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―――76―――

 「ログレス、この金属を使って、盾を作ってみてくれないか? 勿論、材料的に変えられるなら、他の場所も変えていい」

 

 そう言い、マジックポーチから第2類3種金属を取り出し、ログレスの前に置く。

 盾だけのつもりだったのだけど、盾にあの槍は使いにくいかもしれないからね。

 それに、イナバが作ってくれた体だけど、ログレスが実際に使用してみて、改善点があれば改善してほしい。

 

 ログレスの体が光り……。

 

 コロン

 

 え?

 突然光っていたログレスの体が、地面へと移動し、核が地面へと落ちた。

 そして、核を確認すると、8割近くダメージを受けている。

 

 「ロ、ログレス!? ストップだ!」

 

 地面に移動し、光が消えた金属が再度光り始めたが、それよりも回復だ!

 ポーションもかけよう!

 

 

 

 ふう、危なかった。

 まさか落下の際に体を作っていた金属に当たっただけで8割のダメージとは……。

 いや、それほどに弱点だと言うべきなのか。

 うん、気を付けよう。

 

 それにしても、普通に金属を追加するだけかと思ってたのだけど、まさか一度体を解体しないと作り替えられないなんて思わなかったよ。

 いや、憑依しているから作り替えられなかったのだろうか?

 うん、今度からは気を付けないと。

 

 「ログレス、体を作り替える際に一度解体解体しないといけないのに気づけなくてごめんね」

 

 そう言い、核を撫でる。

 すると、核と素材が光っては消え、光っては消えを繰り返している。

 そうか、早く新しい体を作りたいのか。

 邪魔をしてしまったかな?

 でも、あのHPは心配になるのだ。

 許してほしい。

 

 「では改めて、ログレス。新しい体を作ってみてほしい。体も武器も自分の好きなように作るといいよ。でも、盾は一応作っておいてね」

 

 盾だけは外せないけど、それ以外はログレスが一番いいと思うように。

 盾も使ってみて、合いそうになかったら無くしてしまえばいいからね。

 でも、まずは試してみないといけないから、1度は作ってほしい。

 

 目の前で光り輝く核と金属を見ながら、そんなことを考えていた。

 その2つの光りは、人の姿を形作っていく。

 その姿は、前のパペットとあまり変わらないように感じるが、光っているので完全には分からない。

 あれ?

 イナバの時はこんなに光っただろうか?

 かなり眩しいのだけど。

 いや、多分ログレスが頑張ってくれているからだろう。

 頑張れ!

 

 

 

 光りが消えると、そこには体と同色の槍と盾を持ったメタルパペットが立っていた。

 槍は以前持っていたものよりも短くなっており、盾を持っていても使いやすそうだ。

 長方形の盾は鎧騎士の盾を彷彿させる物で、縦は体の半分程、横は体を覆い隠す程の大きさがある。

 そして、体は一見変わっていないように見える。

 だが、細部が違うようだ。

 ログレスが実際に動いてみて、不満に感じたところを変更した感じだろうか?

 まあ、それは戦いを見てみれば分かるだろう。

 

 「お疲れ様、ログレス。少し休んでから、新しい体を確認してみよう」

 

 

 

 うん、分かる。

 あの盾は失敗だろう。

 どう見ても攻撃の邪魔になっている。

 多分、重たすぎてうまく動かせないのだろう。

 鎧騎士は軽そうに動かしていたところを見ると、やはりステータスにかなりの差があると見るべきか。

 それとも、別の理由があるのか。

 まあ、それは鎧騎士の魔物カードを作成してみれば多少は分かるだろうから、今はいいかな。

 

 とりあえず神殿へ帰って休憩をしようか。

 

 「イナバ、ルビー、ログレス。一旦神殿に帰って休憩しよう」

 

 

 

 さて、どうしようか。

 ログレスの戦い方を見ていると、突くだけならばある程度は問題なさそうなのだけど、薙ぎ払いや振り下ろし等がね……。

 いや、そもそも盾を持ちながら片手で薙ぎ払い等をするのが間違っているのか。

 よく考えてみたら盾を必要とする近接戦闘では、槍は使い難い。

 逆に盾を必要とする近接戦闘以外の攻撃ならば、相手は槍の射程範囲外だろう。

 いっそのこと、突く攻撃に特化したランスのような形状の武器を使ってもらおうか?

 うん、そうしてみよう。

 あと、盾はもう少し小さい方が良いかな。

 

 

 

 あ、作っておいた方が良いかな?

 うん、作っておこう。

 

 

 

 さあ、再作成の時間だ!

 そういえば、人形やゴーレムから1種類しか素材がドロップしなかったから、1種類の材料しか使えないと思っていたのだけど、試してみないと分からないよね?

 よし、早速試してもらおう。

 できないならできないで確認しておきたいからね。

 

 「さあ、ログレス。体を作り直そうか。それでね、ちょっと提案があるのだけど、まず、盾をもう少し小さくしよう。今の大きさだと盾に振り回されている感じが少しあるから。あと、これを参考に武器の形状を変えてみてほしい」

 

 そう説明しつつ、先程地面の土と持っていた水で作ったランスを渡す。

 この水は携帯食料と一緒に食べればまだましになることに最近気づいて買っていたものだ。

 今まで水を飲まないでも問題無かったから気付かなかったよ!

 

 「この武器は先がとがっていて、突きだけで攻撃する武器だよ。ただ、突きが槍よりも強力な代わりに、薙ぎ払い、振り下ろしはほぼ使えないと考えてほしい」

 

 この説明を聞いたログレスは、熱心に土のランスを見ている。

 やはり、この説明では難しいだろうか?

 それに、土のランスも上手いわけでも無いからね。

 

 

 

 少し待っていると、ログレスが納得したのか、頷いた。

 そこで、マジックポーチから第2類2種金属を取り出し、ログレスの目の前に置く。

 

 「ログレス、これも使ってみてくれる? 無理なようなら置いておけばいいから」

 

 ログレスは一目金属を見て、首を横に振る。

 どうやらダメらしい。

 

 「分かったよ。では、これは無しで体の再作成をお願い」

 

 そう言い、第2類2種金属をマジックポーチへとしまう。

 出していて、体を解体した時に核が当たってしまったらいけないからね。

 

 丁度しまい終わったところで、ログレスの体が光り出す。

 待っていてくれたのか、ありがたい。

 光るログレスの体は、地面へと移動して……キャッチだ!

 良かった、今回は何とか核をキャッチできた。

 

 そして、手に持った核を光りが消えた金属の近くの地面へと置く。

 すぐに光り出す核。

 光りは前回と同じく、人の姿を形作っていく。

 相変わらず、力強い光だ。

 

 

 

 光りが消え、目の前には灰色で光沢のある体と同色のランスと盾を持った、メタルパペットが立っていた。

 

 その手に持つランスは、僕が参考に作ったランスと瓜二つの形をしていた。

 その手に持つ盾は、以前の盾よりも少し小さくなっていた。

 

 ランスの長さは2メートル程だろうか?

 これならば、森の中でも十分に扱えるだろう。

 

 盾も先程の動きを考えれば、十分に扱えそうな大きさだ。

 あとは慣れるか、微調整をしていけば良いだろう。

 

 さあ、少し休んでから森で試してみようか。

 それで良かったらゴーレムへ、微妙だったならばもう1度考え直そう。

 大丈夫、時間はあるのだ。

 ログレスが満足いくまで試そう。

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