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―――48―――

 さて、イナバ達の休憩も十分だろうから、そろそろ次に挑もうか。

 

「イナバ、ルビー、次へ行こうか」

 

 そう言い、立ち上がったところで、突然光りの粒子が集まってきた。

 そして、光の粒子は人の形を作り終え、色が着き、人となった。

 そうか、こんな感じで転移していたのか。

 

「姉さん、今終わったところ?」

 

 とりあえず、突然目の前に現れた姉さん達に声を掛ける。

 どうやら今日は6人でパーティを組んでいるようだ。

 姉さんを含めた4人は前回と同じようなので、あの2人が前回居なかった友達だろうか?

 

「きゃ!え?ユウ君?」

 

 おっと、驚かせてしまったようだ。

 

「そうだよ。驚かせてごめんね」

 

「いや、いいけどさ。もうこっちに来てたんだね。これから挑戦するの?」

 

 挑戦とはボス戦だろうか?

 それとも、別に試練があったのだろうか?

 気になるから、確認しておこうかな。

 いや、その前に……。

 

「うん、そうだよ。遅れましたが、そちらの方は初めまして……ですよね?メルの弟のユウと申します」

 

「初めまして。メルのクラスメートのアオといいます」

 

「同じくはじめまして。メルのクラスメートのミドリといいます」

 

 アオさんは青髪で青色の目をしたお淑やかそうな少女で、ミドリさんは緑髪で緑色の目をした同じくお淑やかそうな少女だ。

 それにしても、残る2人はこの人達だったか。

 

「そういえば、姉さん。試練はどうだった?」

 

「実は試練は起こらなかったんだよ。そこの玉に触れたら場所が移動して、目の前にゴーレムだったよ。まあ、ゴーレムもリンカちゃんにかかれば、いちころだったけどね!」

 

「メル……あのな……」

 

「冗談冗談。事前に情報を貰ってたから、リンカちゃんにずっと避けてもらってたよ。でも、2回目の強化はしなかったかな」

 

 試練は無かったのか。

 ということは、試練は最初の1度だけ?

 後はボス戦だけできるような場所が残ったということだろうか?

 まあ、試練はどちらでもいい。

 問題は強化の方だ。

 

「そっちも2回目の強化はしなかった?」

 

「うん、しなかった。ということは、もう挑んだの?」

 

「1度だけね。こちらも2回目の強化は無かったよ」

 

 そう、こちらも2回目の強化は無かった。

 やはり、何か違うのだろうか?

 試練専用だったとかだろうか?

 でも、ゴーレムの識別結果は同じだったのだけどな……。

 いや、待て……。

 試練の時ゴーレムの核を識別してない!

 もしかして、ゴーレム自体は同じだけど核が違ったとかは無いだろうか?

 いや、確かドロップアイテムにゴーレム2型の核から入手したとあったから、ゴーレム2型の核が名前なのか。

 そうなると、今回のゴーレムは……。

 うん、核は識別してないね。

 ……次はしておこう。

 

「ユウ君、ちょっと聞いていいかい?」

 

「何?」

 

「ゴーレムを倒すまでに、どれくらい時間がかかった?」

 

「試練のゴーレムが約2時間で、さっきのゴーレムが……約2時間かな?」

 

 うん、正確な時間じゃないけど、これくらいだったと思う。

 

「やはりか……私達は3時間以上掛かっているんだよ。そうなると……」

 

「そうですね、パーティ人数によるボスの強化はありそうですね」

 

 そうなると、1人で行けば1時間で……そこまで差が出るだろうか?

 まあ、1人で行けば森から人形の大群に襲来して、ゴーレムと同時に相手をしなければいけなくなるから、僕が確認するのは無理だろうけどね。

 

「そうなると、検証しますか?」

 

 うん?

 検証?

 

「そうだな。メル、どうだ?」

 

「私はいいと思うよ。でも、あのゴーレムの攻撃を避け続けられるのはリンカちゃんだけだと思うんだけど」

 

「それは……メル、君でも大丈夫だと思うのだが?」

 

「無理だね。私はあそこまで集中は続かないよ」

 

「そうか……」

 

 そうかな?

 姉さんならいけると思うんだけどな。

 ……ああ、そうか。

 多分検証は2パーティに分かれて、倒せるまでの時間を計るのだろう。

 つまり、2人はゴーレムの攻撃を避けられる人がいるのか。

 そこで姉さんは僕に交流の機会を作ってくれたのだろう。

 ただ、言い出せないんだよな……。

 だって、別に3人と6人の時間は分かっているのだから、2人か4人で挑戦すればいいのだ。

 2パーティで行く必要は無いと思う。

 それに、これはあくまで僕の考えで、姉さんがそう考えているとは限らないからね。

 うん、放置だ。

 姉さんがこちらをチラチラ見ているのは気のせいだ。

 気のせいだ……。

 

 はあ……あ、そうだ。

 フレンドチャットがあったか。

 確か、こうして……。

 

 『ユウ君?何か用?』

 

 『姉さん、ありがたいけど、別に2パーティに分かれる必要は無いと思うよ』

 

 あ、この会話方法結構難しいな。

 発声せずに頭の中だけで念じるだけが、ここまで難しいとは思っていなかったよ。

 

 『そんな~。ユウ君がどれだけ成長したか知りたかったのに~』

 

 これは何か企んでいるな。

 だけど、否定する理由が無い……。

 

 『分かったよ。じゃあ、僕は従魔を2人召喚するから、姉さんだけこちらのパーティに入ってもらう形でいいかな?』

 

 『違うよ。検証だから従魔無しの同じ条件で時間を計らないといけないよ。もしかしたら従魔は含まれていないかもしれないでしょう?』

 

 確かにそうだ……。

 つまり、3人と4人のパーティに分かれるのか。

 

 『じゃあ、あと2人こちらに入るの?』

 

 『そうなると……じゃあ、アオちゃんとミドリちゃんが加わればちょうどいいかな?』

 

 『そうなの?』

 

 『アオちゃんが弓使い、ミドリちゃんは槌使いだからね。魔法職が分かれないと不味いでしょう?』

 

 確かにそうだけど……。

 あれ?遠距離職が2人になるんのでは……。

 いや、どうせ避ける人以外は人形相手なのだから、近距離職の方が良いのか。

 だから遠距離職側は1人多くなっていると。

 

 『あ、ちなみにドロップ配分は前回と同じね』

 

 『分かったよ。じゃあ、それで行こうかな。その代わり、姉さんから切り出してね?』

 

 『分かってるって。じゃあ、切るね』

 

 『うん』

 

 う~ん……やっぱり何か違和感があるな。

 

「皆!ユウ君がおとり役はやってくれるようだよ?」

 

 おとり役って……。

 いや、合ってるのか?

 

「そうか、ありがとう!ではパーティを分けるぞ」

 

「ユウ君は後で誘うから待っててね」

 

「分かったよ」

 

 あの2人、もしかしてフレンドチャットで会話してたのだろうか?

 何か決まっていたかのように会話をしていた気がするな。

 まあ、気のせいか。

 

 それにしても、久しぶりにイナバ達意外とパーティ組んで戦うのか。

 上手く連携できるだろうか?

 あ、今回は必要ないのか。

 そう思うと気が楽だな。

 

「よーし!決まりだね!じゃあパーティ組んでいくよ!私とリンカちゃんが申請していくね」

 

 ハイテンションだね。

 おかしいね。

 何を企んでいるのだろう?

 まったく分からない。

 

 あ、イナバ達送還しないとね。

 

「イナバ、ルビー、また後でね」

 

 そう言い、2人を送還しておく。

 これで準備完了だ。

 

「それじゃあ、パーティを組み終わったらすぐに挑戦するからね!フウちゃん、そちらが揃ったらすぐに玉に触れてね?」

 

「分かりました」

 

 おっと、パーティ申請が来たようだ。

 参加っと……。

 

 そして、すぐに視界が白に染まった。

 さあ、頑張らないとね!

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