―――127―――
北の神殿経由で北の森です。
そして、今は夜です。
夜明けは近い!
皆頑張ろうか!
僕も繭の護衛頑張ります!
とりあえず、イナバをラビットで、ルビーをアクセラレーションホーク・ウィンドで、ログレスをパペットで再召喚だ。
鎧騎士の行動限界時間はまだだけど、別行動中に突然停止するのは絶対に避けたいからね。
凄い速度で繭が集まっていくよ!
勿論、ルビーです。
上昇した移動速度でどんどん集めてくる。
さらに途中から落としてもらって僕が受け取っているので繭集めは加速した。
来るタイミングはイナバに教えてもらっているので問題は無い。
それにルビーも受け取りやすいように落としてくれているからね。
夜明けです。
今回の繭の数は凄く多い。
一応作戦はあるのだけど、初めてなので失敗する可能性もある。
だが、成功すれば今後の効率は一気に上がるはずだ。
頑張ろう!
ミミクリーバタフライが羽化し始めたので、すぐにログレスを鎧騎士で再召喚しておく。
問題はここから。
さあ、イナバ。
ミミクリーバタフライを繭から離そうか!
そして、離れたところで繭に当たらない様にルビーのカマイタチで全滅させる。
一撃で倒せるとは思っていないけど、カマイタチを数回すれば倒せるはずだ。
勿論絶対成功するなんて思っていない。
繭から離す段階で死に戻りするかもしれないし、ルビーのカマイタチの範囲に繭や僕たちが入ってしまうかもしれない。
ただ、効率を考えるとこれが一番だろう。
もし死に戻りしたら今日は図書館で過ごすので問題無い。
そしてログレスはルビーの護衛だ。
カマタイチを溜めている途中は回避が難しいからね。
守ってあげてね。
まず、僕とイナバは少し離れた位置で尚且つ気づかれる位置、ルビーとログレスはさらに離れた位置で僕達とは違う方向からスタート。
最初に僕とイナバに気づかれなければ近づくつもりだったけど、十分に気づかれる範囲だったようで羽化したミミクリーバタフライはすぐにこちらを見つけて向かってきてくれた。
ここでもしルビーとログレスに向かった個体がいた場合は僕が攻撃して目標を変更させる。
それでも向かっていく場合はログレスに任せる。
そして、多くの擬態蝶がルビーとログレスに向かった場合は繭を諦めてすぐにカマイタチを撃ち、殲滅を開始する。
同時羽化ではない為、全て羽化するまでは鱗粉や体当たりを避けなければならないが短時間ならば大丈夫だと考えている。
そしてもし僕とイナバが耐えられないようならば、その時点でルビーにカマイタチを開始してもらうつもりだ。
数体だけあちらへ向かってしまったので予定通り魔法銃で攻撃したところこちらへ向かってきてくれた。
まあ、多く向かわなかった時点でここまでは成功だ。
下がりながら戦っているが、流石に数が多いだけあって鱗粉によるダメージを受けてしまう。
回避が上手いイナバも少ないながらもダメージを受けているようだ。
相手の行動を阻害する事をメインにしてこれなので決め手が無ければこの数とは戦いたくない。
今もだけど、囲まれたら終了です。
全ての疑似蝶が羽化したみたいだ。
ログレスが剣を上げて合図をしてくれている。
さあ、反撃といこうか!
3発。
僅かの3発で全滅です。
1発目はかなり溜めていたことを考えても、かなり威力は高いだろう。
ただ、1発で倒せた個体や3発掛かった個体がいたのが気になった。
レベルや当たり方で差が出たのだろうか?
それとも、個体によってステータスに差が出ているのかな?
まあ、今はそれよりも剥ぎ取りです!
1分とかかっていないのでかなりの数剥ぎ取れるはず。
頑張ります!
地面に大量の繭糸が落ちている。
少し消えてしまったが、多くの繭から剥ぎ取ることができた。
何も突き刺す必要は無いのだ。
掠るだけでも十分。
これは蜘蛛の巣で分かっていたことだ。
今回はそれを利用し、できるだけ多くの繭に剥ぎ取りナイフを当てるように動いてみた。
勿論腕や足で繭を傷つけないように。
今回は少し消えてしまったが、少し慣れたので次回からはもう少し多く剥ぎ取れるようになるだろう。
さて、剥ぎ取ったところでまずは回復しよう。
そしてその後休憩にしようか。
皆、お疲れ様、ありがとう。
休憩終わり!
ルビーをウルフで、ログレスをアクセラレーションホーク・ウィンドで召喚して東へ移動開始だ!
先程集めたいとは明日もう一度集めてから町へ戻り、マイさんへ届けよう。
まだ足りないとは言われていないのでこれで間に合うだろう。
もし足りないと言われたらその時点で届には行くけどね。
海!
アジフライ!
いや、今日の目標はアジフライではない。
さあ、イナバをムレウオでルビーをアクセラレーションホーク・ウィンドでログレスをパペットで召喚して海へ突入です!
挑むのは新たな魔物!
さあ、頑張ろう!
ログレスにムレウオ以外で弱い方を探してもらったのだけど、まさかの海底にいました。
これではルビーの支援は望めないかな?
まあ、今回はイナバもいてくれる。
大丈夫。
丸いひし形の後方に棘を付けたようなその体は薄く大きい。上部は灰色、下部は白色で可愛い顔が付いている。
全長1メートル程、横幅は……80センチ程だろうか?
<魔物>エイ Lv1
少し潜って撃ったところ、こちらへと浮上してきてくれたよ。
エイって真上に移動するイメージが無かったんだけどね。
そして勿論、浮上までの間は射撃練習です。
体が細いので当て難くかと思ったのだけど、撃っても直進してきたので当て放題でした。
移動速度はムレウオよりも速く、アジよりも遅い。
仮に体当たりをしてくるとして、体の大きさから避けるのはギリギリかな?
あと、確か尻尾に毒針が付いている種類がいると聞いた気がするので注意しておこう。
毒の回復手段は無いからね!
ギルドは毒消しくらい売っておくべきだと思うよ!
とりあえず、回避しながら観察してみよう。
メイン攻撃は体当たり。
そして、恐怖の尻尾による突き刺し。
これは2種類あり、1つ目は体当たりと見せかけて直前で反転し、よくしなるその尻尾を一旦引いて、溜めを入れてから突き刺してくるのだ。
さらに避けたと思ってもしなるので少し追尾してくる。
そして速度も速い。
これは結構怖い。
2つ目は稀にだけど体当たりを回避した時、すれ違いざまに突き刺してくるのだ。
こちらは溜めが少ないので1つ目と比べて速度が少し遅いがその分追尾力が高い。
どちらも致命的な僕にとってはこちらの方がより怖いです。
あと、体当たり後の尻尾による突き刺しをしな場合に限り、すれ違いざまに尻尾上部にある小さな針を当てにきている気がする。
もしかして、あの小さな針が毒針なのだろうか?
気を付けよう。
さて、観察は終了したので攻撃を開始しよう。
イナバお待たせ。
もう攻撃していいよ。
小魚に体勢を崩され、顔に魔法銃と小魚の体当たりを受けエイのHPは空になった。
イナバの訓練の成果はもう出ているようだ。
流石イナバ。
さて、お楽しみの剥ぎ取りです!
何が出るかな?
……これは、針?
うん、取り扱いに注意しよう。
さて、陸に戻ってきたところで早速次を探してもらおう。
最後の魔物、水の塊さんです。
その半透明の白い魔物は優雅に海中を漂っている。
半球型の体、いや傘。
傘の下部の中央付近に4本の大きな触手を持ち、さらにその周りは沢山の小さな触手で満たされている。
<魔物>クラゲ Lv1
そう、クラゲです。
ただ、ね。
大きいんだ。
体長は傘の部分だけで2メートル程。
小さな触手でも体長の2倍以上。
そして大きな触手になるとその長さは体長の数倍はある。
もう少し小さいイメージだったのだけどな。
さて、どうしようか。
結構認識範囲が広いのか、既に気づかれている。
まあ死角が分からなかったのでこれは仕方ない。
幸い移動速度はとても遅く、頑張れば泳いで逃げ切れる程だ。
うん、魔法銃だけで接近されるまで攻撃しておこう。
イナバはとりあえず待機で。
20141210:修正
誤字を修正しました。