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182/202

182―ダンジョン-22―

 移動中、水中をレベル3のクラゲが漂っていたので魔歌を試してみた。

 結果は病み歌、射止め歌ともに5分程歌っても効果無し。

 水上から使用した場合に水中の相手には効果が無い可能性も考えたが、レベル1のムレウオには効果を確認できたので水中でも効果はある様だ。

 どうやら今確認できているクラゲ系の魔物に魔歌は効果が無い、あるいは効力が低いと考えてよさそうだ。

 

 

 

 20体目を撃破したところで8個目の魔石を入手したので一旦神殿へと戻って来た。

 先に7個渡してそこから登録が可能になるまで追加充填してもらっても良かったのだけど、マイさんが浮きクラゲ狩りを手伝ってほしいと言った目的に気づいてない訳では無いからね。

 そして早速、マイさんは充填を完了して魔物カードを作成した。

 問題はここから。

 

「……良かった。ユウ、登録できたよ」

 

 どうやら条件を満たしていたようだ。

 そうなると条件は何だったのだろう?

 核への攻撃、一定時間内に倒す、一撃で一定以上のダメージを与える辺りが可能性が高いのかな。

 まあ次に登録する機会があっても、同じ方法を行えば登録できるので問題無いか。

 

「おめでとう。それではさっそく召喚してみる?」

 

「そうだね。そうなると……ミーはここまでの間に頑張ってくれたから、次はタマにお願いしようかな。ミー、ありがとうね」

 

 そう言いマイさんはミーの頭を撫でた。

 それを眺めていると、イナバが目の前に寄って来てこちらを見上げてきたのでその頭をそっと撫でる。

 頭を撫でられているイナバは嬉しそうに目を細めている。

 

 

 

 眼前に並ぶクラゲ2人。

 大きい魔物が2体並ぶのは中々に良いものだ。

 味方ならね!

 

「さて、今からは浮遊核の取得を目指してもいいかな?」

 

「私は既に目的を果たせたからね。あとはユウの目的だよ」

 

「ありがとう。まあ倒し方が変わるだけなのだけどね。という事で、フユウクラゲに挑もうか」

 

 

 

 

 

  移動中、マイさんに浮遊核を取得した際の倒し方を説明しておいた。

 少し時間が掛かってしまうが核を締め付ける方法以外でドロップした事は無い。

 それに調べるには時間が少ないからね。

 

 さて、視線の先には浮きクラゲが見える。

 クラゲが1体から2体になる事でどれだけ差があるか楽しみだよ!

 

 

 

 ……半分以下の時間で核が出てきたよ!

 まあ核を引き出す力が2倍近くになったのだから当然かな。

 さて、ここからはログレスが核を締め付けるだけだ。

 タマにも可能だとは思うけど、まずはログレスがお手本を見せないとね。

 なので次はタマにお願いします。

 

 

 

 休憩を挟みつつ10体ほど撃破したが、浮遊核はドロップしない。

 まあドロップする確率が低い事は分かっていた事だ。

 そしてタマだが1回目から核の締め付けは問題無く行えていたので、3体目以降はログレスとタマが交代で行っている。

 さあ、日が沈むまでにドロップするだろうか?

 

 

 

 日が沈みそうです!

 そしてかなりの数倒したのだが浮遊核はドロップしなかった。

 まあ元々確率は低いと考えていたし、薄膜や魔石のドロップは順調でスキル練習用の素材を集める事は出来たので結果としては良かったと思う。

 

「マイさん、そろそろ帰ろうか」

 

「うん。結局、浮遊核は出なかったね」

 

「まあドロップ条件も結構曖昧だったし、ドロップ率も低いみたいだからね。それにこの短時間。これは仕方ないよ」

 

「そうだね。まあ、あとは私に期待しててくれればいいよ」

 

「うん、楽しみに待っておくね」

 

 

 

 夜ご飯を食べてお風呂などを済ませ、今日は早く寝る事にした。

 明日は朝から新たなエリアに行く予定だからね。

 しかし、寝る為に布団に入ろうとしたところでログレスが手を掴んできた。

 何か用事だろうか?

 布団から立ち上がると、ログレスが部屋のドアを指さしている。

 そしてその両隣では幸運の白兎のイナバとキャタピラーのルビーがこちらを見上げている。

 ……今日の戦闘などから予想すると、クラゲの進化関係だろうか?

 そしてそれを2人とも知っていて、今回は皆で行くんだね。

 

「ログレス、海エリアでいいのかな?」

 

 そう言うとログレスは頷いた。

 

「分かった。それじゃあ行こうか」

 

 ルビーをウルフで再召喚し、海エリアへと向かう。

 

 

 

 海エリアの神殿、その前に来た。

 

「ログレス、クラゲでいいのかな?」

 

 その言葉にログレスは頷いた。

 どうやらクラゲの進化関係で合っているようだ。

 さて、ログレスはどれを実行するのだろうか?

 成長、進化、合成進化。

 まあそのどれでも僕は嬉しいな。

 それは僕を信じてくれている証の1つなのだから。

 

 まずはルビーをアクセラレーションホーク・ウィンドで再召喚する。

 ログレスを魔物から守る為にも、ログレスを止める為にもアクセラレーションホーク・ウィンドが最適だろう。

 

 次ににログレスをクラゲで再召喚すると、すぐに水中へと移動して動かなくなった。

 どうやら水中で実行するようだ。

 陸上で実行できるかは分からないが、水中の魔物なのだから水中で実行したほうが良いのだろう。

 

「ログレス、頑張って」

 

 さて、僕もそろそろ始めようかな。

 今のログレスは進化関係に対して、恐怖を感じている可能性が高い。

 だからこそ、今回だけ安心の歌を奏でようと思う。

 もしかしたら悪影響を与えるかもしれないが、それを恐れて何もしないのでは示しがつかない。

 勿論、何か異変があった時はその瞬間止めるけどね。

 

「イナバ、ルビー。周辺の警戒をお願い」

 

 2人にそう言い、安心の歌を開始する。

 

「~~~~~」

 

 さあ、ログレス。

 ともに頑張ろうか。

 

 

 

 1時間ほど経過した時、突然ログレスが光り輝いた。

 そしてその光は一瞬で治まり、中から現れたのは元のクラゲの2倍近くはある大きなクラゲ。

 これはフユウクラゲだろうか?

 

 そのクラゲを見上げていると、大きな触手の1つが近づいてきた。

 その触手に一歩近づき、そして抱きしめる。

 

 体は麻痺しない。

 体を締め付けられない。

 うん、ログレスだ。

 

「ログレス、お疲れ様。そしておめでとう」

 

 ログレスは無事に乗り越えた。

 これで次からは問題無い。

 頑張ったね、ログレス。

 

 

 

 少し経過し、抱きしめていた触手を離して従魔の書を召喚した。

 そしてクラゲの位置にあったカードの裏面を確認する。

 

 種族名:フユウクラゲ

 登録者:ユウ

 コスト:4

 スキル:水中行動、浮遊、締め付け、麻痺触手、魔力式収束大砲、物理耐性、魔力耐性、生命力強化、魔力強化、精神力強化、HP回復

 EXスキル:

 

 どうやら今回は成長を実行して、フユウクラゲに成長したと見てよさそうかな。

 そして種族名から考えてアクセラレーションホーク・ウィンドやゴーレム2型2式改とは違い、何もアレンジを加えない基本となる成長を実行したのだろう。

 多分、基本を確認する為に。

 そうなるとこれは準備段階かもしれない。

 次の進化関連の実行、それが本番の可能性が出てきたかな。

 

 まあ実際のところは違うかもしれない。

 合成進化や進化が怖くて成長にしたのかもしれない。

 成長しかできなかったのかもしれない。

 だが、そのどれであってもログレスは次に活かすだろう。

 

 さて、そうなると皆の選択肢を増やす為に新たな魔物カードを用意しておきたいな。

 まずはログレスが超える壁、ゴーレムと鎧騎士。

 そしてそれ以外は新たなエリアの魔物を見てから決めようと思う。

 現状でもバッファローとシープは登録を試せる状態にあるが、気になる魔物がいるのだ。

 従魔魔法ギルドで聞いたスライムモドキ。

 それらをあの時点で聞けたという事は、追加されるエリアに出現する可能性が高い。

 

 そして僕はスライムモドキをログレスに勧めてみようと思っている。

 以前ログレスにスライム系のある魔物の話しをした時に興味津々だったからね。

 それが選択肢にあるかどうかは分からない。

 さらにあったとしてもログレスが選ぶかはわからない。

 それでもその可能性は用意しておきたい。

 

 さらに新たなエリアには今までとは違った系統の能力を持った魔物もいるかもしれない。

 バッファローとシープの登録はそちらを確認してからの方が良いだろう。

 まあ追加エリアに行けるのがあまりにも遅いようであればバッファローとシープの登録をするかもしれないけどね。

 

 さて、確認を終えて方針を決めたところで部屋に戻ろうか。

 ログレスは勿論、イナバとルビーも警戒で疲れているだろうからね。

 

「皆、お疲れ様。部屋に戻ってゆっくり休もうか」

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