ口で」

 

 少し考えてみたが、アーネさんは砕けた口調の方が話しやすいのだろう。

 ならば相手が話しやすい口調の方の方がいい。

 

「私もタメ口で頼む」

 

「私もお願いしますね」

 

 よく考えたら、当然な気がする。

 ただ、一応初対面なのだが……。

 いや、姉さんの弟だからか。

 それともゲームだからだろうか?

 まあ、あちらから言ってくれたのだ、タメ口でいこう。

 

「わかりました。皆タメ口でいくよ」

 

「うん!ありがとうね!」

 

 

 

「とりあえず、最初の相手は実力を見るためにユウ君1人でお願いね」

 

 これは当然だと思う。

 多分他の人は1人で余裕で草原の魔物を倒していくのだろう。

 まあ、チュートリアルの魔物が特別弱かったのでなければ大丈夫だとは思うけど、少なくともお荷物にならないように頑張ろう!

 

「うん。わかったよ」

20140917:修正

布のローブの鑑定結果に説明を記載し忘れていた為、追加しました。

また、鑑定の記載形式を変更しました。


20141026:修正

脱字を修正しました。


20140904:変更

魔物よりドロップする素材アイテムの名称を"魔物名を漢字にしたもの"から"魔物名"に変更しました。


20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140815:大幅修正

見直しも兼ねて、大幅に修正を行いました。

表現だけでなく、内容まで変更した箇所に関しましては、今現在1~18話のものをまとめて作成しておりますので、少々お待ちください。

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