表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
33/202

―――33―――

 休憩を終え、第2の試練へと挑戦する。

 

<それでは第2の試練の内容を説明する。第2の試練は回復草を100個集め、どこかにある祭壇へと奉納することだ。ただし、奉納の際に回復草以外の植物が混ざっていたら失敗とする。開始前にスキルを変更できるが、必要か?>

 

 スキルの変更か……回復草以外が混ざっていたなら失敗になるのならば鑑定は必須だろう。

 むしろその為に変更の機会があるのだろうから。

 いや、待て……もしかしてこれは鑑定は効果が無かったりしないだろうか?

 流石にここまで説明されて鑑定を所持しながら装備しない人はいないだろう。

 ならばこれは鑑定をつけさせる罠ではないだろうか……。

 あれ……こんなことで迷う必要は無いのでは?

 言われてはいないが絶対魔物は出現するだろう。

 だが、よく考えてみたら別に知力強化は外しても特に問題ない。

 ならば例え効果が無いとしても知力強化を外して鑑定を装備すればいいではないか。

 うん、それでいこう。

 

「変更します」

 

<分かった。変更が完了したら呼ぶがよい>

 

 早速、知力強化と鑑定を入れ替える。

 おお!

 本当にスキルの変更ができるのか。

 西の森ではできなかったのだけど、試練では特別なのかな?

 まあ、これは後で調べるので今はいいか。

 

 あとは……従魔を再召喚しときたいな。

 一撃で倒す必要が無いのならホークではなくラビットのほうが良いだろう。

 ただ、再召喚してもいいのだろうか?

 あくまでこの時間はスキル変更の為に与えられた時間だ。

 ならば聞いてみたほうが良いだろう。

 

「すいません、従魔を召喚しなおしてもかまいませんか?」

 

<それは許可できない。現在可能なことはスキルの変更だけだ>

 

 やはりできなかったか。

 できないのか、してはならないのかが少し気になるが、試して試練失敗になっても困るのでやめておこう。

 ならば他のスキルを変更する必要は無いので完了でいいかな。

 

「変更を完了しました」

 

<了解した。では第2の試練、開始!>

 

 早速、イナバとルビーを再召喚する。

 イナバはラビットに、ルビーはウルフに変更しておく。

 やはり先程再召喚をしてMP回復を待ちたかったな。

 召喚はかなりMPを消費するので、すぐに戦闘があるのならばあまり再召喚はするべきではないのだ。

 だけど、今回の場合はホークがいてもあまり役に立たない。

 ホークはあくまで相手が動いていないか動きが遅い場合に一撃で倒せるのであって、相手が動いていた場合は石を核には当てられないだろう。

 槍人形相手の場合ならば体当たりで攻撃できるが、反動ダメージを受けて従魔手当てで回復するくらいなら再召喚したほうが最終的に消費MPは少ないだろう。

 それにルビーにしなくてもいい無茶はしてほしくないし、そもそも石を削っている時間が無い。

 

 ルビーは再召喚が完了すると、すぐに森の一点を見つめ警戒し始める。

 どうやらもう魔物を感知したようだ。

 やはり魔物がいないなんてことは無かったようだ。

 そして、近づいてこないということはゴーレムではなく、人形だろう。

 良かった。

 そして、できればゴーレムはいないでほしいものだ。

 人形ならば回復草を探す前に倒してしまったほうが良いだろう。

 採取の途中に邪魔をされても嫌だからね。

 

 

 

 ルビーが感知した人形をすべて倒し、回復草の探索を開始する。

 

「イナバ、南の森で見つけてくれた回復草の場所は分かる?」

 

 イナバに聞いてみたが、どうやら分かるらしく移動を始めた。

 後についていくと、南の森で見た回復草と同じ見た目の植物が生えていた。

 だが、南の森と比べて数が少ない。

 これも試練の内なのだろうか?

 早速、回復草を可能な限り丁寧に採取する。

 流石に無いとは思うが、採取の方法が悪いと認められない可能性もあるかもしれない。

 そして、合っているとは思うが念の為に鑑定を使用しておく。

 ……鑑定を使用しておく。

 やはり効果が無かったか。

 ということは、この試練はあらかじめ回復草を知っていなければダメだということだろうか?

 いや、回復草を知っているではなく、回復草の形や色等の特徴も知っている必要があるのか。

 つまり鑑定に頼って特徴を覚えていなかったらこの試練は突破できないのか。

 それと、回復草以外が混ざっていたら失敗ということは複数の種類を大量に集める方法を禁止する意味があったのだろうか?

 良かった……採取した日が最近でまだ特徴を忘れていなくて。

 

 

 

「これで100個集まったかな?」

 

 マジックポーチを確認してみると、回復草は今の場所で採取したものを合わせて102個に達していた。

 全てイナバが場所を見つけてくれたのでかなり短時間で集められたと思う。

 さて、これで回復草の数は満たせたのであとは祭壇を探すだけだ。

 だが、その祭壇はどこにあるのだろうか?

 一応回復草採取の為に移動していた時も祭壇を探していたが、今まで回った場所にはそれらしいものは無かった。

 もしかしたら隠されていたりするのだろうか?

 まあ、そうだとしてもまだ行っていない場所を探したほうが効率がいいか。

 そう思い、まだ行っていない場所から探すことにした。

 ただ、少し心配な事がある。

 実は祭壇はゴーレムが守っていますとか無いよね?

 

 

 

 暫く探していると、無事祭壇を見つけることができた。

 祭壇は隠されていることもなく、ゴーレムに守られていることもなく普通に存在していた。

 やはりこの試練の肝は、鑑定無しで回復草を見分けられるかどうかだったのだろう。

 あとは回復草を効率よく見つけて集めないと、総合的に時間が足りなくなるとかだろうか?

 まあ、イナバが感知できるのでそちらは心配してはいなかったが。

 

 早速祭壇へと回復草を100個ちょうど奉納する。

 100個と言っていたのだ、残りの2個は貰っても問題ないだろう。

 

<第2の試練のクリアを確認した。流石だ。次は第3の試練に移る。準備はいいか?>

 

 どうやら無事クリアできたようだ。

 さらに少しながら褒めてもらえた。

 嬉しい。

 ただ、第3の試練に移る前に休憩を挟みたい。

 2人とも連続した移動と人形との戦闘で疲れているだろう。

 さらにイナバは感知まで行ってくれていたのだ。

 

「休憩を取りたいので少し時間をください」

 

<分かった。いい判断だ。準備が完了したら呼ぶがよい>

 

「イナバ、ルビー、少し休憩しようか」

 

 そう言い、その場に座り込む。

 2人もそれに続き、近くで休憩を始める。

 今回は第1の試練の時ほど疲れていないようで、眠らないようだ。

 

 それにしても僕はイナバがいたから良かったけど、プレイヤーで薬草を感知できるスキルなんて持っている人はいるのだろうか?

 それとも、ラビットを召喚できる従魔魔法使いがそれにあたるのだろうか?

 今のところラビットを召喚する能力と高攻撃力があれば試練は両方とも突破できると思う。

 あとは……事前に人形の弱点を知っているか、あれだけの数の人形を相手に勝てる実力のどちらかが必要か。

 それと回復草を判別できるだけの知識は必ず必要だろう。

 そうなると西の森だけを探索していても、試練は突破できないようになっているのだろうか?

 西の森でもイナバに回復草の場所を探してもらったのだが、回復草は見つからなかった。

 まあ、イナバが感知できていない可能性もあるのだけど、南の森でできて西の森でできない理由が今のところ思いつかない。

 別にその場所以外にも行っていないと突破が難しい試練があっても不思議ではないからね。

 

 さて、次の試練はどんな試練なのだろうか?

 そろそろボスが出てきてほしいのだけど……。

20140906:修正

誤字を修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ