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165―ダンジョン-05―

 マイさんにイナバが合成進化した時の事を説明し終えた。

 

「そんな事があったんだね。ミーはどうするのかな?」

 

 そう言いマイさんはミーの頭を撫でた。

 対抗してイナバの頭を撫でておいた。

 意味は無い。

 

「イナバは少し思うところがあったのだろうね。他の2人は成長を実行したよ」

 

「それじゃあミーは成長かな。頑張ってね、ミー」

 

 頭を撫でられているミーはとても嬉しそうだ。

 大切に育てられているのだろう。

 

「……あれ? そうなるとその子はラッキーラビットでは無いの?」

 

「幸運の白兎だよ。見た目はそっくりだけどね」

 

「名前にピッタリの魔物だね」

 

 そう、名前通りなのだ。

 なので海に入ってもらう時は少し心配したよ!

 

 

 

 合成進化などの説明も終わり、そろそろ先に進もうと思う。

 

「マイさん、次の移動先だけど強い魔物がいる方へ向かおうと思う」

 

「そうだね、私もそれに賛成だよ」

 

「イナバ、強い魔物がいる方へ案内してくれる?」

 

 そう言うとイナバは頷き、移動を始めた。

 

「それでは進もう」

 

「うん」

 

 あ、そうだ。

 イナバとルビーに頼んでおかないとね。

 まあ、あるかどうかは分からないけどね。

 

 

 

 ラビットを倒して剥ぎ取り中です。

 そう言えばそろそろあの魔法を試していかないとね。

 まずは僕に使って安全を確認しておこう。

 

「排泄物処理魔法、ユウ」

 

 そう唱えると詠唱が開始される。

 そして詠唱はすぐに終わったが、何も起こらない。

 もしかして、そのパラメーターが一定以上の時しか発動しない?

 それともこれで効果が出ている?

 ……まあ試せばいいか。

 

 マイさんは……剥ぎ取り中だね。

 この位置ならば聞こえないだろう。

 

「排泄物処理魔法、マイ」

 

 小声でそう唱える。

 これならば相当近くにいなければ聞こえないはずだ。

 

 ほら、女の子は言い難いと思うんだ。

 それを考えると女の子こそ、こちらを取るべきな気がするよ。

 まあマイさんの場合はそれを理解した上で、それよりも優先する事があったのだと思うけどね。

 

 

 

 休憩を数度挟みつつ、強い魔物がいる方へと移動していたのだけど日が暮れてきた。

 先程のラビットがレベル10だったのでもうすぐエリアの終わりだと思うのだけど、無理は良くない。

 そろそろ寝る場所を探した方が良いのだろうか?

 

「マイさん、そろそろ眠れる場所を探した方が良いかな?」

 

「そうだね。暗くなると探し難いだろうからね」

 

 そうなるとルビーに空から怪しい場所を、イナバとログレスには魔物が極端に少ない場所を探してもらおうかな。

 できるだけ近くでね!

 

 

 

 数分後、ルビーが探索から戻って来た。

 どうやら何か見つけたようだ。

 

「マイさん、ルビーが何か見つけた見たい」

 

「そこに行ってみよう。多分移動していたら暗くなるはずだから、状況次第では少し危険でもそこで眠ろう」

 

「そうだね。ルビー、案内をお願い」

 

 ルビーは一鳴きし、空へ飛び上がった。

 その後を追い、移動を開始する。

 

 

 

 到着したのは北の神殿と同じ、壁の無い神殿のような場所。

 そしてその中央には台座と玉では無く、魔方陣がある。

 ……ボス戦だろうか?

 

「ユウ、少し休んでから乗らないかな?」

 

「そうだね。ボスの確率が高そうだ」

 

「私もそう思うよ」

 

 ボスであろうとなかろうと、休憩してから挑んだ方が良いだろう。

 万全とはいかなくても、少しでも疲れは取っておきたい。

 

 

 

「マイさん、スキルについて1つ聞いていいかな?」

 

「答えられる範囲ならね」

 

「マイさんの方もEXスキルは汎用特殊魔法だった?」

 

「そうだね、私――はまだ取得してないよ?」

 

「同じだったんだね。やはりあれは同系統の魔法を取得しているのか」

 

 うん、そうなると汎用系特殊魔法は特別な条件で使用できる魔法を増やせる可能性が高い。

 これでスキルレベルXXが予想通りの可能性が高まった。

 

「ユウ、私はまだ――」

 

「にゃん?」

 

「やっぱり見ていたんだね!?」

 

 突然マイさんが僕の肩を掴んできた。

 

 そうは言ってない。

 だがそれが真実。

 

「動画が取れなかったのが残念だよ」

 

「忘れるんだ! いいね?」

 

 肩を揺らされても記憶は消えないと思うよ?

 

「まあまあ、似合っていたよ?」

 

「そ、そうかな?」

 

 そこで納得されても面白くない。

 もう少しスキンシップを取ろう。

 

「欲しいにゃん?」

 

「待て、何故私の声を真似できるんだい!?」

 

 特技だからさ!

 

「まあまあ、今僕も言ったじゃないか。これでお相子だから安心して」

 

「君が言ったのは私の声でだろう!?」

 

「諦めるにゃん」

 

「うわ~~~」

 

 マイさんが少し涙目になったよ!

 そろそろ止めよう。

 これで緊張もほぐれただろうからね。

 

「ごめんごめん、でも緊張がほぐれたでしょ?」

 

「……確かに。ありがとう、ユウ」

 

 ああ、そこで微笑まないでほしい。

 真の目的は面白そうだったからだからね!

 

「どういたしましてにゃん」

 

「……ユウ?」

 

 おお、笑顔なのに怖いよ。

 

 

 

 あの後、元の声で同じ事を言わされたよ!

 まあ元から言うつもりではあったけどね。

 そうでないとお相子にはならない。

 

 さて、落ち着いたところで1つ聞いておこうかな。

 

「マイさん、ご飯はどうする? まだ止めておく?」

 

「そうだね……まだ大丈夫のはずだから止めておこうか」

 

「分かった」

 

 今までなら食べた方が良いだろう。

 だが、今は排泄物処理魔法が存在するのでそうもいかない。

 この魔法がどこまでの効果があるかわからない現状、戦闘中にマイナス状況が発生した時にそれを解決できるか分からないからね。

 事前に使えばいい可能性もあるけど、それができるかどうかも分からない。

 そして今それを確認しているのだけど、まだ結果が出ていない。

 現在マイさんには戦闘中に何度かこの魔法を掛けていて、僕には掛けていない。

 これで僕がマイナス状況になった時、マイさんがどうなるかだ。

 勿論、個人差はあるだろうけど前後2時間程を考えれば大丈夫だろう。

 

 ……そう言えば、少し気になるな。

 移動中、イナバには薬草を、ルビーには水場を探してもらっていたのだけど一度も発見できなかった。

 このエリアには無かったのか、たまたま避けていたのか。

 現地調達の試練なので必要である物が現地調達できないとは思えない。

 薬草は必要では無いとしても、水は必要では無いのだろうか?

 確かにイベント前までは水を飲まなくてもステータス異常になった事は無い。

 だが水はギルドに売っていたのだ。

 本当に必要ないのだろうか?

 ……まあ先に進んでみれば何かわかるだろう。

 このエリアに無い可能性を考えると、先に進んだ方が可能性が有る。

 まあ水がこのエリアにしかなかった場合で、水が食料として必要な場合は死に戻りになるがそれは諦めよう。

 

 そしてこの事にマイさんが気づいてないとは思えないので水が必要ない事を知っているか、このエリアよりも次のエリアで探した方が良いと思っているのだろう。

 基本的にマイさんは僕よりもしっかりしているからね。

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