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従魔使いのベアリアスワールド・オンライン  作者: 雪結晶
1章 - 始まりの町と初めての従魔
15/202

―――15―――

 森に入って少し歩いたところで急にイナバが止まり、一点を見ている。

 もしかしてあそこに何かあるのだろうか?

 そう思い、近づこうとして……やめておいた。

 イナバは止まっているのだ。

 ならば敵の可能性が高い。

 そう思い集中してみてみるが、何もわからない。

 試しに、魔法銃を撃ってみようか。

 そう思い、魔法銃でイナバが見ているであろう場所を撃つ。

 すると突然茂みからウルフが飛び出してきた!

 そして、ウルフはそのままこちらに向かって走ってくる。

 そのウルフに対して、前足と後ろ足が射線上に入る様に撃つ。

 弾は前足に当たり、ウルフは体勢を崩した。

 そこにいつの間にかウルフの横手に回っていたイナバがウルフの横腹に向けて体当たりする。

 体勢を崩している、ウルフは体当たりを避けられずに吹き飛ばされる。

 倒れたウルフの足に向けて攻撃を行い、起き上がれないように邪魔をする。

 さらにイナバが追撃の突進を弱点の後頭部付近に当て、ウルフを倒した。

 

 う~ん……もしかしてイナバは近い位置なら魔物等の位置が、ある程度分かるのだろうか?

 

 ガサガサ

 

 突然、上方向の木々より音が聞こえた。

 慌てて横に転がって避ける。

 急いで顔を上げて先ほど自分がいた位置を見てみると、ホークが地面に倒れていた。

 さらにそのホークにルビーが嘴で攻撃を仕掛け、さらにイナバも攻撃を行っていた。

 そしてホークのHPバーが空になった。

 

 どうやら上空を警戒してもらっていたルビーが、こちらに攻撃を仕掛けようとしていたホークを迎撃したらしい。

 そして迎撃の結果、地上に落ちたホークを先ほど見た光景が襲っていたようだ。

 ルビーを見てみると若干ダメージを受けていたので従魔手当てを使用して回復する。

 やはりというか、従魔手当ては実際に手を接触させていないと回復ができなかった。

 

 森に入った後にイナバには相手が1体ならば自由に、複数なら回避優先、ルビーには1体なら迎撃、2体以上ならこちらに知らせると同時に回避優先の指示を出していた。

 その結果が先ほどの戦闘なので、指示はこのままでいいだろう。

 そして、さらに森の奥へ足を進めていく。

 

 

 

 森に入ってから1時間ほどが経過した。

 あの後もウルフやラビット、ホーク等が襲ってきたが何とか対応できている。

 だが、ウルフが6体現れたときは本当危なかった……。

 イナバと3体ずつ相手をして、回避優先で動きつつ、何とかすきを見て1体ずつ撃破していったが、終わった時にはHPゲージは半分を割り込み4分の1に迫ろうかとしていたほどだった。

 そしてイナバを見てみると……ノーダメージだった。

 どうやら攻撃より回避の方が得意らしい。

 もしかしたら4、5体任せても余裕かもしれない。

 まあ、できる限りそんな危険な状況にはさせたくないけどね。

 

 そしてルビーの方だが2体以上でホークが襲ってくることはほとんど無いみたいだ。

 これまでに一度だけあったのだが、ルビーがホークと交戦状態の時に新たに他のホークが来たようで、基本は1体で行動するようだ。

 その時は偶々場所が良く、ルビーの戦闘が見える位置だった為、魔法銃での遠距離攻撃で片方のホークの注意をこちらに向けさせて、降りてきたところをイナバと一緒に倒した。

 そんな感じで進んできていたのだが、急にイナバが少し離れた場所に走って行った。

 

「イナバ、いきなりどうしたの!?」

 

 驚いてつい叫んでしまった。

 そして、急いで後を追ってみると、今までの道のりで森に生えていた草とは違う草が大量に生えている場所でイナバは止まっていた。

 念の為、草を丁寧に根っこごと採取して、鑑定をしてみる。

 

 <アイテム:薬草>回復草

 食べると体力が回復する薬草。

 

 どうやらこれがギルドの依頼にあった回復草らしい。

 しかも結構大量にある。

 もしかしてイナバはここを見つけたから走って来たのだろうか?

 だとしたら、イナバは薬草などの場所もある程度分かるのだろうか?

 そうだとしたらラビットは感知能力がメインなのだろうか?

 いや、回避能力も高いか。

 それにルビーもかなり遠くから敵の存在を見つけているようだし……。

 もしかして、人間の感知能力が低いだけなのだろうか……。

 いや、これは逆に取得可能スキルに追加される可能性が高いと見るべきだろう。

 スキルの確認はできるだけ毎日しておこう。

 忘れなければね。

 

「イナバ、ありがとう!」

 

 大量の薬草を見つけてくれたイナバに感謝を伝えつつ、撫でてみる。

 イナバは嬉しそうに眼を瞑っているので、喜んでもらえたようだ。

 良かった。

 

「ルビーも周囲の警戒ありがとう!」

 

 そして、道中ずっと空で警戒をしてくれているルビーにも感謝を伝える。

 ルビーは小さく鳴き、返答をしてくれた。

 

 さて、急いで薬草を採取しなきゃ!

 イナバとルビーが警戒を行ってくれている間に、薬草を急ぎつつ、できるだけ丁寧に採取する。

 確か全部採取せずに残しておいた方がいいのだっけ?

 ゲームだから関係ないかもしれないけど、一応残しておこうかな。

 そう思い、全体の半分くらいを採取し、マジックポーチに入れておく。

 

 これで回復草の納品の依頼を受けようかな?

 いや、かなり数もあるから、これでポーションが作成できるのなら自分でポーションを作成してみるのもいいかもしれない。

 作る時だけスキルを入れ替えればいいのだし。

 うん、帰ったらギルド辺りで色々と聞いてみようかな。

 そして、イナバの案内で一旦元の道へ戻り、さらに森の奥へと進んでいく。

 

 

 

 歩いている途中にふと気になったことがあった。

 そういえばイナバとルビーは匹と数えていていいのだろうか?

 魔物で召喚されるから匹と数えていたが、人型の魔物が出てきた場合はどうだろうか?

 それ以前に中の魂は結局一緒なので、魔物の姿形は関係ないのではないだろうか?

 そう考えると人の単位で数えたほうがいい気がしてきた。

 今は意思疎通が完全ではないが、もう少し意思疎通ができてきたら聞いてみたほうがいいだろう。

 それまでは勝手ながら人の単位で数えさせてもらおう。

 考えに結論が出たところでさらに森の奥へと進んでいく。

20140819:修正

字下げをするように修正しました。


20140815:大幅修正

見直しも兼ねて、大幅に修正を行いました。

表現だけでなく、内容まで変更した箇所に関しましては、今現在1~18話のものをまとめて作成しておりますので、少々お待ちください。

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