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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
26/202

―――26―――

 さらに2時間ほど経過した。

 森の奥へと進んでいるのだが、ウッドパペットを警戒しないといけない為、慎重に進むのであまり距離を稼げていない。

 さらに、ウッドパペットの弱点を知るまでの時間はほとんど奥へは進んでいないので、全力で魔物の相手をせずに走ってこられれば門からここまで30分とかからないのではないだろうか?

 それに強気で進めないのにはもう1つ理由がある。

 まだ、ウッドゴーレムを確認できていないのだ。

 もしかしたらウッドゴーレムはラビットでもウルフでも感知できないかもしれない。

 なので、今は慎重に警戒をして進むしかないのだ。

 

 

 

 さらに少し森の奥へと進んできたところで、ルビーが突然止まった。

 

 ドス ドス ドス

 

 これは流石に分かる、ウッドゴーレムだ。

 

 ドス ドス ドス

 

 どうやら、ウルフだとウッドゴーレムも感知できるようだ。

 良かった、感知できるのならもう少し進行速度を上げても大丈夫そうだ。

 

 ドス ドス ドス

 

 だんだんと足音が近づいてきている。

 ……もしかして、ゴーレムもこちらを見つけているのだろうか?

 ならば、ルビーと同等程度の感知能力があると見ておくべきだろう。

 

 少し進んだ後、念の為に木に隠れて待っていると、ついにその姿が現れた。

 大きい!

 初めて見た感想はこれだった。

 そのゴーレムの体長は最低でもウッドパペットの2倍はある。

 そして、その体はウッドパペットと同じく、周りの木と同じ模様の木材でできているようだが、その規模は大違いだ。

 これは……欲しい!

 是非とも魔物カードが欲しい!

 だが、その為にもまずは倒さなければいかない。

 このゴーレムをだ。

 多分攻撃を受けたら一撃で死んでしまうだろう。

 だが、動きは人形に比べて遅いようなので、これなら回避は十分可能だろう。

 ならば、前に出て戦っても問題ないかな。

 おっと、その前に認識を掛けてた後、あれを確認しておかないと。

 木の陰から顔をだし、ゴーレムを認識する。

 

 <魔物>ウッドゴーレム Lv2

 

 レベル2か……。

 できれば最初はレベル1が良かったが、こればかりはしょうがない。

 次にゴーレムの表面を見ていく。

 だが、文字のようなものは見当たらない。

 やはり、そう簡単な弱点は作っていないのだろうか?

 まあ、まだ後ろ側は見えていないし確定ではないのだけどね。

 よし、それじゃあ戦闘開始だ!

 

「イナバ、ルビー回避を優先して戦ってくれ!」

 

 2人に指示を出し、木から飛び出した。

 どうやら遠距離攻撃は無いようなので、隠れている意味は無いだろう。

 まず、魔法銃でゴーレムの頭を撃ってみる。

 ゴーレムは回避せず、弾をそのまま頭に受けたがダメージは無い。

 それどころか傷すらついてないようだ。

 これは人形よりもかなり硬いと見るべきだろう。

 イナバやルビーも攻撃をしたら逆にダメージを受けてしまいそうだ。

 

 ゴーレムが近づいてくるまでに両手、両足、胴体と魔法銃を撃つが、やはりダメージは無い。

 いや、もしかしたらダメージはあるのかもしれなが、HPバーでは確認できない。

 そして、ゴーレムがかなり近づいてきたところで、イナバが横の木のから出てきて体当たりをする。

 体当たりはゴーレムの足に当たったがダメージは確認できない。

 それどころか悪いほうの予想通りに、体当たりをしたイナバがダメージを受けている。

 幸いにもダメージはかなり低く、すぐに回復する必要はなさそうだ。

 

 ゴーレムも何もせずに受けるだけではなく、イナバに対して蹴りを放つ。

 イナバは何事もなかったように回避したが、ゴーレムの蹴りは予想以上の速度を持っており、かなりの威力が予想される。

 やはり全ての攻撃が必殺の威力を持っていると認識して動いた方がよさそうだ。

 

 ゴーレムがイナバに蹴りを放ったことで、ゴーレムの後ろ半分を確認できた。

 だが、やはり文字は確認できない。

 イナバがゴーレムの攻撃目標になっているうちに、もう半分も確認しておきたい。

 そう思い、すぐにゴーレムの後ろ側へと移動を開始する。

 それと同時にルビーに指示を出しておく。

 

「ルビー、今は攻撃はしないでいい!様子を見ておいてくれ!」

 

 イナバはこちらの思惑が分かっているのか、ゴーレムから離れすぎず、攻撃を回避している。

 その攻撃はほとんどが蹴りで、偶に踏みつけが混ざっているようだが、イナバは全て回避している。

 イナバが引きつけてくれていたおかげで、すぐにゴーレムの後ろ側に移動することができた。

 そして、急いで表面を確認するが、やはり文字は見当たらない。

 これで少なくとも表面に分かりやすい弱点は無いことが分かった。

 

「ルビー、もう攻撃してもいいよ!でも、回避優先でね!」

 

 ルビーに指示を出して、ゴーレムの背後に魔法銃を連射していく。

 ゴーレムがこちらに狙いを変えるまでにできるだけ背後への攻撃のダメージを確認しておきたい。

 両腕、両足、胴体、頭と攻撃を行うが、どれもダメージは確認できない。

 そして、ゴーレムはこちらを振り向こうとしたが、そこにルビーが飛び掛かり、爪で攻撃を加える。

 こちらもダメージは確認できなかったのだが、攻撃した箇所の表面に少し傷がついている。

 おお!

 これで表面には傷をつけることができると分かった。

 人形と同じく内部に弱点がある可能性も出てきたわけだ。

 だが、傷をつけることができるのはルビーだけだ。

 これではたとえ内部に弱点があったとしても、とてもではないが弱点までたどり着けない。

 他に表面を破壊できる方法は無いだろうか?

 

 傷をつけられたからなのか、ゴーレムはこちらに振り向くのをやめ、ルビーへと振り向く。

 そして、蹴りを放つがルビーは既に蹴りの範囲外だ。

 

 もしかしたら、1発では表面を削れていなくても、何度も攻撃をしてダメージを蓄積させれば破壊できる可能性は無いだろうか?

 そう思い、ゴーレムの横から魔法銃で1か所を集中して攻撃する。

 だが、一向に破壊できそうな気配はない。

 イナバも足を重点的に体当たりしているが、こちらも破壊できそうな気配はない。

 その間にも、ルビーが爪で攻撃をしてゴーレムに傷をつけていく。

 

 これは1度で傷をつけられなければ傷はつかないと考えるべきだろうか?

 

 さらに攻撃を続けていくが、やはり何も変化はない。

 ルビーの攻撃も傷をつけることはできるが、ダメージ自体は無いのだ。

 僕とイナバの攻撃に至っては傷すらつけられていない。

 これは一旦逃げて落ち着いて考えたほうがいいな。

 幸いゴーレムの移動速度は速くないので、全力で走れば十分に逃げられるだろう。

 

「イナバ、ルビー一旦退却だ!着いて来て!」

 

 2人に指示をだして、軽く走るような速度でゴーレムから離れ始める。

 そして、2人が追い付いてきたのを確認して全力でゴーレムから逃げ出した。

20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140816:修正

誤字を修正しました。


ご覧頂きありがとうございます。


一気に修正分を更新したかった為、かなり間が空いてしまいましたが、明日からは元の更新速度に速度に戻せそうです。

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