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158/202

158―イベント開始-02―

 <あと10分でイベント開始となります。ログインされているプレイヤーはイベントに強制参加となり、イベント開始以降はログインが出来なくなります。イベントに参加されないプレイヤーの皆様はログアウトしてくださるよう、お願い致します>

 

 あと10分か。

 予想では別エリアで行われると思うのだけど、どうだろうか?

 そしてそうであった場合、別エリアに移動した直後は気を付けておこう。

 色々と仕込む運営なので油断はできない。

 イベントを楽しむ為に、チャンスは出来るだけ逃したくないからね。

 

 

 

 <あと1分でイベント開始です>

 

 念の為、ログレスを鎧騎士で再召喚しておく。

 ゴーレムでは狭い場所だった場合に厳しいからね。

 イナバとルビーはそのままだ。

 ルビーもアクセラレーションホーク・ウィンドでの再召喚を検討したが、洞窟などの飛び回れない場所であった場合を考えるとそのままの方が良いだろう。

 一番不味いのは水中に移動させられる事だが、それに対策をすると陸上が厳しくなる。

 その為、水中であった場合はすぐに再召喚で対応するつもりだ。

 

 

 

 <イベント開始です。ご注意ください>

 

 突然、景色が変わった。

 そして目の前にはゴーレムの右拳が見える。

 左後ろに飛び、それを回避する。

 

 やはり、あったか。

 すぐにルビーを送還し、アクセラレーションホーク・ウィンドで召喚を開始する。

 周囲は障害物が無く、地面はむき出しの土なのでログレスはそのままでいい。

 

 

 ゴーレムの左パンチをログレスが盾で防ぐのを見ながら、僕は後ろに下がりながら周囲を確認する。

 どうやらゴーレム以外には何もいないようだ。

 ルビーの再召喚が完了した。

 これでもう大丈夫だろう。

 余裕ができたところでゴーレムの識別を行う。

 

 <魔物>メタルゴーレム Lv18

 状態:交戦

 

 予想外に強いじゃないですか。

 不意打ちでこれは酷い。

 ……生産職相手にもこれは無いよね?

 流石にレベルやスキルから適切なレベルの相手が出現するだろう。

 まあ姉さんやマイさんが負けるとは思えないのでどちらでもいいか。

 

 

 

 多分5分と掛からずに撃破です。

 皆強い!

 そう言えば、最近ゴーレムと戦うのは久しぶりな気がするよ。

 まあ魔石が集まって素材も必要ない状況では戦いに行く理由が無かったからね。

 

 再度周囲を見渡し、安全を確認してから剥ぎ取りナイフを突き刺す。

 ドロップは金属でした。

 そして中から出てきた核にログレスの剣が突き刺さる。

 その一撃でHPバーは空になった。

 

 砕け散った核へ剥ぎ取りナイフを突き刺す。

 ドロップは魔石でした。

 あとで付加術の実験台にしよう。

 

 <クリアおめでとうございます。まだまだ余裕を感じられたので、もう少し強い魔物を出現させるべきでしたね>

 

 頭に響くその声は、チュートリアルで聞いたものだ。

 

「久しぶりだね」

 

 <クリア特典はイベントエリアの選択権となります。表示されるウィンドウから選択をお願い致します>

 

 違ったのかな?

 まあ声だけしか判断基準が無いので同じ声を使用している別人の可能性もある。

 いや、その可能性が高いかな。

 

 目の前に表示されたウィンドウにはイベントエリア1から100と表示されている。

 そんなに分けるのか。

 いや、かなりの人数が同時に接続していると思うのでこれでいいのかな。

 まあそこはどうでもいい。

 それよりも、イベントエリア以外にフレンド登録している人物を指定できるみたいだ。

 誰を指定するかな。

 ……。

 

「クリア特典は全プレイヤー同じかな?」

 

 <お答えできません>

 

 さて、どうしようか。

 選択肢は姉さん、マイさんだけだ。

 ……まあ、ここはマイさんかな。

 昨日の状況から考えてマイさんと別のイベントエリアになるのは良くない。

 そして姉さんであれば別エリアになっても心配はない。

 うん、既に決まっていたか。

 

 ウィンドウを操作し、マイさんを選択する。

 そして最終確認が表示されたので確認ボタンを選択すると、ウィンドウは消えた。

 

 <イベントエリア選択権の使用を確認しました。少々お待ちください>

 

 まだマイさんのイベントエリアが決定していないのかな?

 ……そういえばプレイヤー同士でパーティを組んでいた場合はどうなったのだろうか?

 従魔達が送還されず移動したことから考えて、同じエリアに移動した可能性が高いかな。

 

 <イベントエリア選択が完了しました。指定イベントエリアへ移動します>

 

 おお、移動だ。

 移動先はどんなエリアであろうか?

 楽しみだ。

 

 <覚えて頂けていて嬉しいです。お待ちしておりますね>

 

 その声には喜びと期待が含まれているように感じられた。

 そしてその言葉を聞き終えたところで目の前の景色が変わった。

 

 

 

 目の前に広がるのは草原。

 周囲を見渡すと、後ろ方向の少し先に高さ3メートル程の横に長い壁が存在していた。

 壁の端が見えないので、曲線を描いているのだろう。

 そしてその1か所には門が開いている入り口の様な場所がある。

 魔物もいないようなので、とりあえずあそこに向かおうか。

 

 それにしても、チュートリアルの人で合っていたようだ。

 そして、お待ちしておりますね、か。

 イベント関係かな?

 まあ情報が足りない以上、気に留めておく程度でいいかな。

 

 

 

 門から中に入ったところで内部を見渡した。

 まず中央に壁の無い神殿らしき何かが見える。

 北の神殿に似ているが、その中央には台座も玉も存在しない。

 

 次にその神殿を中央にして、この場所を円状に囲む壁には大体90度おきに門が見える。

 どうやら出入口は4個のようだ。

 

 最後に神殿を中央に、門とは約45度違いで大体90度おきに家が4軒ある。

 その玄関は全て神殿を向いており、まるで神殿を囲むように配置されている。

 

 それだけです。

 寂しいよ!

 おや、僕が入って来たのとは違う門から誰か入って来たね。

 5人組の様なのでパーティなのだろうか?

 まあ知らない人なので放っておこう。

 それよりも家を調べたいです。

 最初に触った人が所有権を得られるとかだったら嫌だからね。

 それを独占するつもりは無いが、あった方が便利だろう。

 

 だがその前にルビーをウルフ、ログレスをパペットで再召喚しておく。

 この中ではこちらの姿の方が良いだろう。

 

 

 

 とりあえず一番近くの家の玄関へと来た。

 目の前にあるドア。

 開けた瞬間矢が飛んでくる、その可能性も考えておこう。

 

 意を決し、ドアを開ける。

 ……何も起こらなかったです。

 そして家の中も普通に見えます。

 よし、探索だ!

20150129:修正

・門のある壁の説明描写が分かり難かった為、変更しました。

・ユウが村の中と表現していましたが、この中という表現に変更しました。

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