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少し戻って西の草原です。
ゴーレム2型2式改は水中で確認できないからね。
とりあえず幸運の白兎のスキルは明らかに影響がありそうだったので、イナバを送還し、ウルフで召喚しようとしたところで問題が発生した。
やはり、強さにはそれ相応の対価が必要なのだろう。
幸運の白兎以外選択できない。
うん、仕方ないか。
一旦イナバには未召喚状態でいてもらおう。
確認が終わったらすぐ召喚してあげるからね。
さて、まずは武具生成・魔から確認していこう。
ログレスに武具生成・魔を使用してもらったところ、どこかで見たことのある武器を生成してくれた。
まさかの魔法銃である。
その形は僕の魔法銃と同じ形をしており、色は黒だ。
試しに1発撃ってもらったが、僕のものと変わりない弾が発射された。
同等性能なのだろうか?
まあ、実戦で試してみよう。
ウルフ相手に試してもらったのだが、威力は僕の物よりも低いようだ。
まあ流石に高いのは不味いだろう。
現状で最高の素材を使用し、高レベルであろう職人が加工したのだ。
そして親方のお墨付き。
これで性能が抜かれているのはゲーム的に不味い。
まあ抜かれていたらそれはそれで面白い事になりそうなのだけどね。
そして戦闘中に動きも見ていたのだけど、以前よりも若干良くなっている。
成長によってステータスも上がったのかな。
それとも、ログレス自身が成長したのかもしれない。
まあ直前の移動時と比較しているのでその可能性は低いのだけど、それでも成長を経て何か感じるものが有ったのかもしれないからね。
まあどちらにしても基本能力の成長は嬉しい事だ。
さて、もう少し試してもらおうかな。
次は剣を作成してもらおう。
作成された剣は黒色で以前と同じ形状をしていた。
だが、一番気になるのはそこでは無い。
剣の周りに薄らとだが、何か纏っているのだ。
これは……魔力であろうか?
まあ試してもらおう。
ウルフが一撃でした。
弱点である後頭部を狙わずにだ。
これは強くなっている。
ただ、少し気になることもある。
あの剣に纏っているものは何だろうか。
魔法銃の時には纏っていなかった。
剣では纏っている。
剣だけであれば魔力を纏うことができる、で説明がつくのだけどね。
う~ん……今は分からないな。
もう少し、色々な相手に試してみよう。
さて、次は魔力殻生成・土魔を試してもらおうかな。
とりあえず今の体を確認させて貰う為に、ウルフ相手にワザと体当たりを受けてもらったのだけどダメージはほぼ無い。
そしてその僅かなダメージもすぐに回復している。
それを数度、行ってもらったのだけど結果は同じであった。
そして、体に魔力を纏えるかと聞いてみたが、ログレスは首を横に振った。
やはり、魔力を纏うのではないのかな。
まあ、時間を掛けて確認していこう。
焦る必要は無い。
さて、次は幸運の白兎の確認を行おう。
お待たせイナバ。
まず眷属召喚を試してもらったところ、イナバの半分程の兎が10体、召喚されました。
可愛いね。
癒される。
そしてその状態でウルフと戦闘を行ってもらったのだけど、まあ余裕だったよ。
10対1だからね。
本体のイナバは少し離れた位置で戦闘を見守り、召喚されたミニ兎が体当たりなどでウルフを倒していた。
ログレスの様に一撃とはいかないが、ウルフの足に体当たりをして体勢を崩し、2体ほどで弱点である後頭部を攻撃しつつ残りはウルフが起き上がるのを体当たりで阻止する良い連携であった。
そして全員がノーダメージであった。
これはムレウオの経験が生きている。
そして、やはりイナバは思うところが有ったのだろう。
僕ですら、その動きから見て取れる程に。
優しいイナバ。
それは指揮官として良くないかもね。
でも、僕は嫌いでは無いよ。
君が思う道を進むといい。
さて、次は本体の能力を確認させてもらおうかな。
眷属召喚や支援なしでウルフと戦ってもらった。
まあ、そこまで上手くはいかないか。
体当たりの威力が低下している。
移動速度と機敏さが低下している。
この調子だと、防御関係も低下しているだろう。
だが、それでもイナバは終始優勢であった。
多分相手の行動を読んでいる。
見てから反応するのではなく、その前に動いている。
指揮官としては、この能力は必要だろう。
流石イナバだ。
さあ、次は加護系の確認だ。
まあこちらは一部判明しているけどね。
まず何もしていない状態でログレスにウルフと戦闘を行ったもらった、それだけで効果を確認することができた。
ログレスの動きが速い。
先程と比べて、かなり速くなっている。
攻撃力と防御力は確認できないが、上がっている可能性は高い。
次にルビーに最高速度で飛んでもらったのだけど、その速度は速くなっていた。
そして僕自身だが、イナバを召喚した直後に体が軽くなっていた。
僕以外の影響を確認するまでは確信を持てなかったが、幸運の白兎が召喚されているだけでも効果があるのだろう。
さらに全能力とある事から、ステータス全てが上がっていると考えてもいいだろう。
まあ、確認はしておくけどね。
ルビーをウルフで再召喚し、ウルフと戦闘を行ってもらった。
まずはワザと体当たりを受けてもらい、その回復速度を比較する。
数度行い、さらにイナバを送還して数度行ったところ、その全てでイナバを召喚していた時の方が回復速度が早かった。
詳細までは分からないが、その影響は大きく無く、小さく無い。
回復手段が乏しい僕達のパーティにはありがたいスキル。
さて、これで白兎の加護・回復の効果は確認できた。
次だ。
次にルビーがウルフに与えるダメージの確認を行った。
イナバを召喚した状態とそうでない状態で数度確認を行ったところ、ダメージの上昇を確認できた。
その上昇量は2割程で、十分に効果を確認できた。
常時発動型で2割。
僕の支援魔法よりも大きいよ!
次に支援・攻撃特化を使用してもらい、ルビーに戦闘を行ってもらったのだけど、その効果も高い。
まず、さらに3割程攻撃力が上がっている。
そして速度と機敏さも増している。
次に僕に使用してもらい、戦闘を行ってみた。
体が軽いよ!
そして魔法銃のダメージも上昇している。
こちらはチャージで確認したのだけど、先程よりも正確に3割上昇が見て取れた。
詳細に確認すれば3割では無いかもしれないが、そこまでするつもりは無い。
3割程度、そこまで判明すれば十分だ。
ルビーと僕、2人の結果から最低でも物理、魔法攻撃力と素早さが上昇するスキルだと判明した。
そして1度のスキル使用で支援できる対象は1人。
連続使用には少しだけ時間を置かないといけないが、その時間も30秒程だったので戦闘前に使用するのならば問題無いだろう。
僕の支援魔法よりも強力だね!
そこで気になったのが、支援魔法と併用できるかどうかだ。
イナバに支援を使用してもらった際、ステータス上では変化が無かった。
それは僕の支援魔法でも同じだ。
併用できればかなり強力なのだが、どうだろうか?
併用できませんでした。
僕とイナバの支援を両方とも使用すると、イナバの支援が優先されるようだ。
僕の支援魔法は封印しよう。
いや、僕は防御系を掛ければいいのか。
うん、そうしよう。
さて、空中行動と水中行動はあちらで見せてもらうとして、他はどうしようか。
以心伝心、幸運、白兎の加護・幸運。
以心伝心は眷属召喚関係だろう。
幸運と白兎の加護・幸運は幸運の指輪と同じ効果なのだろうか?。
まあ、確認する手段が無い以上予想止まりだけどね。
さあ、最後の確認を行うために海へ戻ろうか。
20141221:修正
誤字を修正しました。
20141219:修正
誤字を修正しました。
少し体調を崩してしまった為、再度投稿が2日ごとになります。
申し訳ありません。