―――130―――
※20141122-18:20~22:00までの間、本来ならば130話のところが131話になっておりました。
その時間帯にご覧頂いた方は再度ご確認をお願い致します。
申し訳ありませんでした。
まず、毒針を試してもらった。
ムレウオとすれ違いざまに尻尾の小さな針を少し引っ掻ける程度、それを数回繰り返したところムレウオは毒に侵された。
流石に一発で毒とはいかないが、体当たりを避けられた際についでに行えるのは大きい。
それに今後耐久力が高い魔物が出た場合に役立ってくれると思う。
そして気になる毒ダメージはまあ高くない。
確実に減っているのだけど、ムレウオ相手ならば攻撃したほうが確実にダメージは大きい。
うん、毒の効果から考えて普段から積極的に使用する程ではないかな。
毒が有効な相手の場合だけ狙っていこう。
次は突き刺しです。
召喚された小魚は僕とルビーで倒していたのだけど、突き刺しを試すために1体だけログレスの方に通してみた。
一撃です。
近づいた瞬間に尻尾がうねり、小魚が避ける間もなく刺さった。
これは間違いなくメインとする攻撃だ。
そうなると、あちらも試してもらいたい。
すれ違いざまに尻尾を突き刺すあの攻撃も。
流石ログレス。
数回でものにしました。
そして、ムレウオが召喚を止めてこちらへと泳いできた。
もしかして、召喚数が上限に達したのだろうか?
MPなのか、召喚数なのか。
イナバの小魚は倒されていないので、試すことはできないけどどうなのだろうか?
まあ、今はムレウオを倒してしまおう。
ログレスの尻尾の一撃でムレウオのHPは空になった。
これは一撃でも違和感は無い。
なにせ尻尾が貫通しているのだ。
まあ、貫通していてもHPバーを確認するまでは油断してはいけない。
そして剥ぎ取り終わるまでも油断してはいけない。
これはチュートリアルで既にあったからね。
さて、エイの確認も終わったところでクラゲのレア種へと挑戦しようか。
クラゲは通常種ですらあの強さ、レア種はさらに強いだろう。
ああ、楽しみだ!
陸に戻って気が付いた。
誰も感知できない。
ログレスを一旦送還して、パペットで召喚し、クラゲのレア種を探してもらう。
そして陸上からその姿を確認した後、ログレスを送還しエイで召喚した。
さあ、これで準備完了だ。
目標は空に浮かぶ不思議な何か。
トビエイが名前そのままだったことを考えたら、クラゲのレア種も名前そのままなんだろうね。
その魔物は半透明であった。
半透明な為に透けて背後の空を見ることができる。
その魔物は巨大であった。
そして、その巨大な体から伸びるその触手は魔物の大きさにふさわしい長さを備えている。
その魔物は……うん、大きなクラゲが空に浮いているだけなんだ。
もう少し近づいてみよう。
<魔物>フユウクラゲ Lv16
やはり大きいな。
通常種の2倍、いやそれ以上あるだろうか?
そして触手も相応に長くなっている。
さて、当然ながら気づかれてしまったようだ。
移動速度は通常種のクラゲよりは速いが、相変わらず遅い。
それでもその大きさから触手の攻撃範囲まで目前だろう。
うん、とりあえず弱点を狙わない様に触手に気を付けて戦闘してみよう。
ルビーに先行してもらって攻撃も考えたのだけど、流石に危険すぎるので止めておいた。
以前送還の範囲を検証したことがあるのだけど、あまり広くなかったのだ。
もしルビーが触手に捕まった際に送還できる範囲であれば助けることができるが、範囲外の場合は助ける方法が思いつかない。
なので今回はクラゲが近づいてくるまで攻撃は止めてもらっていたのだ。
だが、この位置ならば送還は十分可能。
手を上げてイナバとログレスに攻撃を開始する合図を送る。
イナバ、ログレスにはクラゲの上部から攻撃してもらうように伝えてある。
僕はクラゲの真下へ位置しない様に水面から攻撃だ。
そしてイナバは水中にクラゲが潜った場合に攻撃と途中で水中から他の魔物が襲ってきた場合の迎撃をお願いしてある。
うん、これは耐久力があるね。
ダメージは確実に与えられているのだけど、ルビーの風切羽を持ってしても1割に満たない。
ログレスの突き刺しは微かにダメージを与えられているのが見て取れる。
僕の魔法銃はダメージが見えない。
これ、僕が攻撃する意味あるのかな?
まあするけどね。
そしてHP回復!
これは耐久型ですね。
勿論、浮きクラゲも何もしない訳では無い。
4本の大きい触手で攻撃している3人を捉えようとしている。
僕に1本、ルビーに2本、ログレスに1本の割合なのは与えているダメージの差だろう。
まあ、速度は遅いので余裕で避けられるのだけどね。
う~ん……弱点攻撃したいな。
いや、まずはログレスに毒を試してもらおう。
毒状態にならないです。
ムレウオは結構簡単になったんだけどな……。
まあ、もう少し続けてもらおう。
そして、途中から触手が全てルビーに向かっている。
脅威となるのはルビーだけと判断したのだろうか?
ただ、流石に触手4本を避けながらとなるとルビーも攻撃するチャンスが減っている。
これでは与えるダメージよりも相手の回復が優ってしまっているので永遠に倒すことはできないだろう。
やはり、するしかないのだろうか?
危険もあるだろうけど、もしかしたら水中でしか使用できない可能性もある。
迷うな……。
このままでは倒しきれない。
ルビーが合間に攻撃してくれているからどうにかダメージと回復が拮抗しているけど、これではダメだろう。
あれだけ動き回っているルビー、体力の消耗は大きいだろう。
やはり、弱点を狙おうか。
方法は思いついている。
ただ、避けられるかどうかは分からない。
……うん、もし避けられなかったらごめんね、ログレス。
チャージはこれくらいでいいかな。
それではログレス、行こうか。
ログレスの上に乗り、魔法銃を天空に浮かぶクラゲへと構える。
触手は全てルビーに向かっている。
小さい触手は範囲外。
さあ、あとは僕が狙い撃つだけ。
……今だ!
よし、チャージ弾は弱点である傘内部に当たった。
そして浮きクラゲは大きな触手での攻撃を継続してまま、小さな触手を何かを掴むように丸め始めた。
さらに体の下部をこちらへと向け、狙いをつけてくる。
やはり、空中でもあるのだね。
溜めに必要な時間は1秒程だったはず。
だけど、その時間に意味は無い。
常に狙いをつけられているので発射後に避けられるかどうかだ。
2秒、3秒……。
そして5秒程経過したところで浮きクラゲはその攻撃を放った。
何かを押し出すように小さな触手を動かしたと思ったら、全身を強風が襲った。
何とかログレスにしがみつき、耐えようとするがログレスが飛行状態を維持することができず海へと叩き付けられてしまった。
さらに波が押し寄せてくるが、水上を滑る様に移動しながら空中へと戻るログレス。
これならば波は回避できるだろうと判断し、すぐに従魔手当てを使用する。
視界の端に迫りくる2本の触手が見えてはいるが、それはログレスに任せておこう。
そして従魔手当てによる回復が完了し、波が収まっているのを確認してから水面へと近づいてもらいそこで海へ飛び降りる。
ダメージを与えている割合で考えるならば、これで触手は2本とも僕の方へ来るはず。
……よし、2本ともこちらへきたね。
2本ならば十分に避けられるのでもう大丈夫。
さて、触手が2本こちらにきたということは、ルビーが少し自由になります。
あとは最初と同じ。
さあ、カウントダウンだよ?
20141122:修正
・誤字を修正しました。
・131話になってしまっていたので130話に修正を行いました。
申し訳ありません。