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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
30/202

―――30―――

「やった……勝った!」

 

 あの難攻不落とも思われたウッドゴーレムに勝利した!

 境界線にゴーレムが引っかかって追いかけてこなくなった時に逃げなくて良かった。

 いや、それよりもイナバとルビーがいてくれて良かった。

 イナバがゴーレムを引きつけてくれていたから、ルビーが核を壊してくれたから勝てたようなものだ。

 もしかして核は一定以上の力を与えて破壊状態にもっていかないとダメージはほぼ無いのだろうか?

 でも、ルビーが壊せる手段を持っていて良かったよ。

 そうでなければいくら核を見つけ出しても、最終的には逃げることになっていただろう。

 

 さて、ゴーレムを倒したことだし待望の剥ぎ取りの時間だ!

 そして、ゴーレムに剥ぎ取りナイフを刺しに移動しようと思ったが、ふとあることが気になり移動を止めた。

 もしかして、この核も剥ぎ取れるのではないだろうか?

 いや、識別が使用できたということは、こちらも確実に剥ぎ取りできるだろう。

 問題は片方を剥ぎ取ってしまうともう片方が消えてしまうのではないかということだ。

 人形は先に本体を剥ぎ取っても、武器を剥ぎ取ってももう片方が消えることは無かったが、ゴーレムはどうだろうか?

 もし、核がゴーレムを作り出していたとしたら核を剥ぎ取るとゴーレムは消えてしまうのではないだろうか?

 それとは逆にゴーレムを剥ぎ取ったら核が消えてしまうのではないだろうか?

 ここまで倒すのに苦労したのだ、できるだけ両方剥ぎ取りたい。

 どうしようか……。

 いや、悩んでいてもしょうがない!

 ゴーレムから剥ぎ取ろう。

 それで核が消えてしまったら運が悪かったと思っておいて、次は核から剥ぎ取ればいいのだ!

 

 ゴーレムの場所まで移動して、ゴーレムに剥ぎ取りナイフを突き立てる。

 ゴーレムは消滅し、その場にはアイテムが……何もドロップしなかった。

 大丈夫だ、まだ核の方がある。

 そう思い、核を見てみると消えることなく存在していた。

 良かった……ここまで苦労してドロップ無しは流石に辛いからね……。

 

 今度は核の場所まで移動して、剥ぎ取りナイフを突き立てる。

 核は割れてはいたが、大きな破片があったのでそれに突き刺した。

 核が消えて……紫色の石が落ちている。

 おお!

 良かった……ドロップしてくれた……。

 さっそく鑑定……は外していたか。

 そういえば、町の外でスキルを外すことはできるのだろうか?

 よく考えてみれば、何も町の中以外でもスキルを変更すればよかった。

 魔物に襲われて危険だからと思い、町の中だけに限定していたのだが魔物がいない場所でなら十分変更できる余裕はあるだろう。

 何故気が付かなかったのだろうか……。

 まあ、今気づけたので良しとしておこう。

 そう思い、メニューを開きスキルの変更を試みる。

 だが、スキルは変更できなかった。

 あれ……なぜだろう?

 一瞬ヘルプで確認しようかと思ったが、ここは魔物が出る森の中。

 どう考えても危険だ。

 それに今すぐ必要なことでもないので町に帰ってから調べてみよう。

 紫色の石をマジックポーチにしまい、その場に座り込む。

 

「イナバ、ルビーお疲れ様。少し休憩しようか」

 

 そう言い、周囲を警戒しながら休憩を取ることにした。

 

 

 

 十分休憩したのでさらに奥へ進むことにした。

 ゴーレムの倒し方もわかったので奥へ行っても問題ないだろう。

 目標は奥にある暗闇の壁を見てくることだ。

 

 

 

 かなり奥まで進んできた。

 ゴーレムは核の位置さえわかれば脅威ではないので、先ほどの方法で核の位置を割り出している。

 ただ、土の中だけではなく、木の中や人形の中にあるということもあり、大変苦労した。

 木の中はまだマシだったが、パペットの中なんて予想できようか。

 偶々逃げた後に追ってきたパペットを倒したら出てきて本当に良かった。

 あれでパペットが隠れていたら、見つからず諦めていたと思う。

 だって、核の位置が動くのでは今の方法では場所を特定できないからね。

 

 そして、人形に関してだけど、木の上から奇襲してくるものまで出始めた。

 奥に進むほど人形はAIが強化されていくのだろうか?

 まあ、ルビーが事前に感知してくれていたので問題は無かったが、感知が無ければ気づかぬうちに大ダメージを受けてしまい撤退を余儀なくされただろう。

 それどころか死に戻りもあったかもしれない。

 いや、矢ですら一撃だったのだ死に戻りが濃厚だろう。

 

 そして、現在目の前に見たことのある暗闇が広がっている。

 これがここのエリアの暗闇の壁なのだろう。

 さっそく触れてみようかと思ったが、実は条件を満たしていて、いきなり戦闘になっても困るのでしっかりと休憩を取っておくことにした。

 掲示板を見たかぎり条件を満たしていそうなんだよね。

 確信は無いのだけど。

 

 

 

 十分休憩を取り、HPとMPも全快したので暗闇の壁に触れることにした。

 さて、今回はどうなるだろうか?

 

<試練への資格を満たすものよ、汝には時が足りない。時を満たして来るがよい>

 

 どうやら条件自体は満たせていたようだが、時が足りないか……。

 まあ、ログイン可能時間のことだろう。

 となると、明日一番に魔物を無視してできるだけ早く来てみようかな。

 うん、今日はできるだけ早くログアウトすることにして明日に備えておこう。

 そうなると、掲示板に情報を書き込むのは挑戦した後にしたほうが良いだろう。

 もし書き込んだ時間が原因で挑戦できなかったり、試練の時間が足りず失敗したりしたら嫌だからね。

 よし、今日はもう町に帰って、アイテムの準備だけしてログアウトしてしまおう。

 

 

 

 あの後、町へと急いで帰ってきた。

 帰り道はルビーに感知してもらい、できるだけ戦闘を避けたのだが、それでも途中でゴーレムや人形は現れたのでゴーレムは無視し、人形は逃げきれないので倒してきた。

 それでも日が沈む前に帰ってこられたのは、やはりルビーの感知が大きかったと思う。

 ログアウトする前にギルドへ向かい、MP回復ポーションを1個とHP回復ポーションをできる限り補充しておいた。

 これでもう手持ちは無くなってしまったが、試練に挑むのだ。

 できる限りの準備はしておきたい。

 

 そして、準備も終わったので西の門の近くへと移動し、ログアウトした。

 明日はもしかしたら初めてのボス戦になるかもしれない。

 そう思うと、明日がとても楽しみだ!

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