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171/202

171―ダンジョン-11―

「分かった。歌おうじゃないか」

 

 数分後、マイさんが応じてくれたよ!

 やったね!

 

「それでは僕から答えるね。まあ出来るよ。今スキル付けてないからね」

 

「え……1つじゃなくて全部できるの?」

 

「うん。技能以外にも目覚めの歌ができるよ」

 

「……君はまったく」

 

「マイさんの服関係の技術と同じだよ」

 

 そう、マイさんの服関係の技術は現実の技術による影響も大きいはずだ。

 

「そう言われると確かに……リアルスキルがたまたまスキルと重なったってことかな?」

 

「多分そうなるね。魔歌に関しては僕にもできないからね」

 

「そうなんだ。そうなるとリアルではできない事、魔力関係かな」

 

「多分そうだと思う」

 

 僕もその考えだ。

 歌に魔力を乗せて効果を発揮するとかかな?

 さてと……。

 

「ワクワク」

 

「……何故、口に出して言うかな?」

 

「それ程に楽しみなんだ」

 

 そう、楽しみだよ!

 どう楽しみかは言わないけどね!

 

「それでは……」

 

 僕も集中しよう。

 まず1度深呼吸。

 

「~~~~~~」

 

 歌詞なき歌。

 流石マイさん、分かってるね。

 そしてこの上手さならば……。

 

「~~~~~~~~」

 

 そう言えば時間制限をしていなかったよ。

 

「~~~~~~」

 

 まあ最後まで聞いておこう。

 欲しい情報はもう得られたからね。

 

「~~~~~~~~~~」

 

 

 

「ありがとう。良い歌だったよ」

 

「そうかな? ありがとう」

 

 マイさんはこちらを向き、嬉しそうに微笑んでいる。

 これは良い表情だ。

 

「それにしても、これ程の歌で入手可能にならないのなら歌うだけではダメなのだろうね」

 

「私もそう思うよ。これだけで入手可能なら既に掲示板で情報が出ているはずなんだ」

 

「そうなると、もう1つの条件かな。それともイベントから新しく追加された可能性もあるかな?」

 

「あ、確かにその可能性があったね。普通はスキル等の追加にアップデートを挟むから失念していたよ」

 

 もう1つの条件は常時スキルが確認できるようになってからかな。

 まあマイさんが手伝ってくれればだけどね。

 

「それじゃあユウ、探索に出発しようか」

 

「うん。どこから行く?」

 

「そうだね……森はどうかな?」

 

「薬草狙い?」

 

 確かに回復系アイテムは欲しい。

 特にMP回復系が。

 

「そうだよ。問題はどちらの森か何だけど……」

 

「まあ分からないのだから適当に入ってみようよ。違った場合はクリアすればいい」

 

「それもそうだね」

 

 そうだ、とりあえずルビーをウルフで再召喚しておこう。

 扉の先が最初は広い場所では無くダンジョンから開始の可能性もあるからね。

 

 

 目の前には海エリアのプレートが付けてあるドア。

 そのドアを開け、慎重に潜る。

 一応マイさんと手は繋いでいる。

 

 完全に抜けきると視界が闇から石造りの部屋へと変わった。

 すぐに周囲を確認するが、魔物はいない。

 この場所はダンジョンに入って最初にあったあの部屋に似ている。

 だが、今回は真ん中に台は無く、すぐ後ろには先程潜ったものに似たドアがある。

 

「冒険者よ、ここから先は試練の道となっている。進みたければさらなる試練を受ける必要がある」

 

 さらなるか。

 つまり持ち込みアイテムは封印されたままと。

 

「この部屋からの試練は基。アイテムの持ち込みは自由だがステータス、スキルは初期アバターの状態で門を潜ってもらう。さらに海エリア内では如何なる方法でも以前のメニューは開けない。さあ、どうする?」

 

 おお、これはこれは。

 まあ武器などの持ち込みが可能なのが嬉しいな。

 

「マイさん、一度戻ってみない?」

 

「そうだね。ここから戻ると、どのエリアに移動するか。それは気になるところだね」

 

「それでは戻ろう」

 

 振り向き、後ろのドアを開くとその先は闇に包まれていた。

 念の為手を繋ぎ、慎重にその闇へと足を踏み入れる。

 ……視界が変わると安全地帯の中央の部屋であった。

 うん、戻れるんだね。

 

「さて、マイさん。どうする?」

 

「そうだね。どうやら戻れるみたいだから、全ての扉の先を確認しておこうか」

 

 僕もその意見に賛成だ。

 もし戻れなかったらそこからクリアすればいい。

 

「僕もそう思うよ。それでは森1からでいいかな?」

 

「うん」

 

 

 

「冒険者よ、ここから先は試練の道となっている。進みたければさらなる試練を受ける必要がある」

 

 森1のドアを潜った先は海エリアのドアを潜った先と似ていた。

 しかし、今回は真ん中に台がある。

 そして海エリアと同じく、追加の試練である様だ。

 

「この部屋からの試練は真の現地調達。ダンジョン外から持ち込まれたアイテムを所持して門を潜る事は出来ない。さあ、どうする?」

 

 これはダンジョン内で装備を作ればいいんだね。

 そうなると一番最後がいいのかな。

 まあ次だ。

 

 

 

「冒険者よ、ここから先は試練の道となっている。進みたければさらなる試練を受ける必要がある」

 

 森2のドアを潜った先も海エリアのドアを潜った先と似ていた。

 今回は真ん中に台は無い。

 

「この部屋からの試練は沈黙。声を発することはできない。さあ、どうする?」

 

 まあ技能使用不可はあると思っていた。

 しかし武器は使えるので森1よりこちらが先でいいかな。

 次だ。

 

 

 

 目の前には見渡す限りの草原。

 すぐ後ろには床に魔方陣が描かれた壁の無い神殿のような何か。

 そしてさらに先を眺めると遠くに森が見える。

 

 草原エリアのドアを潜った先はどうやら元のエリア、さらにボスと戦う直前の場所みたいだ。

 あの時は暗くて分からなかったけど、さらに奥には森があったようだ。

 やったね、薬草が取れるよ!

 まあとりあえず戻ろうか。

 

 

 

「全て見て回ったわけだけど、どこから開始する?」

 

「草原エリアで薬草を採取し、HP回復ポーションを作った状態で海エリアかな」

 

 やはりHP回復ポーションの作成からだよね。

 イナバが大活躍の予感!

 

「うん、それでいこう。ちなみにマイさんは薬草の調薬は出来るかな?」

 

 僕は出来ないです。

 なのでマイさんが出来なければこの案は諦める事になるが、マイさんは僕が調薬を出来るとは思っていないはずなので、先程の言葉からマイさんは調薬ができるはずだ。

 

「大丈夫。道具も持ってきてあるよ」

 

 もう1つの箱は調薬道具だったようです。

 流石。

 

「それでは最初は2人で薬草を採取。ある程度集まったら一度戻ってマイさんは調薬、僕は再度薬草を採取する、でどうかな?」

 

「うん、それでいいと思う」

 

「決まりだね。それでは出発!」

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