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※スマホの場合にサブタイトルが押しずらいことの対策について2
感想でいい案を頂きましたため、各サブタイトルを変更します。
いい案をありがとうございました。
「お疲れ様、イナバ」
神殿へと戻り、イナバをラビットで再召喚した後、イナバとルビーを撫でつつ休憩している。
それにしても、ゴーレムを倒したというのに、イナバには疲れた様子がないから驚きだ。
ルビーも時間が短かった為か、疲れた様子は無い。
連戦しても大丈夫そうかな?
いや、ここは休憩しておこう。
今日はかなり時間があるので、何度もゴーレムへ挑戦する予定だ。
今度通常個体が出てきたらルビーに任せてみるつもりだ。
勿論、強化個体は渡しません。
いや違う、強化個体は流石に危険だろう。
もう少し慣れてから挑戦してもらうつもりだ。
休憩も終わり、再度玉へと触れて専用フィールドへと移動する。
さあ、今度はどちらかな?
おわっ!
フィールドに移動した直後、待っていたのは突進してくる鎧の騎士でした。
慌てて右側に跳び、回避する。
僕のゴーレムはどこにいった!?
いや、目の前の鎧騎士がゴーレムの代わりのボスなのだろう。
そうとしか思えない。
再度振るわれる鎧の騎士の剣を今度は左側に飛んで回避する。
「イナバ、ルビー、森へ行って人形の相手をお願い!」
そう指示を出し、自分は鎧の騎士に識別を使用する。
<魔物>メタルゴーレム Lv6
ゴーレム!?
どう考えても形が違うだろう!
いや、今は戦闘に集中しないと。
攻撃するのはやめておこう。
できるだけ相手の動きを見ておきたい。
剣の相手はしたことが無いから難しい。
でも、今のうちにできるだけ慣れておかないと……。
今は大きく避けても次も避けられるからいいけど、その内強化されて、今の避け方では避けきれなくなるだろう。
その前に何とか……。
右から水平に振るわれる剣を、後ろへ飛んで避ける。
突き出される剣を右に少し動いて避ける。
右斜め下から振り上げられる剣を、左側に体を倒しつつ避け、後ろだ!
後ろに飛んで避けた後、一歩踏み込み振り下ろされる剣を右側へ飛んで避ける。
一体どれ程の時間が経過しただろうか?
鎧の騎士は盾を出した後は特に変化することもなく、攻撃を続けてくる。
もうこちらは疲れで集中が途切れそうなところ何とか持たせている状態だ。
そろそろ。
何か変化が。
無いだろうか……?
あ……。
気が付くと、広場のに戻っていた。
最後は足が上手く動かせなくなり縺れてしまって、上段から振り下ろしの直撃を受けた。
ステータスを見てみると、当然デスペナルティが付加されている。
これは今日はもう狩りは無理だな。
どうしようか?
幸いログインしてから4時間は経過しているようだから、ログアウトしようかな。
うん、そうしよう。
そして、明日のリベンジに備えよう。
ログアウトして、すぐに先程の鎧騎士の行動をまとめておくことにした。
体長が約2メートルで全身をメタルゴーレム……通常個体と同じ金属らしき鎧で覆っていた。
兜の目のあたり以外は1か所も内部は見えず、唯一見えた兜の目の部分も、内部は暗くてよく見えず、目の部分が赤く光っていることしか分からなかった。
武器は剣であり、特に奇抜な攻撃は行ってきていない。
強化前のゴーレムと比べて、1つ1つの攻撃は遅いが、全体的な行動は素早かった。
そして、問題は2時間程は耐えていたはずなのに、強化を行ってこなかった点だ。
あれは強化までの時間が長いか、若しくは時間で強化しないかだろう。
時間で強化しないとなれば……ダメージだろう。
あの攻撃を避けながらダメージを与える?
無理だろうか?
いや、できるはずだ。
2回目の強化を終えたゴーレム相手でさえ攻撃を行えたのだ。
それよりも遅い鎧騎士に攻撃をできないはずがない。
今回は甘え過ぎていたのだ。
ダメージを与えなくても、避けていればいずれは倒せると。
あそこまで姿が違うのだ、いくら同じ名称でも倒し方が同じとは限らない。
よし、今度は攻撃して倒すことを目指そう。
そして翌日。
ログインして早速、西の森の神殿へと向かう。
もし、今日も鎧騎士が出てきたら、昨日決めた通りに攻撃して倒すことを目指そう。
それ以外は昨日と同じでいいだろう。
イナバをウルフで、ルビーをホークで召喚し、広場を出発する。
昨日と同じく、西の森にはプレイヤーが多く、ほとんど魔物と出会うことは無かった。
昨日今日と道中で木ゴーレムを見ていないが、木ゴーレムはすぐに倒されてしまっているのだろうか?
まあ、今はいいか。
イナバをラビットで、ルビーをウルフで再召喚して、少し休憩しておく。
いきなり鎧騎士が出てきたら不味いからね。
休憩を終え、玉へと触れてゴーレムへと挑戦する。
今日の一番手はどのゴーレムだろうか?
通常個体でした。
「ルビー、ゴーレムの相手をしてほしいのだけど、大丈夫そう?」
イナバと同じ質問をしつつ、顔を見る。
イナバに負けずと劣らず自信に満ちた瞳は変わっていない。
ルビーは一吠えして了解を示してくれた。
2人を一旦送還し、イナバをウルフで、ルビーをラビットで召喚する。
「頑張ってね、ルビー! じゃあ、イナバはいっしょに森へ行こうか」
そう言い、イナバと一緒に森へと向かう。
今回、ルビーはラビットで挑戦してもらう。
ウルフは森で人形の感知をお願いしたいからね。
イナバの時と同じ位置で見守る体勢に入る。
「イナバ、人形の相手を少しだけ1人でお願い。少ししたら向かうから」
さあ、ルビー、頑張ってね!
ルビーも十分に回避ができている。
だが、イナバのように腕に乗ったり、頭へ登ったりはしないようだ。
イナバの方が回避が上手いのだろうか?
確実に攻撃を避け、体勢を整え、次に備える。
ルビーは堅実な回避が好みのようだ。
これなら任せても大丈夫だろう。
そう思い、イナバの待つ森へと入っていく。
「イナバ、今行くね」
約2時間が経過したところで、ルビーが森へと入ってきて、こちらへ寄って来た。
「今行くよ、ルビー」
ゴーレムに剥ぎ取りナイフを刺すが、核しか残らなかった。
大丈夫、まだ核がある……。
取り出した核を、ホークへと召喚しなおしたルビーに破壊してもらう。
そして、真っ二つになった核に剥ぎ取りナイフを突き刺す。
そっと近くに居るルビーの頭を撫で始めるのだった……。
20140908:修正
おかしな表現を修正しました。
分かりづらい部分を修正しました。