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ステータス確認も終わったことだし、あの神殿に向かおう。
そう思い、西門へと向かう。
しばらく歩いたところで、もう1つの忘れていたことに気が付いた。
そう、スキルが変更できなかった理由だ。
試練の中ではわざわざスキル変更が可能と伝えていたな。
あれは試練の中ではできないのか、町の外だからできないのかどちらなのだろうか?
う~ん……。
よし、ヘルプさんだ!
歩きながらヘルプを確認したが、どうやら安全地帯以外では変更できないらしい。
安全地帯か……。
町の中はいいとして、町の外にも安全地帯が存在するのだろうか?
町以外に安全地帯が無いのでは、わざわざ安全地帯と記載せずに、町の中と記載するだろう。
まあ、今は町の外では基本的にスキルを変更できないと思っておけばいいかな。
また何か情報があればその時に考えよう。
そろそろ門についてしまうからね。
おっと、再召喚しないといけないな。
イナバをウルフで、ルビーをホークで再召喚した。
ホークで空から確認してもらわないと、場所が分からないからね。
神殿が見えてきた。
基本的にルビーに行先を示してもらい、魔物はイナバに感知してもらい避けながら進んだ。
町からの方向は分かったので、再度召喚しなおして魔物を倒しながら進んでも良かったのだけど、早く神殿を調べたかったのだ。
神殿が良く見える位置まで来たが、どうやら姉さん達はいないようだ。
これは何か仕掛けがあったと考えるべきだろうか?
まあ、今日調べる場所は決まっている。
そう、真ん中の台座と玉だ!
それ以外は前回調べたので、台座と玉を調べて何も見つからなかったら再度調べるつもりだ。
さて、それでは……触ってみよう。
だって、ねえ?
どう見ても触ってくださいって感じがするからね。
それに、今日なら死に戻りしても問題無い。
いや、念の為イナバ達には離れていてもらおうか。
「イナバ、ルビー、神殿の外で警戒をお願い」
よし、これでいいだろう。
それにしても、綺麗な玉だな。
情報が封印されていた玉とは大違いだよ!
イナバ達が神殿の外に出たのを確認し、玉へと触れる。
その瞬間、視界が白に染められた。
さらに景色は変化し、どこかで見たような草原へと移動した。
そして目の前には、全身灰色で金属のような光沢を放つゴーレムがいる。
すぐに、イナバをラビットで、ルビーをウルフで再召喚する。
これは、ボスの再戦なのだろう。
また楽しめるのだろうか?
あの時のような感覚を。
期待していいのだろうか?
いや、その前に僕が頑張らないといけないか。
さあ、始めようか!
とりあえず、識別をしておこう。
おや?
何かゴーレムの姿に違和感がある気がするが……。
まあ、今はいい。
<魔物>メタルゴーレム Lv5
うん、前回と同じレベルだな。
これなら無理さえしなければ勝てる見込みは十分あるだろう。
前回勝てたのだからね。
今回も頑張ろう!
おかしい……何か違和感がある。
ゴーレムの攻撃が遅い?
う~ん……確信できないな。
前回のボス戦でゴーレムの動きを見たから少し対応しやすくなっているのだろうか?
うん、それだと成長を実感できて嬉しいな。
うん、これはゴーレムの動きが遅くなっている気がする。
まだ強化前だからと言っても、ここまで余裕だとは……。
そうだ、魔法銃で色々と試してみようかな。
前回はチャージも試していなかったし。
そうしよう。
あれ?
そろそろ強化のはずなんだけど、強化してくれないな。
もしかして、個体ごとに強化タイミングかステータスが違うのだろうか?
まあ、強いほうが嬉しいけどね!
流石に強化が遅すぎる……。
まだ強化してくれない。
待ってますよ、ゴーレムさん?
きた!
強化きた!
だけど、これはまだ前哨戦。
本当の楽しみは2回目の強化の後だ!
やはり1段階の強化も余裕になっているな。
相手が少し遅いのと、戦闘経験があるからだろうか?
まあ、まだ2回目の強化がある。
おかしい。
目の前にゴーレムが倒れているのだ。
HPバーは勿論空になっている。
だが、2回目の強化を行っていないのだ!
楽しめなかった気がする。
いや、通常の魔物と比べれば緊張感もあって楽しいのは楽しいのだけど、やはりあの時と比べるとね……。
まあ、次に期待しよう。
さて、ルビーを呼ばないとね。
「ルビー!来てくれ!」
さて、ルビーが来るまでの間に剥ぎ取っておこう。
強化が無かった分ドロップアイテムに期待しよう。
……こんなのあんまりだ。
ルビーが来てくれたので、さっそくホークで再召喚を……。
あれ?
ルビーがきた途端に核を噛み始めた。
もしかして、前回噛みつきで破壊できなかったのが悔しかったのだろうか?
その気持ちは分かる気がするな。
うん、警戒はしておくから存分にリベンジしていいよ。
パキン
え?
警戒に向かおうとルビーに背を向けた瞬間、後ろから何かが割れる音が聞こえた。
早くない?
急いで振り向いてみると、ルビーと割れた核が視界へと入ってきた。
やはり、もう破壊したのか……。
でも、前回はとても歯が立たなかったと思ったのだけど?
もしかして、レベルアップした影響だろうか?
それにしては、少し強くなりすぎてないだろうか?
まあ、嬉しいのだけど少し気になるな。
もしかして、能力が足りてないから見えていないだけで、新たな能力を得ていたのだろうか?
うん、それが一番可能性が高いかな。
少しするとイナバが森の方から戻って来たので、核を剥ぎ取ってみる。
多分核を剥ぎ取った後、少し経過したら元の場所に戻されるのだろうから、皆揃ってからがいいだろう。
いや、早く戻って休憩するべきなのだろうか?
そうかもしれない。
そうすればイナバも無駄に走らなくて済むわけだし。
うん、次からはそうしよう。
さあ、何が出る?
……今回は散々な気がするよ。
そして、少し経過した時、視界が白に染まり、すぐに神殿の景色へと変化した。
やはり剥ぎ取った後、少し経過したら元の場所に戻るで合っていたようだ。
「イナバ、ルビー、お疲れ様」
そう言いつつ、足元に来た2人を撫でる。
連戦といきたいけど、休憩は必要だ。
2人も人形の相手を頑張ってくれたのだろうからね。
……あれ?
人形剥ぎ取ってないよ?
そうか、核を剥ぎ取る前に人形を剥ぎ取る必要があるのか。
次からは気を付けよう。
それにしても、2人ともノーダメージなのに驚いたよ。
確か前回は少しだけどダメージを受けていた気がする。
これもレベルアップの影響だろうか?
もう人形相手では余裕なのだろう。
ゴーレムの相手もしてみてもらおうか?
いや、それはさすがに危ないかな?
まあ、何事も経験だからね。
1人ずつ、見守りながら戦ってもらおうかな。
でも、そうすると人形の相手が1人になって大変か。
う~ん……どうしようかな。
まあ、とりあえず今日は今の方式でいこう。
何も急ぐ事は無い。
2人とも少しづつ成長していってくれればいいのだ。