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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
6/202

―――6―――

「おお!ファンタジー風の町並み!」

 

 町に転送されて、初めに思った感想はこれだ。

 そう、ファンタジーの様には見える景色なのだが、何か違和感を感じるのでファンタジー"風"の町並みだと思ったのだ。

 まあ、ファンタジーに見えるので問題は無いのだけどね。

 さて、助言通りにギルドへ向かおうかな。

 ……ギルドへはどこにあるのだろう?

 うん、道に迷ったらまず現地の人に聞いてみるべきだ。

 でも、NPCでもそういう対応が可能なのだろうか?

 まあ、試してみればいいか。

 

「すいません。冒険者ギルドへ行きたいのですが、どう行けばいいでしょうか?」

 

「冒険者ギルドならここの大通りをまっすぐ歩いていくと噴水があって、その噴水の北西側にあるよ。ちなみにここが南門だから、噴水についたら左前方を目指すといい」

 

「ありがとうございます」

 

「いやいや、どうってことないさ」

 

 NPCの(多分)おじさんは親切に答えてくれた。

 このゲームのAIは凄いな!

 それとも、門の近くにいて初心者に道を教えるキャラクターだったりしたのだろうか?

 まあ、それは今考えてもわからないか。

 とりあえず、目的地のギルドは噴水の北西側にあるようだ。

 また混雑しないうちに行ってしまおう。

 それにしても何か忘れている気がする……。

 結構大事なことだったような……。

 まあ、ギルドに到着するまでには思い出すだろう。

 とりあえず、この大通りを真っ直ぐ進もう。

 

 

 

 大通りを進んでいると、プレイヤーらしき人を結構見かける。

 やはり皆、防具をつけてるな……。

 やっぱり防具は必要だっただろうか?

 う~ん……ローブがあったら買っておこうかな。

 

 オーイ

 

 でも、ポーションとかもいるのか。

 防具か回復薬か……いや、どちらも買える可能性もあるのか。

 足りなければ先程ドロップした肉や牙を売ればいい。

 問題は買い取ってもらえるかどうかと、買い取ってもらえたとしてもいくらになるかかな?

 

「おーい!後ろ後ろ!」

 

 もしかして僕を呼んでいるのだろうか?

 そう思い後ろを向いてみると、そこには見慣れた顔が存在していた。

 ……忘れてた。

 

「やっと会えた!チュートリアル時間かかってた?」

 

 忘れてたなんて言えない……。

 

「いや、そんなにかかってなかったんだけど、今混んでるから後から言ったほうがいいって言われて待ってたんだ」

 

「え?ああ、チュートリアルの人ね。えっと……キャラ名は……ユウ君か。呼びやすくていいわね!」

 

「ありがとう。それにしても、ちょっとテンション高いね。姉さん」

 

「ユウ君を見つけたら、皆と町の外に行く予定なの。だから今から楽しみなのよ!」

 

 皆と?

 ああ、姉さんと一緒にPTを組むと言っていた友達だろうか?

 だとしたら悪いことをしてしまった。

 

「そうだったの?僕のせいで遅れてしまってごめんね」

 

「いいよいいよ!これからギルド?」

 

「うん」

 

「じゃあ、その後で準備が終わったら一緒に町の外で魔物倒さない?」

 

「いいよ。だとすると……ギルドって結構時間かかった?」

 

「私の時は混んでたから2時間くらいかかったかな……」

 

 2時間もかかったのか……助言通りに待っていて良かった。

 

「そんなにかかるのか……」

 

「で、でも、今なら混んでないからそんなにかからないと思うよ。あとフレンド登録をしておかない?これをしておかないと、離れた状態での会話が難しいから」

 

 フレンド登録?

 うん、なんとなく見当はつくかな。

 

「そうなの?知らなかった……ありがとう。じゃあしておこう」

 

「うん!申請出しとくから登録しておいてね!」

 

「分かったよ」

 

「じゃあ、町の外にいるからね。登録や準備が終わったらフレンドの機能で教えてね」

 

 フレンドの機能についてはあとでヘルプを見ておいた方がいいだろうか?

 まあ、会話機能がすぐわかるようなら後回しでいいかな。

 

「うん。じゃあ登録行ってくるね」

 

「行ってらっしゃい。適当に魔物倒してまってるから、ゆっくりでもいいよ」

 

 これは早めに登録や準備を済ませて合流しないといけない。

 おっと、その前に申請を認証しておこう。

 姉さんの名前は……うん、姉さんらしい名前だ。

 

 

 

 駆け足で噴水まで行き、北西側にあるギルドを探した。

 えっと、あの大通りから入って、左前方だったかな?

 視線を左前方へ向けてみると、視線の先に冒険者ギルドの看板を掲げた大きめの建物が見えた。

 うん、あれだ。

 間違いないだろう。

 

 

 

 冒険者ギルドの中に入ってみると受付が複数個あり、どの受付にも人が少し並んでいた。

 そういえば今日登録した人って何人いたんだろう?

 まあ、姉さんが2時間待ったと言っていたのだからかなりの人数がいたのだろうことが予想できる。

 そうすると、12時の開始時間から多くの人が始めていたのか。

 うん、早くプレイしたい気持ちは同じだから良く分かる。

 さて、とりあえず一番人が少ない列に並ぼう。

 

 

 

 列に並び、少しすると順番が回ってきた。

 受付には銀髪、青目で人のよさそうな雰囲気をした中年の男性が座っている。

 

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

「ギルドへ登録を行いたいのですが」

 

「登録ですね。承りました。それではこちらの玉に触れたください」

 

「わかりました」

 

 その玉は直径20㎝位で半透明な青色をしていた。

 指示通りに玉に触れると、少し玉が光った後、すぐに光は消えてしまった。

 

「はい。ありがとうございます。少々お待ちください」

 

 あれで登録に必要な情報を取得しているのだろうか?

 なかなか凝っていることだ。

 

「お待たせしました。こちらがギルドカードになります」

 

 そう言って差し出されたカードを受け取る。

 カードは財布にも入れられるような一般的な大きさのカードで、銀色をしていた。

 おお、これこそファンタジーカード!

 

「このカードを紛失されますと再発行に10000サカフィかかりますので、ご注意ください」

 

 無くさないようにしないとね。

 

「また、様々な場所での証明等で利用できます。その他の注意点などはギルド内に設置してある冊子をご覧ください」

 

 うん、時間があったら見ておこうかな?

 いや、どうせ見ない気もする。

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

「それとですね、強制ではないのですが職業ギルドに所属をお願いしております」

 

 これがチュートリアルで教えてもらった職業ギルドか。

 でも、一応確認しておこうかな。

 

「職業ギルドですか?」

 

「はい。特定のスキルを持った方が所属でき、スキルに関する情報を教えてもらえます。また、所属員の間で情報交換をしたりその職業ギルド専用の依頼等を受けることができます」

 

 うん、間違っていないようだ。

 

「わかりました。どこで所属の手続きを行えるでしょうか?」

 

「職業ギルド専用の建物で手続きを行います。この建物を前に見て左隣が武器職ギルド、右隣にに魔法職ギルド、さらにその右隣に生産職ギルドがあります。本当は必要なスキル等の詳しい説明を行いたいのですが、今日は登録される方が多くご説明は致しておりません。その為、明日以降のご説明か、直接職業ギルドへ行き説明を受けていただくかになります。申し訳ありません」

 

 まあ、説明は分からない時に聞けばいいだろう。

 どうしても聞かなければいけない内容があれば、ここで省略することはありえないのだから。

 

「いえいえ、職業ギルドに行ってみます」

 

「ありがとうございます。それではこれで登録を完了です。これからよろしくお願い致します」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 さて、冒険者ギルドの登録は終わったけど、次は職業ギルドに行かないと。

 そうすると、条件のスキルが分からない今、所持スキル的に魔法職ギルドへ行くべきかな。

 確かこの建物の右隣だったかな?

 

 建物の外に出て確認してみると、先ほどの説明の通りの並び順でギルドが並んでいた。

 どのギルドか分かる様に看板が掲げてある。

 そして、その中から目的の魔法職ギルドへと入る。

 

 

 

 魔法職ギルドは冒険者ギルドより少し人が多かったが、混雑しているという程ではなかった。

 そして、冒険者ギルドと同じく受付が複数存在していた。

 そこでちょっと気になったのだが、他の受付より明らかに人が少ない受付が2つあった。

 それどころか、片方は人が並んでいない。

 うん、その受付の上の看板は見なかったことにしよう。

 

 とりあえず、看板に総合受付と書いてある受付の中で、一番人が少ない場所に並んだ。

 人が並んでいた為、少し待ち時間があったのだが、ヘルプのフレンドやPT、遠距離会話等を見て待っていた。

 どうやら遠距離会話ではなく、フレンドチャットという名称らしい。

 その機能は、フレンド限定だが、近くにいても遠くにいても、頭の中だけで会話をできる。

 また、全員がフレンド登録をしているという条件があるが、複数人で同様の会話を行えるようだ。

 さらに、PTの機能にもPTチャットがあり、PT内限定のフレンドチャットのような機能だった。

 

 おっと、調べているうちに順番が来たようだ。

 受付に座っていたのは赤髪、赤目でキリッとした感じの若い女性だ。

 それにしても、カラフルな髪とカラフルな目をしていていかにもファンタジーという感じがいいね!

 

「お待たせしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

「冒険者ギルドの方から職業ギルドへの所属を勧められまして。詳しい説明をお願いしたいです」

 

「承りました。まずこちらをご覧ください。職業と必要スキルの表になります」

 

 うん、どうやらメインスキルが各職業になっていて、そのメインスキル1つで条件を満たせるみたいだ。

 ここだと魔法スキルだけしかないが、他の場所もその系統のスキルだけのような感じだろうか?

 そして、武器系統の魔法銃は当然のように無かった。

 まあ、魔法銃ギルドに入りたければ、武器ギルドへ行けばいいか。

 

「その表で気に入った職業があればその職業で仮登録後、各職業受付でその職業の詳しい説明を受けられます。また、職業ギルドは複数の掛け持ちが可能です」

 

 掛け持ちも可能なのか。

 だけど最初から掛け持ちはやめておこうかな。

 色々と大変そうだから。

 ただ、後々はメリットを狙って掛け持ちをしてみるのもいいかもしれない。

 

「ですが、本登録後に短い期間で所属と脱退を繰り返しますとペナルティーが発生しますので、ご注意ください。ただ、仮登録の場合はまだ正式に所属していない為、脱退になりませんのでご安心ください」

 

 説明は仮登録で、そこでさらに興味を持てたら本登録してね、と言うことだろうか?

 まあ、本登録後には脱退にペナルティがあるようなので、本登録の際は真剣に考えないといけないな。

 

「本登録を行うためには各職業で一定の条件を満たす必要がございます。条件に関しましては各受付でご確認ください。また、細かな内容は当ギルド内にある冊子をご覧頂きますようお願い致します」

 

 冊子は気が向いたら見ることにして、やっぱりここは従魔魔法ギルドに登録しよう。

 最初から従魔魔法メインで行くつもりだったのだ。

 だったら、最初に入るギルドは従魔魔法ギルドがいい。

 

「従魔魔法で仮契約をお願いできますか?」

 

「承りました。それではギルドカードをお貸しいただけますか?ギルドカードを更新し、職業ギルドの情報を追加いたします」

 

「はい。どうぞ」

 

「少々お待ちください」

 

 どうやらギルドカードは冒険者ギルドと共通の物を使用するようだ。

 まあ、別々のカードだったら、それはそれで面倒そうだからありがたい。

 

「更新が完了しました。受付上の看板を目印に従魔魔法の受付へお願いします」

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

 ギルドカードを受け取り、さっそく従魔魔法の受付へ向かう。

次回、ついに従魔が!


20140911:修正

同じ内容を言っていた箇所があった為、1つを残し削除しました。


20140821:修正

一部地文を読みやすい様に変更しました。

PTウィスパーとなっていた部分をPTチャットに修正しました。

また、その説明の際ウィスパーチャットとなっていた部分をフレンドチャットに修正しました。



20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140815:大幅修正

見直しも兼ねて、大幅に修正を行いました。

表現だけでなく、内容まで変更した箇所に関しましては、今現在1~18話のものをまとめて作成しておりますので、少々お待ちください。

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