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152/202

―――152―――

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

 うん、ちゃんと休憩できたみたいだ。

 寝る前よりも表情や動きが良くなっている。

 睡眠不足はお肌の敵だ!

 と、どこかで読んだ気がするからね。

 

 あと少し休憩をしてから残りの素材を渡そう。

 あれらはここでも問題無いはずだから。

 

 その前に少し……。

 

「マイさん、ここの景色はSSで撮ってもいいのかな?」

 

「問題無いと思うよ?」

 

「良かった。ありがとう。これで安心だ」

 

 立ち上がり、窓の外の景色をSSで撮る。

 いや~、許可が出て良かった。

 

「ユウ、少しSSを見せてもらえないかな?」

 

 僕の撮影技術を見極めるつもりだろうか?

 自信ないな~。

 

「あまり上手く撮れていないと思うよ?」

 

「大丈夫だよ。君ならば心にくるSSを撮れるだろうから、安心して見せてほしいな」

 

「それならレンさんがもうすぐ来るだろうから、その時一緒に見ない? 多くの感想を貰いたいからね」

 

「いや、レンちゃんは興味ないと思うよ。それよりも早くSSを見終わって、新しい素材を見たいな」

 

「それじゃあ素材を先に渡そうか。SSは後でゆっくり見よう」

 

 このやり取りを変わらない笑顔で行うマイさんは流石だと思う。

 

「いや、素材はじっくり見たいな。だから先にSSから見ないかな?」

 

「そう? それなら今からSSを見ようか。ところでどうやって見せればいいのかな?」

 

「SSを表示して、ウィンドウ右上のメニューボタンを押すんだ。そこに表示変更ボタンがあるからそれを押せば私にも見える様になるよ」

 

「どれどれ……少し分からないな。ちょっと待ってね」

 

「あ、これは良い表情だなあ~」

 

「な、何がかな?」

 

「えっと……あったあった。これでいいのかな?」

 

 うん、多分出来ているはず。

 

「どうだろうか? このイナバの表情。最近はさらに良い表情になっていてね。嬉しい事だよ」

 

「……確かにこれは良い表情だね。でも、今日撮ったのも見てみたいな」

 

 仕方が無い。

 先程撮った雪景色を見せてあげよう。

 

「どうだろうか?」

 

「良い雪景色だね。これ以外は無いのかな?」

 

 高評価を貰えたみたいで良かったよ。

 おや、レンさんからのメールだ。

 

「ごめん、レンさんからメールが来たから見てみるね。急ぎかもしれない」

 

「うん、知ってる。私にも来たから」

 

 どうやら、もうすぐ休憩時間なのでこちらに来るらしい。

 お待ちしています、と返信しておこう。

 

「お待たせ。次のSSを表示しておくよ」

 

「いや、少し出てくるよ。すぐに戻ってくるから待っていてほしい」

 

「分かった。今日撮ったお気に入りのSSを見て待っておくね」

 

「……そろそろ泣きそうなんだけど?」

 

「疲れがとれていないのかな? もう少し休憩を取った方が良いかもしれないね」

 

 どうして泣きそうなんだろうな~。

 よく分からないな~。

 

「うん、ユウ。SSを全て消してもらおうか」

 

 そんな、従魔達のSSが!

 ああ、マイさんに手が拘束された。

 そしてマイさんはSSをどんどん表示していく。

 そうか、これを行うと他人にも操作出来てしまうのか。

 まあ予想はしていたので問題は無いけどね。

 

「あ、あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「無い?」

 

 あ、ログレスの戦闘シーンだ。

 やはり絵になるな。

 

「そんな……私が知らない機能で?」

 

 ……そろそろいいかな。

 足りないものを少しでも埋められただろうか?

 まあ、それはマイさん次第だ。

 

「良い寝顔だったよ。SSの存在を忘れていたのが残念だった」

 

「ぶふっ」

 

 最初以外はね。

 それにしても、女の子がぶふっ、とは……。

 悪い事をしたかな。

 まあ僕以外見ていないので問題は無いかな?

 

「そ、そうか。SSを見せてくれてありがとう、ユウ。それではレンちゃんが来る前に素材の受け渡しを終わらせておこうか」

 

 強引に見た気がするが気のせいかな?

 

「そうだね。残りは小さいものだけどここで渡そうか?」

 

「……いや、一応あちらにしようか」

 

「分かった」

 

 

 

 先程の倉庫へと移動し、マイさんがシートを広げた。

 準備完了。

 まずはマジックポーチからフユウクラゲの薄膜を取り出し、マイさんへと渡す。

 やはりあちらは最後だろう。

 

「これは……あの耐久力のあるフユウクラゲの薄膜。良い防具になりそうだね」

 

 どうやら気に入ってもらえたようだ。

 どんな防具になるのだろうか?

 まあ、僕には関係のない防具だろう。

 多分僕はこの先、布防具メインで行くのだろうから。

 いや、マイさんならば布防具と組み合わせる可能性もあるのか。

 そうだとしたら楽しみだな。

 

「ところで、特大触手もだけど依頼料はどうするかな? こちらは利用価値が高すぎて今の手持ちでは買い取れないかもしれない」

 

「まあ今日は色々と楽しませてもらったし、良い寝顔も見れたから今回はタダでいいよ」

 

 それに資金はギルドで補充してきたからね。

 現状、どうしても欲しい訳では無い。

 

「で、でも私も君の寝顔を見たからね。お相子だと思うよ?」

 

「そうかな?」

 

「……え?」

 

「まあ、本当の理由は無理をしてまで防具を作ってくれたお礼かな。受け取ってくれないと僕は心苦しいな」

 

「……受け取らせてもらうよ。ありがとう、ユウ」

 

「それに今はまだ、マイさん以外に売る気は無いからね」

 

「今はまだ、ね。それは怖い」

 

 

 

 マイさんに手持ちの薄膜をすべて渡し終えた。

 まあ、これは何時でも取れるので問題無い。

 それよりも早くに多く渡して利用方法を探ってもらった方が良いだろう。

 

 さて、それよりもここからだ。

 ゲームは楽しむもの。

 それはそのゲームに関係する対人関係も含まれる。

 VRの場合は他と比べてその要素が特に強い。

 そんな世界で、友達が悲しむ姿はあってほしくない。

 丁度良い素材とタイミングがあるのだから、その可能性は少しでも減らしておこう。

 

「さて、あと一つ」

 

「君は一体、どれ程取得したのかな? もしかして、私に手持ちの全て渡そうとしていない?」

 

 マジックポーチから、浮遊核を取り出し宙へと浮かべる。

 

「最後にこれだよ。これは1個だけしかない」

 

「……浮いてるね。それに素材ランクも見えない」

 

「選んで。受け取るか、受け取らないか」

 

「……少し時間を貰えるかな?」

 

「貴方は即答できる」

 

「……それでは受け取れないな」

 

 知ってた。

 僕も性格が悪い。

 姉さんの事を言えないな。

 まあ、元は似ていて当然なんだけどね。

 

「君は即答できる」

 

「うん、正解だよ。知っていて、ワザと試したね?」

 

「知っていると合っているは別物だよ?」

 

「……私はそれを受け取るよ。それでユウ、君はこれに何を望むのかな?」

 

「僕は君の可能性を望むよ」

 

「ふふっ。無理をするなと言っておいてそれはないんじゃないかな?」

 

 合っているが違っている。

 今は理解してはいけない。

 その時に理解できなければ意味は無い。

 

「君の可能性を望むよ」

 

「ユウ?」

 

 困惑顔のマイさんへ、浮遊核を指す出す。

 

「さて、僕はマイに期待しているよ?」

 

「うん、任せておい……え!?」

 

「マイさん。あちらの部屋に戻ってレンさんを待っていよう?」

 

 浮遊核を持った手と反対の手を掴み、先程の部屋へと移動する。

 ……。

そろそろ従魔達が書きたいです。

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