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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
23/202

―――23―――

「さて、この後はどうしよう」

 

 もう少し露店を見て回ってもいいのだが、非常に魔石を集めに行きたい!

 先程掲示板を見ていた時に判明したのだが、実は他の方角の門から出たエリアではまた違う魔物が出てくるようなのだ。

 ならば従魔魔法使いとしては、未知の魔物の魔石を集めたくなってしまう。

 それに新たな魔物ってワクワクするからね!

 よし、残りの時間は南以外のエリアの近場で狩りを行うことにしよう。

 時間が少なくなって町に戻ってきた時に露店巡りの続きはすればいい。

 さて、そこで問題となるのが、どの方角のエリアに行くかなんだけど……西に行こうと思う。

 理由としては、北や東と比べて人が少ないみたいだからだ。

 出てくる魔物はウッドパペットとウッドゴーレムのようなので、多分勝てるだろう。

 これで金属ゴーレムとかだったら多分行かなかったと思う。

 理由は、今持っている魔物カードではどう考えても金属系相手にはダメージが通りにくい。

 いや、通らないかもしれない。

 魔法銃はダメージが通るだろうが、それだけではソロと何ら変わりなく効率が圧倒的に悪い。

 それだったら人が多くても他のエリアの方がいいだろうからね。

 まあ、仮に金属系ゴーレムだったとしても、東エリアには行く気はなかったのだけどね……。

 よし、行先も決まったことだし、早く向かわないと時間が無くなってしまう。

 

 

 

「お疲れさまです」

 

「ありがとよ!今から狩りかい?」

 

「はい」

 

「そうか。頑張れよ!」

 

 西門の外の衛兵さんに声をかけてみた。

 衛兵さんは結構あちらからも話しかけてきてくれるので、こちらからも声をかけることが多い。

 このゲームのAIは優秀なので、その内一緒に魔物狩りに出かける依頼があったり……いや、さすが無いか。

 

 さて、西の門から見た景色は、森だった。

 一面森である。

 南エリアのような草原は無く、出てすぐに森が広がっている。

 南エリアの森よりも密度が少し高いようだが、多分大丈夫だろう。

 ただ、夜は何か対策を取らないと木々の密度が高いので、月が出ていても厳しそうだが、今日は夜にはログアウトしているし問題ないか。

 さて、空の魔物はいないということだったけど、念のため初回は対策をしておこうかな。

 そう思い、ウルフで召喚していたルビーを一度送還し、ホークで再召喚する。

 よし、さっそく新たな魔物を見に行こう!

 

 

 現在位置は町の中央の広場だ。

 何が起こったのだろう?

 広場に強制転送されたということは、どうやら死に戻りしたのだろうか?

 そう思い、ステータスを確認してみると結構大きなマイナス補正が付いていた。

 うん、これは死に戻りで間違いなさそうだ。

 ということは、問題はどんな攻撃を受けたかが全く分からない点だ。

 死に戻りの前の状況は、森に入って少し歩いていたが全く魔物が出ず、さらに奥を目指して歩いていたところだった。

 う~ん……分からない。

 うん、こういう時こそ掲示板だ!

 

 

 

 掲示板で情報を探したところ、どうやら弓矢による攻撃を受けたようだ。

 どうもウッドパペットは各種武器を持っており、隠れて奇襲してくるのが常のようだ。

 そして、どうやら同じ状況にあったプレイヤーがいたみたいで、その人が情報を書いていた。

 どうやってその攻撃を知ったのかと思ったが、どうやらPTを組んでいたらしく、PTメンバーが教えてくれたようだ。

 そうだよね、普通PT組むもんね。

 

 ということは、何か対策を取らないといけないわけか。

 一番簡単に思いつくのは気配察知系のスキルを取得する事なんだけど、そんなスキルなかったんだよね。

 それに、イナバが気づいていなかったのも少し気になるな。

 南の森ではイナバは魔物の存在を感知していたようだけど、今回はできなかった。

 つまり、感知系スキルが効かない可能性もあるわけで……。

 う~ん……明日までに考えておこう。

 どうせ今日はデスペナルティで狩りには行けないのだし。

 うん、そうしよう。

 

 そして、ちょっとイナバの感知能力に頼り過ぎていたかもしれない。

 別に頼るのは良いと思うのだが、頼りきりになってしまって、自分が何も警戒しないのではダメだろう。

 何か自分用の感知方法を考えないといけないな。

 まあ、こちらは一朝一夕でできるものでは無いので、次に森に入るときはいつもより注意深く確認する事くらいしかできないけどね……。

 

 

 

 そうすると、今日の残りの時間は何をしようか……。

 やはり、元の予定通り、露店を巡ろうか?

 まだ目当てのものも見つかっていないし、そうしようかな。

 場所は……さっき行っていない場所ならどこでもいいかな。

 そう思い、気の向くまま足を進めることにした。

 

 

 

 おお!あった!魔法銃だ!

 露店をいくつか巡ったところで、目当ての1つであった魔法銃を発見した。

 ある理由からもう1丁ほしかったんだよね。

 これであれができるかもしれない……。

 さて、あとはお金が足りるかどうかだ。

 少し緊張しつつ、その露店へと歩いて行った。

 

 

 

 <武器:魔法銃>銅の魔法銃

 ◇耐久値50 ◇回復回数3/3

 銅でできた魔法銃。安価で生産しやすいが、壊れやすく性能はあまりよくない。

 

 魔法銃の鑑定結果を確認してみるが、これはもしかしなくても初期ギフトでもらえる魔法銃ではないだろうか?

 この露店の店主を注視してみると、頭上に名前が表示された。

 やはりプレイヤーだったか。

 普段はあまり使用しないのだが、町の中でプレイヤーを注視すると頭上に名前が表示される機能がある。

 この機能は掲示板を読んでいた時に偶々見つけたものだが、町の中ではプレイヤー以外はあまり装備をしておらず、装備の有無でプレイヤーかどうか分かる為、あまり使う機会が無い。

 だが、この店主のように露店中は装備を外しているプレイヤーもたまにいるため、こうして気になる露店の店主だけは確認することにしている。

 まあ、この機能を使ったのはまだ2人目なのだけどね。

 

「すいません、これはもしかしてギフトで貰えたものでは?」

 

「ああ、そうだよ。分かるということは、君も魔法銃を貰ったのかい?」

 

「はい、貰いました」

 

「そうか。それは大変だね」

 

 大変?何のことだろうか?

 

「大変とは?」

 

「もしかして、君はメインでは魔法銃を使用していないのかい?魔法銃だが、弾は曲がるし、威力は低いし、特にMP消費量が酷くてすぐにMPが無くなるわで、とても使い難いんだよ。しかも同じPTの剣や弓と比べるとどうしても見劣りしてしまってね」

 

 確かに弾は曲がるし、威力も低いが、遠距離武器はそんなものでは無いだろうか?

 それにMP消費についてはあまり連射さえしなければ十分に持つと思うのだけど?

 

「そんな理由でメインスキルを弓に変えることにしてね。それで売りに出しているんだよ」

 

「そうでしたか。それは確かに大変と思われるかもしれませんね」

 

「だろう。ところで君はこの魔法銃に興味を持ったということは、欲しいのかい?」

 

「はい、実は購入をしたいと考えています」

 

「そうか。だったら少し安くしようじゃないか。実は売れなくて困っていたんだ。掲示板でもあまり評判がよくないから誰も買わないのだろうね」

 

「ありがとうございます。では購入させていただきます」

 

「こちらこそありがとうよ。これで弓が買えるよ!」

 

「それは良かったですね。新しい武器は最初は難しいでしょうけど、頑張ってくださいね」

 

「おう!」

 

 そんなに魔法銃って人気ないのか……。

 いや、新しく魔法銃を取る人が少ないのかな?

 まあ、そのおかげで他の露店で売っていた銅の剣の半額まで値引きしてくれたのだ。

 嬉しいような悲しいような状況である。

 まあ、素直に喜んでおこう。

 さて、魔法銃の方は無事に購入できたことだし、あと1つの方もこの調子で見つかってくれるといいのだけど……。

 そんな思いを抱きつつ、次の露店へと向かっていく。

 

 

 

 結局あの後も探していたのだが、目当てのものはどの露店にも売っていなかった。

 さらに露店巡りついでに店舗も見ていたのだが、どこにも売っていなかった。

 どうしよう……まあ、じっくり探すしかないか……。

 ログイン限界時間まで、あと30分はあるけど、今日はもうログアウトしようかな。

 うん、そうしよう。

 どうせ何も思いつかないし、こういう時は少し時間を置いた方が良いアイデアも思いつくだろう。

 それなら、明日の狩りの時間を増やしたほうがいい。

 明日は西の森にリベンジしないといけないから、時間は多いほうがいいからね!

 ミミクリーバタフライ?

 後回しだ!

 流石に魔物も見えずに死に戻りというのは悔しいので、先に西の森を攻略しようと思う。

 良し、明日も頑張るぞ!

20141210:修正

誤字を修正しました。


20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140810:修正

一部文章を読みやすいように修正しました。

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