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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
21/202

―――21―――

 図書館を出てまた広場のベンチに戻ってきた。

 図書館でスキルを確認しようかとも思ったが、なんとなく座ってゆっくりと確認したかったのだ。

 

 さて、付加術を取ろうと決意したのは良いのだが、付加術を現時点で取得できるのだろうか?

 確か初めに見た時にはなかったと思うのだが…。

 まあ、今の時点で取得できないようなら、生産系でのスキルポイントの使用は今回は保留しておこう。

 

 ……おお、良かった。

 いつの間にか取得可能なスキルがいくつか追加されており、その中に付加術もあった。

 なにかしら条件を満たせば取得可能なスキルが増えるのだろうか?

 まあ、今は付加術の取得だ!

 

 付加術を取得し、残りのスキルポイントは4。

 今後増えたときの為に3は残しておきたいので残り1つまでは取得できる……けど、その前にスキルを装備する枠が余ってない。

 付加術は町の中専用でいいとして、戦闘時はもう決まってるから新しく取得しても装備する枠が無いのか。

 となると取得するとしても町中専用ということになる。

 う~ん…何か良いスキルがあったかな?

 まあ、一応もう一度取得可能なスキルを確認しておこう。

 さっきは付加術だけを探してたから、他のスキルはじっくりは見てないんだよね。

 なにも良いスキルが無ければ今回は保留にしておこう。

 

 

 

 いまいち惹かれるスキルが無かったので保留にしようかな。

 知力強化を取得して、ステータスポイントを知力に振らず、知力の影響を検証してみたいとも思ったけど、スキルの装備枠に空きが無い。

 スキル装備枠に空きがあれば取得していたのだけど…。

 どうにかならないかな?

 

 

 う~ん……あ!

 鑑定って町の外ではいらないのではないだろうか?

 町の中で鑑定をすればいいような気がしてきた。

 まあ、始めていく場所だったら必要かもしれないけど、1度行った場所ならば必要ないのではないだろうか?

 うん、知力強化と鑑定を交換だ!

 

 他にも識別も最初の1度だけでいいかもしれないかと考えたのだけど、識別のレベル上げの条件は多分魔物の識別数だと思うので、今回は町の中でもレベル上げもできそうな鑑定の方を外した。

 鑑定は町に持ち帰った素材を鑑定してレベル上げればいいと思うからね。

 

 

 

 さて、スキルの確認も終わったことだし……空がもう明るくなってるね。

 集中してて気が付かなかった……。

 この時間ならもう露店も結構出ているだろうか?

 うん、出ている気がする。

 主に朝から狩りに行く冒険者を狙った露店辺りが。

 よし、なら昨日できなかった露店巡りをしよう!

 

 

 

 う~ん……あまり興味を惹かれるものが無いな……。

 やっぱり魔法銃を使用する人は少ないのだろうか?

 剣とか槍とかは結構見るのだが、魔法銃を一向に見ない……。

 新しい魔法銃ほしかったんだけどな……。

 その他にもアクセサリーが結構な数が販売されているのだけど、いまいち買う気にならない。

 多分ステータスが上昇しますよ的な説明は鑑定で見えるのだが、高いのだ。

 買えないことは無いのだが、他に良い物があるかと思うと躊躇してしまう値段と説明文なのだ。

 

 その為、今は主に魔法銃を探しながら露店を巡っている。

 この露店は剣か……剣のスキルを取得していれば……。

 そして、その露店は遠目で見ただけで次の露店へと移動を開始する。

 次の露店はどこに……ん!?

 視界の隅に魔物のウルフを連れた、いや、従魔のウルフを連れた人が映った。

 ここ町の中だよ!?

 いや……ちょっと考えてみれば分かったことじゃないか。

 町の中で従魔を連れていてはいけないなんて誰も言っていないじゃないか!

 そして今、彼が従魔を街中で連れているということは問題ないということ。

 よし!さっそく召喚だ!

 そう思い、さっそくイナバをラビットで、ルビーをホークで召喚する。

 イナバは足元に寄って来て、ルビーは肩に……って痛い痛い!

 

「ルビー、ごめんね。肩に乗られるとちょっと痛いんだ。だからウルフで再召喚するね」

 

 ルビーを一旦送還し、ウルフで再度召喚する。

 よし、これなら大丈夫だ!

 

 そんなことをしていると、先ほどの従魔を連れた彼が近づいてくる。

 ん?どうしたんだろうか?

 

「そこの君!君も従魔魔法を取得したのかい?」

 

 どうやら自分と同じ従魔魔法を取得しているのを見て、興味を持ったようだ。

 確かに3日目になるけど従魔を連れた人を見たことが無い。

 ……あれ?そこまで従魔魔法って人気ないのかな……。

 

「初めまして。確かに私も従魔魔法を取得しました。従魔を連れているところを見るとあなたも取得したのですか?」

 

「ああ、俺も取得したよ。最初の加護も従魔魔法を選んでる。魔物使いはやっぱりロマンだ!」

 

 ロマンなのか……いや分かるけどね!

 

「ロマンですね。あなたとは気が合いそうだ」

 

「俺も気が合うと思ったよ。ところで君は……ああ、すまない。挨拶がまだだったな。初めまして、俺はレオンだ。同じ従魔魔法使いとしてよろしくな!」

 

「ユウと申します。よろしくお願いします」

 

「ところで、君は従魔を3種類召喚できるようだが、もうそんなに魔石を入手したのか?できれば効率の良い入手方法を教えてもらえると嬉しいのだが……すまない、初対面で情報を教えろなんて失礼だったな。従魔を2匹も連れているのを見て焦ってしまっていたよ」

 

「いえいえ。ですがそこまで魔石のドロップ率悪いですか?ちょっと確認してみます」

 

 そんなにドロップ率悪いのかな?

 そう思い、手持ちの魔石の数を思い出す。

 ……少ない!よく考えたら一番多いウルフの魔石すら、魔物カードの完成に必要な10個すらそろって無いじゃないか!

 チュートリアルでレア魔物の魔石を集められた僕は運が良かっただけか。

 

「すいません、確かにドロップ率悪いですね。一番多いウルフですら10個に達していませんでした」

 

「そうだろう。でも君はすでにウルフ、ラビット、そしてホークまでも魔物カードを完成させている。つまり効率よく魔石を集める方法を知っているんじゃないかと思ったんだ」

 

「そうでしたか。ですが残念ながら知らないのですよ。私の魔石はチュートリアルの時に特殊な方法で集めたものでして」

 

「チュートリアル?あの最初にラビット1匹と戦ったやつか?」

 

「はい。チュートリアル終了後に町に行く前、解説者の人に止められませんでした?」

 

「いや、止められなかったが」

 

「そうでしたか。あなたはチュートリアルのクリアが早かったのでしょう。私はどうやら遅かったようで、今はギルドが混んでるからと引き留められまして。そこでその場で待つことにしたのですが、待っている間暇だったので、試しにチュートリアルの魔物と戦えないかと聞いてみたところ連戦できたのですよ。そして、どうやらレアな魔物は魔石のドロップ率が良かったようで、無事5個以上集まっていたというわけですよ」

 

「そうだったのか……悔しいな。そんな大事なイベントを逃していたなんて。だが、教えてくれてありがとうな!次そんなイベントがあったら逃さないようにしないと!」

 

「どういたしまして。少し気になるのですが、ウルフの魔石が集まったということはラビットも集まったのではないですか?」

 

「ん?確かにそうだが、それがどうした?」

 

「いえ、だったら2人目を召喚しないのかと思いまして」

 

「ああ、そうか…実はまだ2匹目を召喚できないんだ。実はウルフもさっき召喚したばかりでな」

 

「そうでしたか。私の時は従魔魔法がレベル3になった時には2人目を召喚可能でしたので参考にしてください」

 

「おう。情報ありがとうな!」

 

「どういたしまして」

 

「それはそうと、もうその3種類を召喚できるってことは、魔石が余っていたりしないか?」

 

「確かにまだ余っていますが」

 

「そうか!だったら、もしよかったらホークの魔石を売ってもらえないだろうか?実は今森を進んでるんだが、ホークの奇襲が辛くて、そこでこちらもホークを召喚して対抗しようかと思ってな。勿論金は出せる限度まで出させてもらう。足りなかったら素材も出す。どうだろうか?」

 

 ホークの魔石か……確かにホークがいない状態でホークを相手にするのはつらいだろうな……。

 でも、付加術に使えるから余っているとは言えないんだよね……。

 ただ、数少ない従魔魔法使いの同志?が困ってるから、助けたいんだよね。

 ……よし、売ってあげよう。

 彼よりも僕の方が集めるのも簡単だろう。

 だったら、ここは売ってあげて、また集めに行けばいいじゃないか!

 それに初めて自分以外の従魔魔法使いに会えて気分もいいからね。

 

「分かりました。2個しかありませんが、お売りしましょう。ただ、対価はお金ではなく、魔石でお願いできますか?できればミミクリーバタフライで、なければウルフかラビットでお願いします」

 

「おお!ありがとう!だが、ミミクリーバタフライはまだ見たことも無いんだ。だからウルフかラビットでお願いする!こちらはウルフ3個とラビット3個でどうだろうか?すまないが、今は魔石はこれだけしかない」

 

「それで大丈夫ですよ。ただ、3個も頂いてもいいのですか?」

 

「そうか、ありがとう!数の方は大丈夫だ。それどころかこれでも少ないかと思っているところだ。それくらい今の俺にはホークの魔石は価値がある。安心して受け取ってほしい」

 

「分かりました」

 

 僕としては1個対1個の交換でも良かったんだけどね。

 まあ、無理にこちらを不利にすることもないか。

 

「交換ありがとうな!あとは頑張って集めるよ!」

 

「頑張ってください。次会うときはホークも一緒ですね」

 

「ああ!そうだ、フレンド登録をしてもらえないだろうか?従魔魔法使いは珍しいから是非ともこれからも情報交換したい」

 

「分かりました、フレンド登録しましょう。これからもよろしくお願いしますね」

 

「ありがとう!では、またな!」

 

 彼はそう言い、手を振りながら去って行った。

 とりあえずこちらも手を振り返しておいた。

 

 さて、露店巡りの途中でギルドに寄って町で従魔を召喚しておいていいか聞いておかないと。

 多分彼は確認していない気がする。

 だって、召喚したばかりと言っていたからね。

20141210:修正

誤字を修正しました。


20140819:修正

字下げをするように修正しました。

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