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―――42―――

「姉さん、今大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

「ステータスが及ぼす影響が少し分かったから掲示板のステータス検証スレに書き込んでおいたよ」

 

「分かったわ。ありがとう」

 

「あと、水色の髪で青色の目をしたプレイヤーがやっている露店を見かけなかった?」

 

「……見かけてないわ。ちょっと待ってね、聞いてみるから」

 

 友達に聞いてくれるのだろうか?

 ありがたい。

 

「ごめん、皆見てないそうよ」

 

 まあ、そんな都合よくはいかないか。

 

「そうか……。聞いてくれてありがとう。あ、そういえば神殿はどうだった?」

 

「今西の森を進んでいるところ。昨日聞いた情報が役に立っているわ。ありがとうね!」

 

 おや?

 もう着いたと思っていたんだけど、狩りに熱中しているのだろうか?

 でも、まだ到着していないとなると……。

 

「それは良かった。僕も、もう少ししたら神殿に向かうから競争だね!」

 

「え!?負けないわよ!」

 

「うん、頑張って!」

 

 よし、これで神殿を優先するだろう。

 仮にあの神殿が試練を受ける場所だとしたら、あまり到着に時間がかかると最後までクリアできない可能性が出てくるからね。

 

 

 

 さて、どうしようか。

 う~ん……生産職に関係ありそうなところを探してみようかな。

 見つからなかったら見つからなかったで鍛冶屋で頼んでみよう。

 そうすると、探す場所に見当をつけないと……。

 

 

 

 よし、とりあえず生産職ギルドに行こう。

 そこから薬屋、木工屋、武器屋、防具屋、鍛冶屋の順番で回っていけばいいかな。

 見つからなかったとしても、最後の鍛冶屋で頼めるし、このルートでいいだろう。

 それぞれの場所は生産職ギルドで聞いてみよう。

 よし、それでは出発!

 

 

 

 ここが生産職ギルドか。

 初めて入ったけど、見た目は魔法職ギルドとあまり変わらないな。

 魔法訓練場の代わりに工房とかがあったりするのだろうか?

 あとは……依頼はどうなっているのだろうか?

 やはり生産職に合った依頼が出されているのだろうか?

 

 おっと、目的を忘れてしまうところだった。

 今はあの少年を探さないと。

 そう思い、ギルド内を見渡してみるが少年は見当たらない。

 とりあえず受付付近にはいないようだけど、奥にいるかどうか確認するにはやはり受付だろうか?

 うん、総合受付で聞いてみよう。

 

「お待たせしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

「人を探しているのですが、水色の髪で青い目をした少年が来ていませんか?」

 

「申し訳ありません、その情報だと多くの人が当てはまってしまいます。お名前をお聞きしてもいいでしょうか?」

 

 確かにその通りだ。

 よく考えてみたら、髪と目の色は変更できる部分なのだから沢山いても不思議じゃない。

 この情報だけでピタリと当てられたら逆に怖いな。

 名前、名前か……。

 あれ、思い出せない。

 ポーションの件が印象的だったせいで、名前が記憶に残らなかったらしい。

 うん、あくまでポーションの件が印象的だったからだよ?

 

「すいません、名前をど忘れしてしまいまして。今個々の施設を利用している人で当てはまる人はいませんでしょうか?」

 

「少々お待ちください。確認してまいります」

 

「お願いします」

 

 受付の人は近くの職員に代わりを頼み、確認の為に移動した。

 

 よく考えてみたら、これでは怪しい人な気がする。

 名前を知らず、容姿的特徴も髪と目の色だけしか知らない。

 あれ?

 いや、多分大丈夫だ。

 

 そんなことを考えながら少し待っていると、受付の人が戻ってきたようだ。

 

「お待たせしました。今現在施設を利用されている方で当てはまる方はおられないようです」

 

「そうでしたか。ありがとうございます」

 

 よし、他の場所を探しに行こう。

 そうなると、店の場所を聞かないといけないな。

 全て覚えられるだろうか……少し心配だ。

 

「あと、生産系の店の場所を教えてもらっていいでしょうか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「では、薬屋、木工屋、武器屋、防具屋、鍛冶屋の場所をお願いします」

 

「承りました。少々お待ちください」

 

 そう言うと受付さんは机の下から紙を取り出し、何かを書き始めた。

 どうやら内容は店の場所のようだ。

 口頭だと思っていたが、紙に書いてくれるのか。

 ありがたい。

 これで忘れる心配をしなくていい。

 

「お待たせしました。こちらになります」

 

「ありがとうございます」

 

 紙を受け取り、お辞儀をして受付を後にした。

 それにしても、確認してなかったのだけど、聞いた店は全て存在していたのか。

 ギルドにポーション等が売ってあるから薬屋辺りは無いかと思ってたよ。

 売っているものが違ったりするのだろうか?

 まあ、探しに行ったときに見てみればいいか。

 早速、ギルドを出て紙を頼りに薬屋へと向かう。

 

 

 

 ここがそうだろうか?

 看板も何もない。

 本当にここが店なのだろうか?

 最初見たときは民家だと思って通り過ぎかけてしまった。

 まあ、紙に書いてある特徴とも一致しているし、合っているだろう。

 

「お邪魔します」

 

 扉を開けて中へと入る。

 中に入ってみると、確かにここは薬屋だと確信できる。

 看板出せばいいのに……。

 いや、わざと出していないのだろうか?

 まあ、目的は別なのでそれはどうでもいいか。

 

 とりあえず、店の中を見渡してみる。

 棚にはポーションらしきものや、丸薬らしきものが並んでいる。

 あれは何だろうか?

 流石に勝手に鑑定を使用するのは気が引ける。

 

 それにしても、探していた少年はまだしも店主がいないというのは不用心ではないだろうか?

 まあ、奥にいるのだろうけど。

 

「すいません。誰かいますか?」

 

 奥へと向かって呼びかけてみる。

 すると、奥から長い耳が特徴的な金髪で緑色の目をした女性が現れた。

 これは驚いた、エルフだろうか?

 この町に来て初めて、ヒューマン以外の種族を見た気がする。

 まあ、今はそれはどうでもいい。

 

「はいはい~。どちら様ですか?」

 

「お邪魔しています。買い物では無くて申し訳ないのですが、人を探しています。ここ数日の内で、水色の髪で青い目をした少年がこちらを訪ねてきませんでしたでしょうか?」

 

「う~ん……来てなかったと思うな~。お仲間さん?」

 

 ここが一番確率が高そうだったのだけどな……。

 

「いえ、知り合いのようなものです。今回は依頼をしたく探しています」

 

「そっか~。力に慣れなくてごめんね~。頑張ってね~」

 

「いえいえ、こちらこそ何も買わずに質問をしてしまって申し訳ありません」

 

「いいよ~。別に売れなくても困らないし~」

 

 ん?

 どういうことだろう。

 NPCだから売れなくても問題が無いのだろうか?

 何か違う気がするな……。

 まあ、聞くわけにもいかないし諦めよう。

 

「ありがとうございました。では、失礼します」

 

「またね~」

 

 薬屋を後にして、木工屋へと向かう。

 棚の商品も気になったけど、それよりも店主さんが気になるな。

 何というか、不思議な雰囲気を纏った人だった。

 それに、売れなくても困らないという言葉も気になるな……。

 よし、今度今回の御礼も兼ねて商品を買いに来よう。

 そうすれば何かわかるかもしれないからね。

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