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―――41―――

 さて、次は図書館だ。

 報酬の正体を暴かないといけない。

 

 図書館へ行く途中にお腹が空いたので、屋台で肉串を買って食べておいた。

 掲示板を見ていて判明したのだけど、どうやら何も食べないで一定時間過ぎると、ステータスにペナルティが付くそうだ。

 最初は軽いペナルティだが、時間がたつにつれて大きくなっていき、最終的には死に戻りするようだ。

 今まではお腹が空いた状態が嫌だったので食べていたけど、これからペナルティを受けない為にお腹が空き次第、食料を食べることにした。

 できれば携帯食料は遠慮したい。

 肉串は美味しいからね!

 

 

 

「おはようございます。図書館を利用したいのですが」

 

「おはようございます。1000サカフィになります」

 

 朝早かったので、利用できない可能性も考えていたけど、どうやら大丈夫みたいだ。

 マジックポーチからお金を取り出し……。

 

「すいません。また来ます」

 

 そう言い、図書館を出てきた。

 そういえば試練の準備でお金は使い切っていたのだった。

 ギルドで少し木材を売ろうかな……。

 うん、そうしよう。

 

 

 

 ギルドで木材を少し売ってきて、懐も暖まったところで再度図書館に入る。

 どうやら木材はまだ価格が下がっていないようで、結構高く売れた。

 でも、明日から下がるんだろうな……。

 いや、生産メインのプレイヤーが買う可能性が高いのか。

 そうなると、プレイヤー同士の取引がメインになって、ギルドで売る人は少なくなるのかな?

 まあ、どちらにしても、残りは手土産用だから売らないけどね。

 

「先ほどは失礼しました。改めて図書館を利用したいです」

 

「いえいえ、構いませんよ。1000サカフィになります」

 

 これは心の中で笑われているな!

 でも、温かい目で見るような笑い方をしている気がする。

 これだと失敗を笑っているにもかかわらず、逆に好印象だ。

 流石司書さん!

 

 マジックポーチから今度こそ1000サカフィを取り出し、司書さんに渡す。

 

「確認しました。どうぞご利用ください」

 

 

 

「さあ、さっそく探そうかな!」

 

 

 

「どこにあるのだろうか……」

 

 この図書館は確かに分かりやすく区切ってある。

 だが、見つからない。

 関係ありそうな場所は全て調べてみたのだけど、見当たらなかったのだ。

 どうしようか?

 司書さんに聞いてみる?

 いや、多分無駄だろう。

 こちらも掲示板を見ていて判明したのだが、どうやらこの図書館の蔵書はプレイヤー毎に違うようなのだ。

 まだ条件は確定していないが、取得済みスキルや、スキルレベル、取得可能スキルで変化している説が現在は一番濃厚なようだ。

 その為、司書さんに聞いても、人によって異なる蔵書に対応してくれるとは思えない。

 他には……掲示板はどうだろうか?

 いや、そんな本が出ていたらもう少しステータスについて確定情報があってもおかしくない。

 だが、そんな情報はまだ書き込まれていなかった。

 まだまとめ途中の可能性もあるが、現時点では発見されていないと考えるべきだろう。

 やはり自分で探すしかないか……。

 よし、頑張ろう!

 

 

 

「あった……」

 

 まさかこんな場所にあるなんて……。

 まあ、そうだよね。

 本ではなくレポートとして収められていたらこんな場所にあるよね!

 

 そして、タイトルが『ステータス検証レポート1』ということは、2以降もあるということだろう。

 最初から全て教えてもらおうなんて甘い考えだったのだ。

 まあ、2以降も読めるように頑張ろう。

 

 さて、さっそく内容を確認してみよう。

 

 

 

 検証レポート短いな……。

 もうちょっと量があっても良かったのだけど……。

 まあ、量の事は置いておいて、大事な部分はここだろう。

 

 筋力  :物理的な攻撃力の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 生命力 :物理的な防御力の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 器用さ :様々な命中率の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 素早さ :様々な速度の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 魔力  :魔力攻撃力の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 精神力 :魔力防御力の上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 知力  :全てのスキルのレベル上昇。

      相性の良いスキルのレベル上昇。

 

 そう、レポート1のまとめ部分だ。

 

 相性の良いスキルのレベルが上昇するのか。

 そうなると、ステータスに差がある状態だと、スキルでもさらに差がついてしまうのか。

 その他の部分は、まあ大体予想通りだったかな。

 そう、知力以外は。

 なんと、知力は全てのスキルレベルが上昇するようだ。

 それに加えて、相性が良いスキルだとさらにレベルが上昇するらしい。

 

 これは……知力に全振りしようかな?

 いや、魔力も少しは……。

 器用さも上げていかないと、魔法銃の命中精度が……。

 

 

 

 結局のところ従魔魔法に影響を与えるステータスは無いということだろうか?

 加護でのステータス加算が従魔魔法は知力だけなのだ。

 そうなると、従魔はスキルレベルの上昇以外ではステータスからは影響を受けないのだろう。

 

 ならば従魔魔法を強化したいのなら知力に全振りすることが正しいのだろう。

 だが、その場合には自分は戦闘に必要なステータスが圧倒的に不利になる。

 まったく、良くできている。

 でも、僕が目指す先は自分も戦っていたいのだ。

 従魔だけに任せて戦闘を行うなんて御免だ。

 どうするか……。

 

 

 

 そうか、知力以外に少しだけ振るぐらいなら、知力に振ってステータス上昇系スキルで補った方が良いのか。

 でも、そうなるとスキル枠が足りなくなりそうだ……。

 いや、上げるステータスを1つか2つにすれば問題は無いのかな?

 勿論そのステータスに特化している人には負けるだろうけど、何も同じ土俵で戦う必要は無い。

 逆にどんな相手でも有利な土俵で戦えるのではないだろうか?

 うん、そうだ。

 手札を多く持つか、最高の手札を1枚持つかの選択なのか。

 そうなると、僕はこのゲームで何をしたい?

 そう、従魔魔法をメインにプレイしていきたいのだ。

 ならば従魔に合わせて手札は多い方を選択しよう。

 

 勿論従魔の手札が多いのだから、逆に最高の1枚を持った方が良いという考えもある。

 確かにそれは魅力的だとは思う。

 僕もドラゴンのような強敵を一撃で葬る一撃は憧れる。

 圧倒的な数の魔物を相手にしても、強力な魔法1発で殲滅してしまう魔法も憧れる。

 いかなる攻撃を受けても、耐えきる防御力にも憧れる。

 ただ1つ、刀だけを極める道にも憧れる。

 

 でも、それよりもいかなる状況でも、従魔と共に並んで戦いたい。

 水の中でも、空の上でも、物理攻撃が無効でも、魔法攻撃が無効でも。

 一つに極めてしまうと、それができないだろう。

 だが、手札を増やせばそれは満たせるのだ。

 ならばこちらを選ぶしかないだろう。

 

 ……それに、寂しくなっても多くの場所でPTに参加できるからね。

 

 うん、これからは知力に全てのステータスポイントを振っていこう。

 

 

 

 さてと、決心したところでこの情報は掲示板に書き込むべきだろう。

 みんな知りたい情報だと思うし、隠す理由も無い。

 スレは……ステータス検証スレでいいか。

 あと、ログアウトしたら姉さんにも伝えておかないといけないな。

 いや、そういえば今ログインしていたのだったか。

 ならばスレに書き込んだ後に、スレを見るように伝えておこうかな。

 そうだ、ついでにあの少年を見なかったかも聞いておこう。

20141007:修正

一部言葉を修正しました。

残滅→殲滅

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